小津安二郎「晩春」(日本映画)🇯🇵
小津安二郎監督が戦後放った名作。
これによって小津監督の復活ともささやかれた名作。
結婚適齢期にある娘と、その親の関係を描いた作品。
原節子の父を慕う気持ちと、父親の娘を思う気持ちに共感できる。
原節子はこの映画が小津作品のデビュー作。
ラストで笠智衆が、背を向けてうつむくシーンがあるが、監督の演出にたいして、笠さんが意見をのべて、シーンが変更になったそう。
なんでも、本来なら、涙を流すシーンだったのだが、男がこの場面で涙を流すのは、弱々しいという意見を述べたのだそう。
後にも先にも、小津監督に反論したのはこのときだけだったそうだが、
この変更は良かったんじゃないかと思う。
背を向けて、うつむくというラストは、ものすごく主人公の心象を代弁しているから。
涙だと分かりやすすぎるけど、無言な分だけ、一層深い心象が伝わってくる。
この場面のために見る価値があるともいえます。
戦後の小津映画の幕開けを告げる名作です。
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