地球に生命が生まれる確率。

天文学者のフレッド・ホイル博士という方がこれについて述べた比喩があります。
（なお、この方のちょっとした失言から「ビッグ・バン」という言葉が生まれたらしいです。）

「最も単純な単細胞生物がランダムな過程で発生する確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」のと同じくらい」

というものだそうです。まったくよくわからないですが、何やら途方もない確率だったことはわかりますね。

地球に生命が生まれたということは、結果から見れば、何十億年も前に起きた壮大な奇跡だったんですね。

それは、一度に何かが起きたわけではなくて、いろんな要素が積み重なって、そこに至ったはず。

たとえば、たまたま宇宙があって、たまたま太陽があって、太陽から程よい距離に地球という星があって、そこには大気があって、水があって、、、、

大きな奇跡は、小さな奇跡の積み重ね。

その小さな奇跡の積み重ねは、我々の日常にもあります。

自分が生まれたこと、人や音楽や映画など文化芸術との出会い、子供の誕生、結婚や恋愛なども、すべて奇跡のようなもの。

こういう出来事の積み重ねが人生。

ふとした瞬間に同じこと考えたりして
また時には同じ歌を口ずさんでたりしたりして
そんな偶然が今日の僕には何よりも大きな意味を持ってる（歌詞一部引用）

周りから見ても全く大したことのないこと。でもそんなことが大きな意味を持つことがあります。そんな小さな出来事＝小さな奇跡の積み重ねが宝物になっていく。

ちょっとした思い出も、特別な意味をもって、大きな奇跡になっていく。

この曲のタイトルは「Your Song」
Your Song あなたの歌

これまで作ってきた歌詞、曲は、あなたの歌（あなたの中に存在するあなた自身の歌）だということなのでしょうか。

その歌は、自分たちだけで作ってきたのではなく、楽曲を聞いて感動してくれるファンや聞き手の存在があってこそ。

ファンの声がライブ会場で集合体となって、その声が、作り手の意識と共鳴しあうからこそ、楽曲や詞は生み出されていくのだと。

そんな、ふとした瞬間の偶然の積み重ねで、楽曲は生まれるのだと。

つまり今まで歩んできた道もこれから歩んでいく道も、すべてがそういった小さな軌跡、、、、小さな奇跡の積み重ねの結果だと。

Your Song あなたの歌
視点を変えると、、
Our Song 我々の歌

当たり前の日常
小さな出来事
小さな奇跡

この集積の結果として、大きな奇跡に感じられる日々の営みこそが、

Our Song 我々の歌（あなたとわたし、我々自身が作り上げていく人生）なのですね。

中国の思想家、魯迅の言葉を紹介して、この記事を終えます。

「其实地上本没有路，走的人多了，也便成了路」（地上に道は初めからあるのではなく、多くの人が歩くから、それが路となるのだ）

路＝軌跡＝人生＝歌