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どちらかというと夜行性だった ~平成と情報化~

1、電車でみんなスマホを見てる

平成の30年間で大きく変わったもの。

先日の記事で「希望」「コンビニ」を取り上げました↓。

今回は「情報化」を取り上げようと思います。

とはいえ、その一部はすでにこちらの記事で書いています↓。

一部、その内容を引用します。要は「情報化によって大きく世の中が変わっていった」という内容です↓。

インターネットが生まれたのは1969年。もともとはアメリカの国防総省が4台のコンピュータを結んでネットワークをつなげたのが始まり。1970年代には、アメリカの大学のコンピュータがネットワークでつながるようになり、1989年には日本の大学もこれに参加。1990年頃には一般の人でもインターネットにつなげられるサービスが始まり、1995年頃には『Windows95』が発売されて急速に普及していった…。

まず第一に「検索」。なんでも調べられる。第二に「利便性」。家にいながらにして取引ができる。第三に「発信」。ブログやSNSを使って、全世界に自分なりの表現を発信できる。

物流の変化。生産者→問屋→小売店→消費者の流れが、生産者→消費者のように直接取引できることが容易となった。世界中からモノなどを買うこともできるようになった。政治の変化。インターネットでの選挙が解禁され、オバマ大統領などのように、徹底的にインターネットを使って大統領になる人が出てきたり、アラブ諸国の革命の引き金になったりした…。

元々の情報元はこちらになります↓。

これを前提として、もう少し平成の「情報化」を掘り下げます。

1989年(平成元年)の頃、電車の中で情報を得るといえば「新聞」や「雑誌」でした。ところが2018年(平成30年)になると、多くの人が「モバイル」で情報を覗いています。まさかこんなに「スマホ」「iPhone」が普及して、電車内の風景が変わると誰が予想したでしょうか。この平成で大きく変わったものの1つとして、「情報化」は外せないと思うのです。

2、平成の情報化は夜に

では、平成の「情報化」はどのように進展してきたのか? ここでは、どんなモバイルが出てきたとか、そのようなハード面は取り上げません。使われ方に焦点を当てます。

一言でまとめると「夜行性」です。もう少し言うと「深夜にパソコンにかじりつく」イメージです。決して「昼におおっぴらに堂々と広まってきた」イメージではありません。えっ、いま、昼の電車内でもスマホみんな見てるじゃないですか、と思われるかもですが、夜・昼は比喩です。

インターネットは、まず第一に「情報収集」「消費行動」「娯楽」「おしゃべり」と言った、諸々の消費者の行動にダイレクトに影響を及ぼしました。つまり「公的」な「昼」ではなく、「私的」な「夜」に使われてきたのです。ここでは「昼」と「夜」は、時間的なものだけではなく、「公的」と「私的」の比喩として使っています。

考えてみれば、「公的な昼」つまり仕事とか政治とかには、情報化の恩恵は進みにくかったのではないでしょうか。いまだにEメールすら仕事上で使えない方はたくさんいます。FAXがこんなにまだ使われているのは、日本くらいなものだそうです。ましてやクラウドやアプリで業務を効率化することに、「なんかよくわからんから」と抵抗感を抱く人も多い。政治についても、「電子投票」は大々的には導入されず、投票は投票所で紙に書いて投票が基本です。ネットでの選挙は、ようやく最近になって解禁されたレベル。行政の現場ではペーパーレスは遅々として進まず、昔ながらの印鑑を押しての稟議書が主流です。

その一方で、「私的な夜」つまりプライベートでは、情報化の恩恵をおおいに受けています。高齢者の方でもLINEを使いこなす方は多く、メルカリで不用品を売ったりします。「2ちゃんねる」「Twitter」「ヤフーニュースへのコメント」などに代表される、自分の意志を気軽に表明できるネット上の場は大盛り上がり、盛り上がり過ぎて炎上することもしばしば。「オタク」が市民権を得てきたのは「電車男」あたりからです。2004年(平成16年)という平成の真っただ中、2ちゃんねるで「電車の中で酔っ払いに絡まれた女性を助けてお礼を言われた」「助けたお礼にエルメスのティーカップが届けられた」などと投稿されたことをきっかけに、恋愛小説的な展開が進んでいき、多くの利用者が共感しました。「めし どこか たのむ」と、2ちゃんねるの住民たちに向かって、デートに誘う飲食店の情報をネット上で集めたのが象徴的です。

「電車男」のドラマはこちらから↓。

もう一度繰り返しますが、平成の情報化は、「夜の私的」な領域に限定されており、「昼の公的」な領域には、まだまだ浸透していっていなかったと思われます。こちらに浸透していくのは、まさにこれからの「令和の情報化」ではないかと思います。いまだに「日経新聞を紙で読んで、社内の噂話を直接集める」ような人たちが、経済や大企業内の実権を握っているイメージです。ネットでの情報は、「トイレの落書き」にしかとらえていない人たちです(事実、そのようなヘイト的な言説も多いのですが…)。

以上、この項目の内容は、こちらの文献の「情報化」(濱野智史さん)の欄を参考・一部引用して書いてみました。興味のある方はどうぞ↓。

3、令和の情報化は昼に

とはいえ、アメリカ合衆国の大統領がTwitterを愛用し、アラブ諸国ではSNSから革命が起こるこのご時世、「昼」つまり「公的」に情報化を進展させることは、令和の必然でしょう。

沢渡あまねさんは、著書『仕事ごっこ』の中で、「白ヤギさんと黒ヤギさん」という童話風のたとえを使って、「紙ベース→電子ベース」への転換を促しています。紙ベースでの業務はトラップだらけ、なのにいまだに「下の立場の人は印鑑を、偉い人の印鑑に向けて傾けて押す」などの「仕事ごっこ」がまかり通っている現状があるとのことです↓。

上が改めれば下も改める、とばかりに、首相自ら「行政文書のペーパーレス化」を号令していますが、なかなか進まないようですね↓。

武内俊介さんがnote記事で述べているように、「アメリカでは引継ぎなど存在しない、なぜならすべて電子化・可視化されているから」というケースが多いのに、日本ではいまだに紙文書と一子相伝の口頭で引継ぎが行われている現状があります。「Bizer team」などの電子化・可視化ツールを使って、効果的に業務を進めることが求められる、と思います↓。

情報化といいながら、まだ「昭和スタイル」が色濃く残っていた平成時代の情報化。その夜の闇が徐々に、白日の下にさらされていきます。これからの令和の情報化に、あなたはどう対応しますか?

4、ではAIは昼行性?

この記事では、平成の情報化の一断面を提示しました。

令和の情報化と言えばAIですね。平成時代の最初に、インターネットが何やら得体の知れないものだと捉えられていたように、令和時代の最初の現在、まだまだAIについてはしっかり捉えられていません(私もですが)。

そこでこの漫画を紹介して、この記事の締めとします。

細野不二彦さんの『バディドッグ』です。AIを題材にしています。それにしても細野さん、昔懐かしい『GU-GUガンモ』のコメディから『ギャラリーフェイク』のマニアックな美術ネタ、今度はAIですか! タモリさん並みに守備範囲が恐ろしく広い漫画家さんですね…。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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