見出し画像

たまには怖い話を少々(苦手な人はご注意を…)。

ジブリ映画に『千と千尋の神隠し』という
大ヒット作品がありますよね↓

あの作品では「門」が非常に
わかりやすい形で描かれます。
むしろ、古典的ですらある。

千尋のお父さんは
異世界へと続く門に、入っていきます。
お母さんと千尋も、しょうがなく入る。

その結果が、です。

この「門」というのは
物語の設定としては昔からあります。
日常と非日常をつなぐ「ゲート」。
ここをくぐって
物語世界、異世界へと入る、という展開!

ベストセラーの絵本である
『おしいれのぼうけん』もそうです↓

本記事ではこの「門」について
いくつかの作品を紹介しつつ書いてみます。

本記事執筆時(2022年10月下旬)、
世の中にはハロウィン商品が
あふれております。

日本でも近年、ハロウィンイベント
定着してますよね。

ですが、この奇妙なイベント、
実は怖い面がありまして。
「神隠し」も、起きがちなんです。

起源はヨーロッパ。
アメリカにわたって今の形に「発展」し
それが日本に渡ってきているわけなので
その怖い面が、薄れがちなんですけど。

ほら、一昔前に、
「留学生が射殺されてしまった事件」
ありましたよね。
ハロウィンの仮装をして
とある家を訪問した留学生が、
「フリーズ(止まれ!)」を
「プリーズ(どうぞ!)」と誤認して、
家に入ろうしたら射殺されてしまった…
という、痛ましい事件。
(刑事裁判と民事裁判で
真逆の判決が出ていますので、
真相ははっきりとはしていませんが…)↓

ハロウィンは仮装するので、

不審者が
「目立たなくなる」時期でもあります。
犯罪が、増えてしまう。

射殺してしまった人の主観では、
「フリーズ」と言ったのに入ってくる
「危険な人」を射殺してしまった…。

事実、アメリカなどでは
ハロウィンが終わると、
バス停などに「この子を探しています」
という悲痛なチラシが増える
、と言います。

このあたりの
「ハロウィンの恐ろしさ」までは、
あまり日本に伝わってないように思います。

そもそもハロウィンは
キリスト教がヨーロッパに広まる以前、
ケルトの「ドルイド教」の祭りが
起源だ、と言われています。

それをキリスト教が広まるにつれ
聖人のお祭りの日の「イブ」に
統合してしまったとか…。

ドルイド教。

「ドルアーガの塔」では
敵としてドルイドが出てきますが、
れっきとした宗教、政治的な存在。

シーザーことユリウス・カエサルは
『ガリア戦記』という著書によって
このドルイド教と
その政治について触れています。

謎が多くて全容は解明されていませんが
「ジャック・オー・ランタン」などは
このドルイド教の名残なんですね。

曰く、現実世界と異世界の「門」が
決まった日に開かれる。

「あの世」の異形の死者たちが
現実世界にやってくる。

日本で言えば「お盆」に似ています。
お盆でも盆提灯を飾りますよね。

だから子どもはそれに気づかれないよう
怪物などの「異形の姿」に仮装する…。
ドルイド教の司祭たちが
家に「火」を分け与え
怪しい存在が家に入ってこれないようにする。


本来は、怖いんです。

あくまで古代の話ですが、
一説によると、

このドルイド教の古代社会では
「人身御供」(いけにえ)
儀式も行われていたと言われています。

イギリスのストーンヘンジでは
人が供えられていたとか…。
「ウィッカーマン」と呼ばれる
木でできた大きな人型の檻に
人を閉じ込めて燃やしていたとか…。

うーん、怖い、ですね。

ここでホラー映画好きの方なら、
『ウィッカーマン』という
1973年に公開された映画を
思い浮かべたかもしれません。
(近年ではニコラス・ケイジ主演で
リメイク版もありますが、
元祖のほうが評判が高い)

概要だけ説明しますと、

とある英国の離れ小島に、
キリスト教の教えを守る
敬虔で純真な警官が、
行方不明の女の子を探しにやってくる。

ところが、その島の住人達、
なんだか怪しい。全員が!

信心深いその警官に
みだらな誘いをかけるわ、
「常識」では考えられない
言動を繰り返すわ…。
見た目は、全く普通の人たちなのに。

じきに警官は、この島の人たちに
女の子が殺されたのではないか、
それを隠しているのではないかと
疑い始めます。

島に伝わる「祭り」に潜入して
それを確かめようとするのですが…。
おっと、オチまで言うと
未視聴の方に恨まれてしまいますので、
ぜひ、コメント欄のリンクから。

この『ウィッカーマン』、
心理的にじわじわと襲い掛かる、
『世にも奇妙な物語』の
怖いお話にも似たホラー
です。

この『ウィッカーマン』を踏まえて
舞台を北欧に移し
「古ゲルマンの宗教」のモチーフに替えて
新たな表現で発展させた映画が

2020年に日本でも公開された
『ミッドサマー』という説もあります。
(もちろん違う面も多々あります)

これも怖い。じわじわ怖い。
「明るい白夜」の中の祭り…。
「見た目は普通の人たち」が
実は全く『普通』ではない恐怖…。

(なお、どちらの映画も、
視聴には年齢制限があります。
お子さんや家族と見ると差し障りのある
尖った描写があります
ので
ご注意ください…)↓

最後に、まとめます。

日常と非日常との間には
「門」がある。

この門は「物語」や「祭り」では
知らぬ間に開いてしまって、
時には人を飲み込んでしまいます。

しかし物語や祭りだけではなく
実は日常にも気づいていないだけで
たくさんあるのではないか?


SNSもその一つ。
ネットには「闇サイト」もあります。

「異形の人」たちばかりではありませんが
「ふだん会えない人たち」と触れ合う。
「他の世界の人たち」と交流できる。
そんな点では、門、ゲートに似ています。

メリットもたくさんありますが、
異世界に知らぬ間に引きずり込まれがち、
という怖い面もある。

ただし異世界に染まった場合は
SNSの中の世界のほうが現実世界となり
SNSでない世界が逆に異世界になる…。


リンクトインはビジネスSNSなので
皆さん、節度を持って活動するケースが
ほとんどです。
危険なケースは少ない、とは思います。
(時々、怪しいアカウントから
メッセージが来ることもありますが)

しかしツイッターなどのSNSを起点に
行方不明、神隠し、犯罪に遭うケースが
皆無ではないのもまた事実。


楽しい「お祭り」。
その裏には「怖さ」もある。

就活イベントも、そんな側面があります。
いわゆる「ブラック企業」ほど
その入り口である「門」は
楽し気に誘惑してくるもの。

普通の人に仮装していますから。

そういった『闇』もひっくるめて
日常的にある見えない「門」に
接していこう、と私は考えています。

オンラインとオフライン。
それぞれの良さと危険さも熟知し、
節度を持ってうまく「使う」こと。


これこそが、大事ではないでしょうか。

さて、読者の皆様は、いかがですか?

日常と非日常をつなぐ「門」に
無意識に引き寄せられたりはしませんか?
…ハマりすぎて、いつの間にか、
「豚化」したりはしていませんか?

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!