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Short Story * Alone and Around Forty かな子の場合

友だち申請とかフレンド登録って、好きじゃない。

そもそも、友だちってなに?
楽しく遊ぶ仲間が、寂しい時や落ち込んだときに寄り添ってくれるとは限らない。
遊び友だちと寄り添ってくれる人が別だったとしても、その考え方自体が自分本位であって、相手がどう思っているかは本当のところ、わからない。

こちらが友だちだと思っていても、相手は違うかもしれないし、その逆もあるかもしれない。
考え方が十人十色であるように、お互いの熱量が一緒ということはあり得ないのだ。

「次のお便りにまいりましょう。東京都にお住いの浦田サミコさん。
こんにちは、いつも楽しく拝聴しております。
親についての相談です。
親から見合いをするようにうるさく言われています。
両親は年老いており、兄は結婚して海外に住んでいるため将来は私一人になります。
私は一度離婚経験があり、もう結婚するつもりはないのですが、だからといって結婚すれば安心というわけでもないと思います。
自分でもこのままで良いか迷うところでもあります。
私は一度でも良いからお見合いをしてみた方が良いのでしょうか。」

ラジオの相談メールを聞き流す。

確かに、私も未婚のまま40歳を超えてしまい、年の離れた弟は結婚し家庭を持って郊外のマンションに住んでいる。
私の入る余地はどこにもなく、状況としては浦田サミコさんと似たり寄ったりである。

友だちってなに?という問いに戻ると、恋愛も相思相愛というものはどこまでお互いの熱量が同じなのだろうか。
付き合った人がいないわけではないけれど、どちらか一方の思いが強くてもうまくいかないもので、結局今に至るのだから。

そもそも、結婚したら寂しくないのだろうか。
子どもがいたら幸せなのだろうか。
浮気をされても?子どもが迷惑犯罪をしてしまっても?

園児はバスに置き去られたかと思えば、LGBTで苦しみ自殺する人までいるような世の中。
同じレイヤーで語ることではないけれど、一人でいることが不幸とは限らないし、友だちがいても幸せとは言い切れない。

要するに、自分がどう思うかを大切にすれば良いのであって、相互友だちであることが重要ではないのだ。

だから、友だち申請とかフレンド登録って、好きじゃない。




あとがき
ラジオを聞いていて突然インスピレーションが湧いてしまったストーリー。
内容は加筆修正する可能性があったりなかったり。
(文脈やら誤字脱字やら etc.)

そしてこの小説は、続くかどうかは私のモチベ次第。笑