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親子でハグしたお話

こんばんは。悲しみ寄り添い人のあやです。
年明け早々の地震、こちら大阪でもずいぶん揺れを感じました。「今すぐ逃げてください!」と警告されていたご地域の方々は、今も辛く不安な気持ちを抱えていらっしゃること思います。必要な方々に少しでも早く、安心していただける支援が届きますことを祈ってます。


はじめに

父を二年前に亡くし、今の家族構成は母と弟と私の三人です。みんなそんなに離れていない距離で別々に暮らしています。
父は職人気質で口数も少ないタイプでしたので、父がまだ生きていた頃は家族の会話は少なく、みんななんとなく父の顔色を伺い、そして、あまり一緒に長居したくない空気感でした。そんな感じですので父が亡くなって以降は、家族が集まった時にはみんなリラックスし、笑顔も多くなりました。そして「LINEグループで毎日の挨拶」なんてことも弟が提案し、始まりました。

最初は、父がいなくなって急に三人が仲良くし始めることになんとなく抵抗がありました。なんで父がいるときにこうして四人で仲良くできなかったんだろうって。もちろん当時の私がグリーフの状態で、いろんなことにイライラと気に入らない時期だったということもありますが、約二年経過し今思うのは、決して仲が悪い家族だったわけではなくて、悪い父親だったわけでもない。その時に最善の形だったということ。子供の頃は祖母も同居していました。祖母がいた時は家族五人で、それぞれがそれぞれの役割で最善の形、四人になって、三人になって、その時その時、最善の形になっていたのだと、今はそうして自然と受け入れられるようになりました。

ハグしたい

(前置き長いやん、こっからやで本題は・・・)
父が亡くなってからは、大晦日は親子三人が集まって、食事をすることが定例となりつつあります。この大晦日ももちろんそのスケジュールになっておりました。
さてこの食事会で私が企んでいたのは・・・・

母と弟とハグするぞ!ってこと

私の記憶では過去に一回、多分二十年以上前だと思いますが、父の日にプレゼントと一緒に無理やり父にハグをし、その時ついでに母にもした、多分それが最初で最後のハグの記憶です。

母に会うのは月に一回あるかないかくらい。弟とはそれより少ない。
じゃあ二人に会うのは人生のうちで後何回?
ハグが大事ってことじゃないけれど、私はしたいのです。なんとなく。
親戚とか、友人には自然とできるのに、親子だとやっぱりハズいんです。
でもそれが、母が亡くなった時、弟が亡くなった時、じゃ嫌だなって。

ハグしたぞ

食事も済み、散々おしゃべりして、弟が帰り支度を始めました。さて、切り出そう。。。

「なあ、ちょっとハグしようか。死んだ時にするんやったら今からしといたほうがいいと思うねん!」

そんな姉からのセクハラのようなセリフに、弟はもちろん〝オエっ“とわかりやすいリアクション、しかし拒否できないことを理解しているので応じてくれました。
弟はそのまま玄関へ。すかさず私は母に「お母さん、ええのん!?」と促すと

弟:「息子っていうのはそういうのいらんねん・・・」

言い切るかどうかのところで母が、靴を履く弟の背中に向かって、照れながら名前を呼んで抱きついた。

弟も観念し、振り返って「はいはい」と応じる

・・・・・素敵じゃないですか?

素敵な大晦日でした。

一種のハラスメントかもしれませんが、今後も我が家の〝姉ちゃん“として責任持って、継続していこうと思っています。

年が明けて

地震がきました。結構長く揺れました。揺れが止まらない。ドア開けたほうがいい?倒れてくるものないけど机に潜ったほうがいい?そんなこと考えながら母に電話。電話がつながってからもしばらくずっと揺れています。

「昨日のハグが、ほんまに最後になったかもしれん、そんなことあるかもしれんよね」

そんなことも話しながら。
(でも途中で「ちょっとやることあるから切るわー」って切られたんですけど・・・涙 この地震の最中に何?やることって何?)

さいごに

死ぬのって、生まれてきた順番じゃない。明日、1分後、生きてるって保証はどこにもない。死別してから「もっとこうすればよかった」「ああしとけばよかった」っていっぱい湧いてくるんです。意識してどんなにやってたとしても、湧いてくるんです。だから、それが自分がちょっと勇気持つだけで今できることなら、なんでもやっておこうと思います。

自分の人生、たくさん失敗してもいいから自分でしっかり創っていきたい!

お読みくださいまして、ありがとうございました。

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