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HSPを自覚する一番古い記憶

 パトカーのサイレンを聞くたびに思い出すことがある。

 あれは確か保育園生くらいだったと思う。祖母の家で親戚と食事をしていた。遠くから聞こえてくるサイレンの音。次第に音は近づいてきた。

 親戚の1人がこういった。「◯◯(わたし)を捕まえにきたよ」と。当時のわたしはパニックになった。幼いながらの必死の抵抗でテーブルの下に身を隠す。呼吸でバレてしまわないようにと息も潜める。ピーポーパーポー。サイレンの音は祖母の家に近づいてきているような気がした。そんな危機的な状況なのに親戚や両親は笑っている。わたしは怒りを通り越して、何か諦めのようなものを抱いていた。

 結局、警察はわたしを逮捕しなかったのだけど、なぜか今でもパトカーのサイレンを聞くたびに思い出してしまう。この出来事は今のわたしに何か影響を与えているかと言うとそうでもない。幼少期の思い出のほとんどを記憶にないのに、何故かこの出来事だけは消えない。

 世界に対するわたしの敏感なところは幼少期から始まっていたのかもしれない。ハイセンシティブを感じる出来事で一番古いのはこれかもしれない。


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