最近また突然、そして改めて、美容に興味が湧くようになってきた。

美容への向き合い方をこうして改めて考えさせられることで、これは普段の自分への向き合い方に似てるなと改めて感じるのだ。

私はずっと、「何もしない状態が1番美しい」という理論を持っていた。仕事はずっと長いことヘアメイクという美容業を生業にしていたのだけれども、正直心の中では自然美、健康美こそが1番美しくて、メイクや過度なスキンケアをすることで、その人本来のもつチカラを抑えてしまったりすることが歯痒かった。もちろん美容が秘める力は半端ない。その人の本来もつチカラを引き出すことができるモノだということも間違いないし、それは何度も体験している。

しかし、人が『何かの力を借りて』美しくなるのを見るたびに、自分のチカラでやれるようになるのが1番良いのになと、ずっとずっとモヤモヤしてきていた。

お顔に血色が足りないからチークを足して、顔が大きく見えるからシェーディングを入れて、毛穴が目立つから隠して、ニキビが気になるから隠して。色のチカラを借りて、道具のチカラを借りてごまかすんじゃなくて、しっかり根本の問題を見ようよ。ずっとそんなことを思いながらこの仕事をしてきたのかもしれない。

もちろん根本問題にしっかり目を向けて向き合うことは、変わらず大切なことだとは主張したい。血色感がないなら血流をよくする、シェーディング入れるくらいならそもそも痩せる、毛穴が目立つなら原因に合わせて毛穴ができないような肌質にして、ニキビができるなら生活習慣ホルモンバランスしっかり見直す。それはもちろんの前提として。

でも、私も今年33になる。まだまだ若いつもりではいるけれど、正直健康の下り坂を着々と下っていってるのは間違いない。そうなると、もう、自分のチカラだけではどうしようもないことも確実に出てくる。なんでかわからない肌荒れが起きたり、クマができたり浮腫んだり、毛が抜けたり。そしてそれを「私は自分でなんとかできるんだ！！！なんとかするんだ！！！」と何故か意地になって自分の力だけでどうにかしようとしてきていたけれど、化粧品に頼ったり、グッズやツールに頼ったり、システムに頼ったり、したって全然良い。そして、いろんなモノの力を借りて自分のケアをしっかりして自分というカラダを大切に丁寧に扱うことが、1番のベストエイジングになるんだと思えるようになった。

そして私は同時に気づいたことがある。モノに頼らず自分でどうにかしようとしていた自分は、同時に、周りの人に頼ることも甘えることもできていなかったということに。美容に関してそうなのだから、人生全般そうなるのも無理ない。「全部自分でなんとかするんだ！！！！！」という、もうこれはただの意地である。自分でやらないと、自分でできないと根本解決にならない！！という考えのもと、ただ意地を張って自分で抱え込んで、結局解決できずに泣き寝入り。そして、何もしない方が美しいという頑固な考えを盾代わりにして、頼れない自分を守るしかなかったのかもしれない。

モノに頼るのと、人に頼るのは似ている。美容に関してもそうだけど、家事や料理、子育て、仕事においてもきっとこれは言えること。自分を楽にしてくれるものがあるなら頼ろう。自分を鼓舞してくれるものがあるなら使おう。どんなものの開発者だって役立って欲しくて開発している。大いに役立たせてあげようじゃない。そしてモノに頼れるようになったら、その周りにいてくれてる人にもきっとたくさん頼れるようになるし、結果的に、自分も人の役に立つことにも繋がるかもしれない。そうしたら、もっとしなやかに柔らかく、そして楽しく楽に毎日を過ごせるようになるかもね。