「なんでもないここに、すべてがある」という幸せ

最近幸せな日々を送っている、と思う。
なにか特別なことがあったわけではない。

私にとって幸せをはかるものさしは、「今目の前の人やものを全力で愛しているかどうか」である。恥ずかしいかな・・・でも事実なんだよなぁ。もちろん辛い時もあるけれど、今は日々のすべてが心の底から好きなんだよなぁ。


いつか・・・
「どうやったら幸せになれるか」という問いの答えを探していた。

将来どんな仕事をしたら幸せなんだろう、誰といたら幸せになれるんだろう、どうやったら成功できるんだろう、そもそも成功ってなんだ、何を成したら成功なんだ、その成功を掴むための今なのか?じゃあ今の私はいったい何者なんだ??
・・・そう考えると何も選べない、ね。
う〜ん、だからずっと選べない子供だったんだよなぁ(遠い目)

人生には成すべき・手にすべき何かがあって、それが「夢」と呼ばれ、それを叶えた人は幸せである。そう刷り込まれてきたような気がする。

でもある時期から、そういう考え方をしなくなった。というかできなくなった。(「大きな夢をもつ・叶える=美」という考え方への違和感はまた改めて書きたいなぁ)
なぜなら、幸せとは何かを成すことや手に入れることではなく「自分の状態」に過ぎないということがわかってきたからだ。

そして私にとってその状態とは「目の前の物事に全力を尽せる自分であること」である。何度考えてみても、道を逸れても、自分の幸せの定義はやっぱりここに返ってくる。

例えば、

今目の前にいる人たち。
今喋っている友達、共に働いている人、あるいは今オーダーを取ってくれている店員さん・・・誰であっても今目の前にいる人をないがしろにしないというのは、自分が思っている以上に重要なんだとつくづく思う。
今目の前にいる人のことを大切に思えていますか?思うだけじゃなく、ちゃんと大切にできていますか?素直でいられていますか?変な虚栄が邪魔してませんか?向き合うことを面倒くさがってませんか?「嫌い」や「関係ない」で片付けていませんか?

今目の前にある景色。
壮大な景色のことを言ってるのではなく、今自分の目の前にあるもの。自分のいる場所、環境、日常。
それらを大切に思えていますか?目を見開いてちゃんと今を見ていますか?なるべく多くを感じようとしていますか?時間を大事にしてますか?今いる場所を好きだと言えますか?

そして今自分のやっていること。やろうとしていること。
今それをやっていて幸せですか?「自分が」望んでいますか?集中してますか?全力を出せていますか?すべきことから逃げてませんか?やり遂げる覚悟がありますか?楽ではないかもしれないけれど、楽しめていますか?

はい、チェックリスト〜。自分にリマインドするために。

つまり「今を全力で生きていますか?」ということ。
超ありきたりかもしれないが、もうシンプルにこれに尽きるんだと思う。でも実行するのは本当に難しいし、こういう生き方をしている日々にしか見えてこないものが、確かにあるのだ。

なんでこんなことを改めて書こうと思ったかというと、ロスに来てから自分の中の幸せのものさしがブレることが多かったからだ。
こっちに来てからいろんな人に出会い、いろんな人の生き方を垣間見て、いろんな人に「幸せになる方法」を説かれた。
「成功」しているいろんな人の中にも幸せそうな人とそうでない人がいるし、本人は幸せそうだけど周りは幸せそうじゃないという人もたくさんいる。質悪いがまじでいる。特にここは「成功するためならなんだってするぜ!」みたいにギラギラした人が多すぎて・・・そういう価値観に飲まれてなんだか苦しかったなぁ。
でも「素敵だな」「こういう人になりたいな」と思うのは、いつだって真剣に生きている人だった。肩書きや損得を考えず目の前の人を大切にできて、目の前の仕事に真剣に向き合って、ある時には真剣に遊んで・・・とにかく目の前の一瞬一瞬に100%の力を尽くしている人だった。

そして「自分もそうやって暮らせていた日々は、例外なく幸せだったな」と、ひとしきり迷走(瞑想)した後で思った。帰ってきた。
あらゆることに全力を尽くせている時はたとえ上手くいってなくても、大変でも、確かに幸せだったなと。

私は自分も幸せを感じていたいし、できるなら周りの人も幸せにしたい。
小さくてもいいからそういう人々の輪の中にいたい。ささやかでもいいからそういう何かを試み続けたい。「試み続ける」というのが大事だと思っている。

まぁ正直、できたりできなかったりです。
「なんであの人に素直になれなかったんだろう」
「なんであの瞬間を全力で楽しめなかったんだろう」
「なんであの時自分ができることから逃げてたんだろう」
こういう後悔は、どんなに後から塗り直しても絶対に消えない。ずっと心に刺さったまんま、ずっと痛い。

それでも、いや、だからこそ!
「今目の前にいる人・目の前にある景色・今やっていることに100%の力で向き合い続けること」が私の幸せであり、追い続ける(願わくば同時に叶え続ける)夢なのです。

「幸せになる」方法を探すよりも、「幸せである」日々を大切にしたい。
それはどこで何をしていても、そしていつになっても変わらないように思う。
どの国にいようが、学校に行ってようが仕事をしてようが、何者になろうが・・・

なぜなら私は日常の力を信じているから。
「なんでもないここに、すべてがある」と思える日々が、幸せだから。
いつか大きな何かを選ぶ時に、積み重ねてきた日々によって選ばれたいから。

あ〜もしもまたブレた時に、思い出せるようにしよう。

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