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自然から学ぶ

我が家には、今季バジルが育っている。
植える予定はなかったものだが、去年育てたバジルから自然に種が落ち、自生し始めた。

7月にバジルオイルの作り方を習い、あまりに美味しいだけでなく、薬効を感じたことから本腰を入れて手にかけることにした。

しかし、問題なことにベニフキノメイガという青虫が大量発生。青々としたバジルの新芽を狙って食べてしまう。葉に糸を絡めて巣を作り、バジルを味わっている。

今回のバジルは、全く農薬を与えていないため自然農法ということになる。だから、虫が付いたら捕殺するしかない。とは言え、虫を殺すことにもともと躊躇いがある私は、虫を見つけたら、庭の敷地外に投げ捨て逃していた。だが、見過ごせないほどあっという間に増加し、先日は19匹も捕殺した。新芽がある部分に必ずベニフキノメイガが巣作っており、まるでマンションのようになっていたのだ。

19匹と数を数えたのは、申し訳なさからで、正直、虫に対しては嫌悪感を抱きつつも命を奪うことへの戸惑いは拭えなかった。虫を殺した感触が残っていた。(もちろん、虫だけでなく日々いろいろな命をいただいているわけだが。)

そして、その日の午後、オーガニックマルシェに家族で出掛けた。ある農園のライスバーガーを購入し、味わったところで、その農園が発行しているフリーペーパーに目を通すと、自然農法への考えが記されていた。

以下「」内は引用である。

「虫は人間のために生きてはいない。自然界では、自分に必要で弱ったものから食べていく。虫たちが食べる野菜は弱い野菜。一見、害虫に見えるものも、めぐりめぐって、その畑にとっては必要なのです。自然とは戦わないで仲良くする事です。あなたがいて私がいることを忘れてはいけません。」

タイムリーな話題で驚いている。これは、今の私に必要なメッセージに違いない。

読みながら、今日奪った19匹の命が頭をよぎった。でも、虫をそのままにしたらバジルが…と葛藤がしばらく続いたが、私の中で一つ結論が出た。

バジルを育てたい一心で虫を殺めてしまったのだが、彼らは私に本当の栄養を教えてくれていたのかもしれないということ。バジルの葉が彼らの糞でいっぱいで腹が立っていたが、肥料のプレゼントだったのかもしれない。そう思うと、懺悔の気持ちと感謝の気持ちでいっぱいだ。命を奪ってしまったが、彼らの命は私の心の栄養にもなった。無駄にしないようにしたい。

私は、彼らの命を忘れないようにnoteに記しておく。そして、ささやかながら最近趣味にしているアクセサリー作りで、彼らをモチーフにし、形を残したいと思う。

作品名:あおむしにバジルを捧ぐ

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