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お金の巡らせ方~誕生日を迎えるにあたり~

何年前から始まったのか記憶は定かではなのですが、誕生日が近づくとFacebookのお知らせに

「慈善団体にぜひ寄付しましょう!」

というメッセージが表示されるようになりましたよね。

このメッセージ自体は悪いものではないし、そうやって自分のお金を必要な人のところへ巡らせる人が増えてくれるといいと思っていますが、これまでも現在も普段の仕事や生活の中で当たり前のようにNPOや慈善団体に会費を払い、必要なときに募金などでお金を出している身としては、誕生日のときくらいは別のことにお金を使いたい、と思ってしまう気持ちも正直に言って半分くらいはあるのです。

そして、今年もまたそのときがやってきました。

メッセージを見て、どこかに寄付しようかなと思うこともありますが、大抵は何事もなかったかのようにやり過ごしていて、今年もそうしようかと思っていました。
ですが、先日、さんビズ本の出版に合わせてトークイベントを企画した際のテーマが「社会でのお金の巡らせ方」で、また来月にはそのイベントの第2弾を開催することになっているのです。

イベントの参加者にそういうメッセージをお届けするのだとすると、このタイミングで何もしないというのは、あまりにも知恵がないし、自分のやっていることの説明もできないのではないかという、妙な責任感が頭の中でぐるぐると飛び回るようになってしまったのです。

ちょうどタイミングを同じくしてやってきたのが、平川克美の近著である「共有地をつくる」です。この本は、どうやって現在の過度な資本主義社会に変わる社会システムを作れるのか、何を我々は実践していけばよいのかを著者の体験を通じて書いたものですが、本の中のメッセージもさることながら、本に挟まっていた「ミシマ社サポーター制度」の方に引っかかってしまったのでした。

https://mishimasha.com/books/9784909394637/

ミシマ社サポーター制度のことは、ずいぶん前から知っているのです。恐らく、このサポーター制度が始まった2013年の頃から知っているのではないかと思うのですが、まさか株式会社をサポートするほどの経済的余裕はわたくしにはありませんよ、と勝手に自分の中で判断して、検討することすら一度もしてきませんでした。

でも、平川さんの本から受け取ったメッセージが、自分たちに必要なものは自分たちでつくることだったり、私有しているものを、社会に対して開放し、共有化することの価値だったりするのだとしたら、ミシマ社という一風変わった出版社を世の中に残していくことは、「ありうべき社会」を作るために自分の私有している「お金」をミシマ社に対して共有化していく、という意味になるのではないだろうか、と思う。

特に聞かされなければ特に知りたくもない、誕生日の寄付行為についての経緯をここで披露することによって、自分が一人で勝手に満足し、この話を終わらせていくわけですが、このブログを読んでくださったみなさんにとっても「この仕組みはなくなってほしくない」「この会社や団体は自分にとって、いや社会にとってなくてはならない存在だ」と思える対象があるとしたら、それはとても幸せなことだと思うし、ぜひ残していく方法を考えてもらいたいと思います。

8月22日で42歳を迎えました。これまでに自分が社会から受け取ってきたものを少しずつ自分の中で整理し、構築し直し、自分らしいアウトプットの仕方で社会に対して恩返しできるとすれば、これほど嬉しいことはありません。

※カバー画像は、はちみつオーナーになっている巣箱の写真。こちらも、自分にとってなくてはならない大切な活動のひとつです。

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