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2023年に出会った音楽の話

【2023年に出会った音楽について振り返っているだけの雑文】

 ここ数年、年末になると「今年出会った音楽」について語るのが恒例行事になっている。その年リリースされたかどうかにかかわらず、私がその年に出会った中で、印象的だった音楽を挙げていくのだ。年によるが、懐かしの楽曲がランクインすることもある。

 今年も勇んで、iTunesとYouTubeの履歴をひっくり返して検討した。が、想定外に難航した。早い話が、2023年は新規開拓をほとんどしていなかったのだ。

 理由ははっきりしている。私の最推しバンドが「マンスリーワンマン」と銘打って、毎月1本のワンマンライブを行っていたのだ。その数なんと14本。マンスリーのはずなのに数が合わない。狂気である。
 ライブハウスが本格的に目を覚ました今年、コロナ禍の空白を取り返すようなツアーだった。約4年ぶりに私の地元大阪でもライブが行われたのだが、私は終演後、引くほど泣き崩れていた。
 もちろんライブはワンマンだけではない。振り返れば彼らのライブだけで26本ほど参戦していて、恐ろしいことにその8割が遠征だった。年収の何%かは航空会社に支払った計算である。
 私は今年、最愛バンドを取り返すために爆走していた。新規開拓どころではなかったのだ。

 とはいえ、新しい出会いがあったことは事実。
 例年よりもコンパクトではあるが、「2023年に出会った音楽」を4曲、少数精鋭として紹介したい。
 ちなみに去年と一昨年はこちらである。

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④オメでたい頭でなにより/オメでたい頭でなにより

 ひょんなことから参加を決めたライブイベントに、オメでたさんが出ていた。予習のために聴いていったところ、本番でも聴けた。そんな1曲である。
 シンプルに元気が出る曲、というのに久々に出会った気がする。サビのメロディが印象的で、ついつい一緒に口ずさんでしまう。ライブは想像以上に激しかったのだが(ウォールオブデスを初めて目撃した。2階席で良かった)、楽しそうに暴れるフロアを見ているのも最高に楽しかった。
 余談だが、このときの出演バンドは「オメでたい頭でなにより」「POLYSICS」「打首獄門同好会」「バックドロップシンデレラ」である。2階席から見下ろしたフロアのカオスぶりは推して知るべし。褒め言葉である。


③メフィスト/女王蜂

 THE FIRST TAKEが好きである。マイク1本、一発撮りの音楽パフォーマンス動画だ。
 名前を知っているアーティストが出演していると、いそいそと見にいく。ライブハウスに行けなかったあの頃などは、この「ライブ感」を味わうために通っていた。
 女王蜂。名前は聞いたことがあるし、何曲か聴いたこともあった。なんなら去年は映画「犬王」も見にいった。
 だから、何気なく再生した。そして直後に呟いた。
「THE FIRST TAKEってここまでできるんだ」
 マイク1本の白い空間でも、声と楽器と身体だけでここまでのことができる。そのすがたすべてに魅入ってしまった。ぜひ、一緒に目撃してほしい。


②カゲロウ/ЯeaL

 冒頭で懺悔した通り、私は今年、推しバンドのライブに行きまくった。その中にはもちろんワンマンだけではなく対バンイベントも含まれていたのだが、そのイベントのひとつで出会ったのがЯeaLであった。
 ガールズバンドである。可愛い女の子たちが出てきたなぁ、と思っていた私は、演奏が始まった瞬間に度肝を抜かれることになる。
 格好良いのである。めちゃくちゃに。
 高音ボーカルに安定サウンドに躍動ステージ。冒頭歌い出し「あの日のカゲロウ」のあと「跳べ!」と煽られたことを鮮烈に覚えている。跳んだ。跳ばずにいられなかった。
 高音の女性ボーカルはあまり得意ではないはずだったのだが、そんなことなどお構いなしに、華麗に攫われてしまったのであった。


①Rock is Dead/ガストバーナー

 この記事の1行目に「ガストバーナー」とだけ書いて終わってしまおうかと思った。それくらい、今年出会った中で頂点に君臨するバンドである。
 彼らと出会ったのは今年の4月、やはり対バンイベントでのことであった。ステージに現れた瞬間、「これは好きな系統のバンドでは」という直感が働いた。考えたのではない。感じたのである。そして案の定、がっつりと射抜かれた。初見バンドの物販に直行してCDを買ったのは、思えば随分と久しぶりのことであった。
 買ったCDを繰り返し聴き、やっぱり格好良いなぁまた聴きたいなぁと浸っていたところ、なんとまたライブに行けることになった。それも、再び我が最推しとの対バンである。それどころか2連戦で、あろうことか私の誕生日の前日である。文字通りに大歓喜した。どんな善行を積んだらこんな誕生日プレゼントを頂けるというのか。最高。
 最初に刺されたのは「ストレンジャー」、次いで「Rock is Dead」に「ディストピア」に「Give me Money」、最新アルバムから「Knife」、どれも最高に格好良いのでぜひ聴いてほしい。
 年明けの大阪ワンマンにも参戦するつもりだ。まったくもって、良いバンドに出会えた年であった。

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 ところで、何度か登場した最推しの話である。
 鴉という。秋田のスリーピースロックバンドだ。
 マンスリーワンマンと銘打ち、今年1年間で14本という狂気のワンマンツアーを行った彼らのファイナルが、12月20日(水)に秋田市で行われる。
 これもなにかの縁である。良かったら少し、覗いていっていただけると嬉しい。

 そして来年も、最高に格好良い音楽と出会えることを願って!


巣立ち/鴉

鴉マンスリーワンマンライブ「充実がやっと君を眠らせる」
チケット購入ページ(LivePocket -Ticket-)
https://t.livepocket.jp/e/ex-2m


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