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本の趣味が合う人は稀

noteの中で 知り合う人も ほとんどが そうみたいだけれど 友人知人に 読書家が 多い

でも 本好き同士で 読んだ本について話してみると 好きな本のジャンルが 人によって ものすごく 違うことがわかる

自分が 読む本が なくなった時 ねえ なんか お薦めの本 ない?と 聞いて 後で 後悔したことが 何度か ある

だから 人に 本を 勧める時には 気を使うし「お好きかどうかは わからないけれど」という一言も 付け足してしまう

柚木麻子さんの本は SNSで 知り合った同年代の読書好きの女性から 勧められて読むようになったけれど どの作品も とても おもしろい

柚木さんは わたしよりも だいぶお若い方だと思うけれど 読んできた本が 似ている気がする

最近 読んだ「本屋さんのダイアナ」という物語の中で モンゴメリへの言及が多く 共感できる内容で しかも 「丘の上のジェーン」について うれしくなるような 一文があって ますます ファンになった

モンゴメリは 多作だけれど「赤毛のアン」の人気が 突出していて「丘の上のジェーン」などは 滅多に 話題にならないが わたしは かなり好きな短編だ

ちょっと 元気がない時に 読んで エネルギーを チャージしたいような作品なのだ

図書館には 気が遠くなるくらい たくさんの本が あって その中で 自分が 共感できて 感動できる一冊と 巡り会うのは 奇跡に近いような邂逅なんだと 思う

読書は とても 個人的な その人の 本質に 近いところで なされる デリケートな作業だと 思っている

読書会とか 作家を 囲んでの 感想を 言い合う会のたぐいには 恥ずかしすぎて 一生 参加できないと 思う

だから 某SNSにおいて 顔も 名前も 知らない同士で「あれ 読んだけど よかったよ」だの「じゃあ 今度 図書館で 借りてみようかな」だの ぼそぼそと 140文字以内でで 伝え合うのが わたしにとっては ぎりぎりセーフな 読書家同士の交流になっている

わたしも だんだん 年を重ねて 目も 疲れやすいし 読む本の内容によっては 読後に 体調を 崩すことまで あって 情けない 

同年代のともだちと たまに ねえ 寝たきりになったら 何する?っていう話題が 出るけど わたしは「源氏物語」を ついに 全巻 読んでみるつもり もし もうページも 繰れないし 目も かすむ事態になれば ほら あれが ある 朗読テープ! 今なら 朗読CDかな… それで いいよ

父を 看取っていた時 最後の最後の方 もう こちらが 何を 言おうが 反応せず ひたすら 誰かに 謝ったり 言い訳みたいなことを 言ったりしていたのだけれど 誰かが 言うように 人生が 走馬灯のように 彼の脳内に 再生されていたのかもしれない でも 最後に 母の名前を ちゃん付けで 呼んだのには 驚いたな…

父が 母のことを そういう風に 呼ぶのを 聞いたことが なかったから

だから わたしも 最後の最後は その「我が人生」の走馬灯版が 見られるんだなって それは ちょっと 楽しみだったりする

父に 聞くことは できなかったけれど それって 100パーセント リアルな ドキュメントなのか もう 本人が 好き放題に アレンジして 脚色しまくった 都合のいいストーリーなのか どっちなんだろう…

それが わかったところで わたしも もう それを 誰かに 伝えることは できないんだろうな…



あれ 読書について 書きたかったのに すみません

ちなみに 最近 一番 心が震えた本は 桐野夏生さんの「日没」です




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