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「リハビリ終了です」と言われた後、その患者さんはどうしてるか考えてますか?

マンションの非常階段の横でなんとなーく片足立ちの練習をしている高齢男性を2回目に見かけたので、一旦通り過ぎたのですが戻って声をかけてみました

片足上げ練習??

「脊柱管狭窄症で背骨の手術をしました。そろそろ1年です。手術を受けたところでリハビリをうけ、近くに替わってと言われて循環器でかかってたかかりつけ医のところに、週2回リハビリに通っていました。先日160日のリハビリ期間が終わったので、卒業ですと言われました。今はどこにも行ってなくて、なにかしなきゃと思って、リハビリでやってたことを思い出してやってます」

せめて理想に向かっていける人は支援してほしい!

疑問①
卒業です、以外説明されていないそうで、それはなぜ?

疑問②
終了後のメニューをもらってないのはなぜ?

説明と理解がどうだったか、確認してないと問題

敷地内で歩いているところを見る限り、フワフワふらふらした安定感の無い歩きでしたから、片足上げ運動?をしているのに目を止める結果となりましたが、歩き姿を見ていなければ無視して通り過ぎるところでした

こういう時、声をかけるかどうか悩むのは、つまらない負のストロークが返ってきたら凹むから

「ああ、ぼちぼちやってるだけです」
とか
「年やからせんよりマシと思ってるだけなので」
とか言われると
あーあ、と思いますけど、別に私が担当してるわけでもなんでもないのでしかたありません

マンション内で老人会に運動指導したり、自治体の教室の講師に呼ばれたり、いろいろしてますけど、有名人って訳でもなく(笑)

たまたま、出会って話せたおかげで改善に一歩出た例

でも、このなんとなーく片足立ちをしてた方は、
「そうやった!いしやまさんに聞けばよかったんや、思い出さなかった!」
という反応で^_^
そこから30分ばかり動きを見ながら運動メニューを教えていました

そもそも、「卒業です」と言われたのだから、リハビリでやってたこと全体的に卒業ということだと思いますが、いかに?とお聞きすると
「そうそう、そうだわ、ここでやることは終わりって言われました」

じゃ、同じことやっててもダメですよね?卒業したんだから
「たしかに!!そんな説明されんかった!」

練習メニューをくれなかったんですか?
「運動していってね、とは言われましたけど・・・」

あなたの目指してる姿は、今の自分ですか?何か違うとこありますか?
「もっとスタスタ前のように歩きたいし、もっと出かけたい!!」

これまでやってたことと同じことをやってて、そうなれそうですか?
「絶対無理!!そうか、そういうことか!!!!」

この方とは顔見知りなので話がしやすかったし、もともと活発な方だとわかってたので結論が早かったです

まだ70歳だし!!

スポーツクラブとかに行けば改善できると思われてるよ!!

「近所のスポーツクラブとかに行ってやった方がいいのかな?」
いえいえ、どこに行ってもあなたの希望『スタスタ歩けるように練習していく』みたいなことはできません

「じゃ、どうしたらいいの??」
この15階まであるマンションを活かして、今から教える登りトレーニングのやり方で階段の上りをみっちり30階分ずつで当面OK!
下りトレーニングはまだ難しいからエレベーターでOK!
それか普通に下りてくるのもOK!

階段ワークアウト

ということで、そこから階段トレーニングをお教えしました
「太ももの裏を意識して!って片足立ちを教えられてきたけど、太もも裏って全然わからんかった・・・この階段上りは、お尻と太もも裏をギューッと使ってるのがめっちゃわかる!!そういうことか~!」

階段上りトレーニング

で20段くらい登ってから、廊下を歩いてもらいました
「うわっ!スタスタいけるやん♬」
そうなんです、脂肪でもなんでも、体格がいい人でもともと活発だった人は改善のステップが実は早いのです

チカラを入れて階段をみっちり登って太もも裏とお尻を鍛えたら、徐々に下りトレーニングを入れて太もも前の筋肉も使っていきましょう!

夜、電話が掛かってきて
「ずっと椅子の立ち座りがフラフラやったけど、あれからスッと立てるようになって!サークルの高齢のみんなに『元気に過ごすために運動しよ!』って言います!がんばります!!」
と楽しげでした^_^

よかったよかった

どこまで教育できるかがこれからのリハビリのポイント

今日言いたかったことは、
『帰ってからは自分でしっかりやってね』という時は
しっかりやるとはどういうことかを、ちゃんとリハビリ期間中に『教育』して学んでもらわないとムリ!ということ

だいたい全員こうなってますよ、ほんとに

患者さんは、医療職・専門職と違って、シロウトさんだから!
運動に限って言えば、理学療法士より解ってる医療職も少ないですし、だから患者さんがわかってるハズが無いのです
一般市民レベルでも同じです

パーキンソン病友の会の患者さんと家族さんを見ててもそうです
みんなネット情報が情報源
おかしいですよね、慢性病でずっと医者と付き合ってるのに!

ああ、この話をすると長くなる・・・

とりあえず、ちょっと元気を取り戻せそうな高齢者を1名作れて、喜ばしいなと思ったわたしです^_^



パーソナルトレーニングとかもやってますが、
基本は1:1だとらちが明かないから、
弱り始めの人達に対する集団トレーニングを積極的にやっています

施設の運動レクを効果的にする方法もアドバイスできますから
興味がある方は連絡ください^_^

拘縮改善の活動もしています!
近くなら診に行きます!


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