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ワクチンに対しての、いろんな立場の本を読んでみた。月並みな結論に至る。

コロナ禍でより一層考えるようになったけど、子どもを授かったときから、ワクチンについていろんな意見を聞く機会が増えた。

「なんだかよくわからないけど、お医者さんが言うから接種する」というのも、なんか受け身すぎて抵抗があったが、「医薬品メーカーの利益のためだけに、子どもを差し出すなんて信じられない」という意見も、なんだかしっくりこないし、あれよあれよという間に時が過ぎてしまった。

仕方がないので、内容はあまり吟味せず、とにかく「ワクチン」という名の付くもので、目についたものをむさぼり読んでみようということで、本屋、図書館、kindle、Audibleから、集めてみた。

おや、と思ったもので、原典に当たれる場合には、ネットで元ネタを探してみたりもした。

まとめ
・ワクチンはノーリスクじゃない。ワクチンの種類によってもまちまち。
・感染症のパンデミックのリスクと、個々の副反応・副作用(あくまで副作用という著者もいたので併記しとく)のリスクとで、どっちに焦点を当てるかで言い方が変わる。数の見方も変わる。
・予防だから、接種しても、大抵は恩恵を享受しているかどうかはわからない。半面、悪いことが起きたら、すぐわかる。

あぁ。そんなにいろいろ読んだ割には、月並みなところに行きついた。

でも、そうなんだもの。

痛いしさ、体内に得体のしれない何かが入ってくる怖さもあるしさ、現時点で病気でもないし、もしかしたら、自分は一生かからないかもしれないもののためにさ、注射とかしたくないわよ。そりゃあ。

反ワクチンの言い分に、納得感があれば、それにすがりたい気持ちにもなるけど、これまでの読んだ感じだと、推進派の方々に軍配が上がった気がする。

以下、読んだ本のタイトルと、出版社が出している紹介文の引用。新型コロナウイルス感染症のワクチンの本もあったけど、ワクチン全体のことについてまとめておきたいというコーナーなので、コロナは除外した。

黒部信一「予防接種のえらび方と病気にならない育児法」2017/5/29

病気は人間と環境の相互作用で発生するという「病原環境論」に基づく小児医療を実践。予防接種の問題点をワクチン別に検証し、体の免疫力を高めて病気を予防する子育て術を指南する。子ども特有の症状や対処方法も豊富に解説。

一定のワクチンの有効性を認めながら、ワクチン頼りの人々に警鐘を鳴らすような書き方になってる。お勧めできるワクチンとお勧めできないワクチンを表にしてる。全体的には、「病原環境論」っていう、病人を結果じゃなくって、環境面で見て行こう、そっちを改善しようっていう感じで書いてある。同時接種には反対している。厚生労働省の副反応報告書を見ると、副反応の大半は同時接種で起きていると書かれてあったけど、厚生労働省のサイトから見つけきれなかった。

近藤 誠「ワクチン副作用の恐怖」 2017/11/1

「医師として、これだけは書いておきたい。」
がん治療の常識を変えた医師が、医学界の新たなタブーを指摘する。
・乳幼児に7種同時接種で急性脳症を発症
・川崎病の発症に、BCGその他のワクチンが関与している
・HPVワクチンで子宮頸がんを防げた例はない
・麻しんワクチンに脳症のリスク
・B型肝炎ワクチンの副作用にも脳の病気「多発性硬化症」
・接種直後に心肺停止でも、専門家は因果関係を認めない
・新型インフルエンザワクチンの「異常に高い死亡率」
・副作用に、ナルコレプシーやマクロファージ性筋膜炎も
巻末に、わが子と高齢者を守る「ワクチン別ガイド」掲載
「専門家が保身のため、ワクチンの副作用を否定してしまうのは、現に後遺症で苦しんでいる、あるいは亡くなられた人たちを、子らを冒涜する行為です。そして、将来にも同じ副作用が発生することを許す点で、人びとのために尽くすべき医師の所業とは思えません。」(「あとがき」より)

ワクチンの負の側面にクローズアップした内容。ワクチンのせいで、こういう目にあうかもしれないよ、それだけのリスクを背負う価値があるものじゃないでしょう、という立場。最後のほうのまとめで、「高齢者は、いつか亡くなる運命にありますが、インフルエンザにともなう肺炎や肺炎球菌肺炎は、相当ラクに死ねるので、ある意味、理想的です。」とある。ちょっとびっくりした記述だったけど、たぶん、自然に反して、無理に延命させるほうがつらいでしょう、という文脈でとらえないといけない文章かなって、解釈した。

ユーラ・ビス「子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。」2018/4/26

ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグが「読むべき本」に選出!
ワクチン賛成派と否定派の声、医師たちの意見、ママ友や家族のアドバイス……。予防接種を巡る情報の洪水と初めての子育てに翻弄されながらも、母は息子のワクチン接種を決断する! 一児の母の視点から、歴史、医療、文学など多様な視点からワクチンの重要性と現状を検証したベストセラーエッセイ。
「この本は私たちに、個人の自立が幻想であること、だれもがみな相互依存のネットワークに組みこまれていることに気付かせる。これは単に、コミュニティを大事にしましょうという甘ったるい話ではない。輸血や臓器移植が現に稼働しているという厳然たる事実に基づいている。私たちは他者のおかげで生かされ、他者の命に責任を負っている」(ニューヨーク・タイムズより)

もっとも納得度の高い本だった。もし、身近な人のワクチンの接種について責任を持っている状態なのだったら、一読をお勧めしたい。事情があって接種できない人へのまなざしも優しい。「彼女を危険にさらしたアメリカの市民を守るために、あなたの子もワクチン接種すべきだなどとは言えない。私にできることがあるとすれば、すでにワクチン接種した私の息子が盾となって、彼女の子に病気が広がらないよう願うことだけだ。」という一節が印象的。

ポール オフィット「反ワクチン運動の真実: 死に至る選択」 2018/5/8

エビデンスなき薬害説、ワクチンも薬も否定する医師、訴訟、けいれん、偏向報道、
知らなかった……今の日本と同じ過去。
あなたの不安をやさしく包むフェイクニュースに一生モノの「免疫」をつける一冊!
― 村中璃子 (医師・ジャーナリスト、ジョン・マドックス賞受賞、近著『10万個の子宮』
今も、静かな、命に関わる戦争が続いている。戦線の一方には、毎週のようにワクチンが危険だという話を聞かされている親たちがいる。もう一方には、ワクチンを打たない人々に毅然とした態度を取り始めた医師たちがいる。対立の真ん中にいるのは、免疫がないまま取り残された子どもたちだ。人々を救うはずのワクチンを恐怖の対象にしてしまったのは誰なのか? アメリカで最も成功した市民運動の歴史と真実。
原著:Deadly Choices: How the Anti-Vaccine Movement Threatens Us All (Basic Books 2010/2014)

力作。時系列でワクチンの歴史がわかる。その中で、どういう風にして反ワクチン因子が生まれたのか、ということも明らかにしていく。過去、ワクチンでひどい目にあった人もいるということも包み隠さず書いてあるから、バランスも良い。

内海 聡「ワクチン不要論」 2018/5/20

――無駄なばかりか危険すぎる――
「精神薬よりも抗がん剤よりも、今いちばん大きく、緊急性のある問題こそワクチンなのです」(著者)
風疹、麻疹、BCG、ポリオ、インフルエンザ、日本脳炎…すべて不要。百害あって一利なし。反骨の医師が、ワクチンが要らない理由、ワクチンの断り方から、打ってしまった人の対処法まで、徹底的にわかりやすく説く、ワクチン不要論の最新&決定版。
「はじめに」より
この本を出すのには正直勇気が要りました。
多くの方がご存じのように、私はこれまでたくさんの本を書いてきました。ベストセラーになった『精神科は今日も、やりたい放題』『医学不要論』から始まり、気づくと40冊以上の著作を出しています。
『医学不要論』においてはワクチンの有害性について記しており、それを知っている方ならいまさらワクチンの本を書くことなど、それほど大したことではないと思うかもしれません。
しかし本書『ワクチン不要論』は軽い内容ではないこともさることながら、一番この本が問題視される理由は現代の風潮にあります。
精神薬よりも抗ガン剤よりもワクチンこそが、医薬複合体におけるもっとも重要な洗脳テーマであり、現代は政治的な背景もあって強制接種の方向に向かわせていることに問題があります。御用学者が跳梁跋扈し嘘偽りを垂れ流しつづけ、テレビや新聞や雑誌から政治家に至るまで、カネのためには手段を選ばなくなっているからこそ、この本の出版は勇気が要ることなのです。
多くの人は政治やメディアや芸能人が噓まみれだとわかっていても、医学にはまったく疑問を抱きません。それがワクチンとなると、ほかのどの分野よりも疑問を抱きません。しかしもし少しでもワクチンに対して疑問を持っているならこの本をお読みください。
今、私たちはワクチンについて学ばなければならないのです。
本書の項目より
・ろくでもないクスリが認可される理由
・科学的データを捏造する方法
・二重盲検試験のカラクリ
・ワクチンとは親の試金石である
・「ワクチンが感染症を防いできた」…ホントにそうか?
・宝くじ以下のインフルエンザワクチン
・打っても打たなくても罹患率に差はなかった
・リスクとベネフィットの観点からも無駄
・「防ぐ」という嘘から、「重症化予防」という嘘へ
・私の後悔――無知という罪
・「ワクチン受けなさい」は憲法違反
・医師や保健師に対抗する方法
もくじ
1 ワクチンとは何か?
2 ワクチンを考えるとき、最も重要なこと
3 ワクチンの構成成分について
4 ワクチンに関する歴史の嘘
5 ワクチンが効かない理由
6 ワクチンにはどんな種類があるか
7「ワクチンが効かない」という研究❶
8 「ワクチンが効かない」という研究❷
9 ワクチンは効かないだけでなく有害
10 ワクチンと自閉症の関係を追って
11 ウェイクフィールド医師の真実
12 ワクチンはビッグビジネス
13 ワクチンに隠されたウイルスの秘密
14 スペイン風邪とインフルエンザ脳症
15 風疹先天症候群の嘘
16 ワクチンに隠された陰謀
17 ワクチンを打たないための方法
18 ワクチンと児童相談所の関係
19 ワクチンを打ってしまった人の対処法
20 ワクチンがこの世界からなくなるために
おわりに

kindleで「ワクチン」と検索すると、トップに「ベストセラー」という帯付きで出てくる。ワクチンは特定の人たちの利益のためのビッグビジネスであり、今後マイクロチップを人々に埋めるための布石でもあるよ。そういうのを陰謀論として一蹴する人もいるだろうけど、正しい知識を持ちましょう。メディアに洗脳されちゃだめだよ。と、書いてある。

宮坂 昌之「免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ」2019/12/18

免疫学の第一人者が教える、感染予防のために「私たちができること」
新型コロナウイルス大流行の今こそ「知識のワクチン」を!
テレビや新聞、インターネットには、毎日のように「免疫力を高める」とか「がんを免疫で治す」といった情報が流れているが、免疫学的に見ると、その大部分は科学的エビデンスが欠けている。残念なことに、こうした怪しげな情報に、多くの人たちが惑わされて、かえって健康を損ない、ときには寿命を縮めているケースさえある。
その最たるものが、ワクチンに対する過剰な忌避感情・恐怖症だ。医学的にもっともエビデンスのある「免疫力増強法」は、ワクチン接種である。ところが、ワクチンの副作用を過剰に煽る人たちがいて、彼らの多くが医師や医学博士という肩書を持つことから、その主張はもっともらしく聞こえ、それなりの支持を獲得している。しかし、彼らの主張を子細に見てみると、ワクチンや免疫機構に関する初歩的な事実が見落とされ、しばしば医学的に誤った主張がなされている。こうした情報に翻弄されると、健康被害を受けかねない。もちろん、ワクチンは万能ではなく、効果が不十分である場合や、副作用が出ることもある。しかし、そのようなことを考慮しても、多くの感染症ではワクチン接種は有効で、ほとんどの人に利益をもたらす。
一方で、巷に氾濫している免疫力強化をうたう健康食品の多くには暗示効果以上のものはなく、摂取してもからだの免疫力はほとんど変わらない。健康食品は精神安定剤以上のものではない。免疫系全体の能力を上げるためには、むしろ、血流やリンパ流量をよくすることのほうが役に立つ(本書では、その科学的エビデンスや具体的な方法について、解説している)。そして、なるべくストレスをなくすことだ。「信じるものは救われる」と言うが、健康食品や民間療法の多くは「信じても救われない」。そのようなものに頼るよりも、からだの働き方を科学的に理解して、それに伴ったものの考え方、生活の仕方を実践することが賢明である。
本書では、近年注目を集めている「がん免疫療法」についても取り上げている。これまで抗がん剤以外に打つ手がなかった「がん」に対して、「がんワクチン」が使われ、効果をあげつつある。加えて、さらに最近、免疫チェックポイント療法、CAR-T療法など、劇的な効果をもたらす「がん免疫療法」が注目されている。
このほか、本書では、そもそも免疫力を科学的に測定することは可能なのか? また免疫力を科学的に高める方法は存在するのか? がんや高血圧などの病気をワクチンで治療することが可能なのか、など数多くの疑問に対して、科学的に誠実に解説した。

反ワクチンとして世に出ている本への、さらなる反論として書かれているのかな。ワクチンは万能じゃないよ、でも全体で考えたら、メリット高いよ。全員が受ける必要はないけど、ある程度の人は受ける必要がある。受けるか受けないかは個々の判断に委ねられているけど、受けましょうよ。という内容だったんじゃないかなって思う。

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