欧米とは言うけれど

昨年9月、眼科で目が相当悪いことが判明したうちの子
先生に
「とにかく近い距離でこまこましたもの見るのは禁止」
と言われてから
テレビを見ることが多くなったうちの子。
(今や子供がテレビを見てるとホッとするご時世です)

それで、見始めたのがアメリカンなテレビドラマ
いろいろ見るというより
はまるとそればっかり見るのが
うちの子の特徴のようで
古いゴシップガールは1~6全シリーズを3回は見たんじゃないかな。
(新しいのは強烈すぎて見てない)

最近見てるのは
ビリオンズ


The O.C.

どれもお金持ちクラスの日常がベースになってる。

ゴシップガールはそーでもなかったけど、
最近見てる二つで特に気になるのが
お金持ちアメリカンの食生活
忙しくバリバリ働いてる人たちだからってのもあるけど
朝はコーンフレークか
買い置きのビニール袋に入ったパン。
ランチはオフィスのデスクで
外から買ってきたものを食べ、
夜はレストランかテイクアウト。
たまーに料理。

こう書くと
日本も似たようなものかな。
私も日本にいたら
なんとも思わなかったのだろうけど
イタリアの中でも特に保守的なシチリアで
一世代、二世代上の人と暮らしてきちゃったものだから
食事に対する思いがイタリア保守化しちゃいましてね

食事は温かいものをとか
テーブルクロスをひいてとか
外から買ってきたものでもお皿に移してとか
素材はなるべく新鮮なものをとか
パンはパン屋さんで焼いたもの等々を
大事に思うようになってしまいました。

仕事に行く前に
バールで淹れたてのエスプレッソに
焼きたてのクロワッサンを食べる
その辺の大工さんの方がよっぽどリッチなような気がしちゃて
ドラマで描かれるアメリカのお金持ちの食生活が
すごく貧層に思えちゃうのです

今はこう思うようになってしまったけど、
シチリアに来た頃は
長いお昼休みに
みんなおうちに帰ってお昼を食べることの非効率性を嘆き、
こんなんだからビジネスが停滞してるんだ
お昼休みを短くすれば
みんな外で食べるようになって
外食産業はもっと儲かるし
関連産業も需要が増えるのに!
とプンプン思ってました。

それなのにねー
シチリアトラディショナルな社会にどっぷりしちゃうとね
お昼ごはんに帰ってきて
家族一緒にあったかいもの食べてるから
守られてるものがあるんだなー
って思うようになっちゃってるのでした。

さすがに近年の近代化で
シチリアでも
シエスタをしない
お昼も営業を続けるお店が増えたし
オフィスもお昼休みを短くしてるところもあるし
マクドナルドはどんどん増えてるし
都市部では女性もどんどん働くようになってるから
スーパーでもお惣菜コーナーが充実しつつあるし
冷凍食品コーナーもどんどん大きくなってて、
アメリカナイズされつつありますが

子どもが幼稚園の時
給食サービスがなくなったら
私はすぐ「お弁当になるんだな」と思ったけど
他のママたちは「子どもに冷たいものを食べさせるなんて考えられない!」
と大問題になったし、
小学校時代は週1回だけ午後まで授業があったから
お弁当(パニーノ)だったけど、
パニーノを食べるだけなのに、
ランチョンマット持ってこない子がいるって
先生が怒ってたくらい
食に対する熱量は半端ないままです。

アメリカとヨーロッパって
欧米の国々と一つに区切られちゃいがちだけど
市場メカニズム最重視した資本主義サイクルで回転するアメリカと
人が暮らしやすい社会を維持するために資本主義を使うって感じのヨーロッパって
けっこう違ってて、

日本はこれまでアメリカ流オンリーできたわけだけど
ヨーロッパエキスもとりいれたら
もうちょっと過ごしやすくなって
暮らしの豊かさを感じられるようになるんじゃないかな。


アメリカンテレビドラマを
ヨーロッパで見て思いました。

戦後、なんでもアメリカみたいにしてきた日本だけど
銃に関しては
マネっこしないでよかったですね。

アメリカの銃問題だって市民の暮らしより
市場原理だけを優先にした行き過ぎた資本主義がもとで生じた利権を守るためにがんじがらめになっちゃって、どうにもできなくなってるわけで
すからね…。

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