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文…メグ・マッキンレー 絵…マット・オットリー 訳…井上舞『鳥をつくる』

 ゆっくりと頬を優しく撫でる風の音が聴こえてきそうな、美しい絵本。

 心の中に自分だけの鳥を思い描こう…というストーリーです。

 その鳥はどんな骨格をしているのだろう?

 どんな羽根を生やしているのだろう?

 どんな心臓の鼓動を、そしてどんな歌を奏でるのだろう?

 と想像を膨らませながら読んでいくと、この世にたった一羽しかいない鳥が生まれます。

 その鳥は、鳥籠に閉じ込められることはありません。

 大空へと飛翔していきます。

  「とおく とおくへと いちどもふりかえらずに 鳥のすがたは いつしかちいさな点になり どこまでもあおい空に きえていく」
(『鳥をつくる』から引用)

 心の中の鳥が自由に舞い上がる光景をイメージすると、そのあまりの美しさに泣きたくなります。

 鳥の羽ばたく音も、風の感触も、鳥の体温も、伝わってくる感じがします。

 ちなみに、わたしがイメージしたのは白銀の鳥です。

 決して体は大きくないし、消えない古い傷も、新しく出来た傷も沢山抱えているけれど、柔らかくてとても綺麗な翼を大きく広げる鳥。

 晴れた日も嵐の夜も力強く飛びますが、泣いている人を見つけるとそっと寄り添って慰めます。

 まるで『幸福の王子』に出てくるツバメのように。

 『幸福の王子』のツバメは美しくも悲しい結末を迎えてしまうけれど…、わたしの鳥には、大好きな人が元気になったら、また自分の行きたい場所へと飛び立っていって欲しいです。

 どこまでもどこまでも自由に翔んでいって、そしていつかまた大好きな人と再会出来たら、「ただいま」と優しく歌って、大好きな人の心を癒す。

 わたしがイメージしたのはそういう鳥です。

 この絵本を読んだ他の方々はどんな鳥をイメージするのでしょう?

 是非教えていただけると嬉しいです。

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