見出し画像

イラスト・文…大崎メグミ『鉄道 車内絵日記』

 人間観察が好きな方におすすめの本。

 主に日本国内の様々な路線で、著者が乗客たちの様子をスケッチした絵日記がまとめられています。

 例えば、

 走り回って「こらっ」と怒られる子ども。

 お酒みたいな飲み方でカフェラテを読む大人。

 法事の帰りっぽい人たち。

 距離感がやたらと近い、たぶんカップル。

 などなど、人それぞれ全く異なる髪型、服装、荷物、座り方、立ち方、表情、仕草、喋った言葉が丁寧に描写されているので、「あるある」と共感したりツッコミを入れたりしながら読むと楽しいです。

 もしかしたら、乗客たちにとって「電車に乗る」という行為は何気ない日常の一コマかもしれません。

 しかし、わずかな乗車時間の中でも、いくつもの小さなドラマが起きていて、想像力を掻き立てられます。

 電車の中でスマホやタブレットばかりをジッと見ているよりも、乗客たちの様子をチラリと覗き見る方が面白かったりしますよね。

 「どこ見てんのよ!」と怒られないように気をつけないといけませんけれど…。

 わたしも時々電車の中で「あの人たちって付き合いたてのカップルかな? 初々し〜い! 羨まし〜い!」とか「えっ、どうしよう…この人って爆睡して乗り過ごしてないかな…? 声をかけるべきか、かけざるべきか…? うわぁいきなり起きた! 目が合っちゃったよ!」といった感じで周りを観察することがあります。

 だから、わたしは著者の目線に共感しながら楽しくこの本を読みました。

 …もしかしたら自分もどこかの路線で著者にスケッチされていたりして…? と想像するとスリル満点でした。

 また、電車の中だけではなく、駅の様子や、著者がその路線周辺を観光した時のスケッチも載っているので、この本を読んでいると旅行気分も味わえます。

 いいなあ〜、わたしも旅をしたい!

この記事が参加している募集

読書感想文

いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖