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著…茂木大輔『拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術』

 クラシック音楽に関する基礎知識や、「演奏会に行くならどの客席が良いの?」「なぜ司会者やトークがないの?」「曲のリクエストは出来ないの?」「どんな服装で行ったら良いの?」といった素朴な疑問、「どのタイミングで拍手をすれば良いのか分からない」「他のお客さんは音楽をとてもよく理解しているようなのに自分は素人だ」といった不安にまでアドバイスをくれる本。

 クラシックコンサートは敷居が高いものですが、この本を読んだ後は以前よりも気軽に行けるようになると思います。

 隣の席の人の迷惑行為についても書かれていて、わたしは読んでいて「あるある!」と頷きっぱなしでした。

 隣の席の人が自分の連れにウンチクを語り出したり、香水がきつかったり、濡れた傘を持っていたり、貧乏ゆすりをしたり…。

 こうした迷惑な人に対してどうすべきかについて、著者は案内のところへ行き「あのオジサン、変なんです!」と訴えてはどうか? などとユーモアたっぷりに教えてくれます。

 そうすることで別の客席に移りたい意向を間接的に表明してはどうか、と。

 余談ですが、わたしは以前、某有名ピアニストのコンサートで、隣の席の人(多分50代半ばくらいの男性)が豪快にイビキをかき始めたため、対応に物凄く困りました。

 パンフレットを読むフリをしてパンフレットの角でさりげなくつついてみても、工事現場の音のようなイビキは鳴り止まず。

 当然わたし以外の周りのお客も気付いて困惑している表情だし、これじゃピアノの演奏を聞きに来たのかイビキの独奏を聞きに来たのか分からない! と思い悩むうち、だんだん「こんなにイビキが凄いなら無呼吸症候群? いや、もしかしたら脳卒中を起こしているのでは…!?」と心配になり、コンサートのスタッフさんに相談してその人を連れ出してもらいました。

 その人はしばらくして「やぁやぁ、こりゃどうも」と照れ笑いをしながら客席に戻ってきたので、幸い脳卒中ではなく単なるイビキだったようですが、わたしもスタッフさんに相談する時「あのオジサン、変なんです!」と言って相談すれば面白かったかもな、とわたしはこの本を読みながらぼんやり思いました。

 いや、それじゃわたしも迷惑な客の一人になってしまいますね…。

 クラシックコンサート中に爆睡している人を穏便に起こせる画期的な装置が欲しいです。

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