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著…広田千悦子『おうちで楽しむ にほんのもてなし』

 和の色で優しく彩られ、それに素敵なイラストを添えた本。

 なかなか寝つけない夜にこの本を読んだら、心地良くうとうと出来ました。

 この本のまえがきに書かれている、

 おもてなしという日本語の由来は「うらおもての無い気持ちで」、または「何かをもって成し遂げる」ということからきています。その由来が物語っているようにもてなしには気持ちで相手を思いやる目には見えない部分と実際に行動してかたちに表す目に見える部分の二つがあり、両方をあわせてどうぞと差し出すのが最高のおもてなし。

(著…広田千悦子『おうちで楽しむ にほんのもてなし』 P2から引用)


 という考え方や、

 人がうれしいと自分もうれしい。それを喜べる自分がまたうれしい。

(著…広田千悦子『おうちで楽しむ にほんのもてなし』 P5から引用)


 という考え方がとても素敵。

 いざお客さまを迎えてみてはじめて「しまった、なぜ気がつかなかったんだろう!?」と思うことはしばしば。例えば、障子や窓の桟にうっすらとたまるホコリ。普段は気にならないグラスの曇りや茶渋。目に付きだすと大変、ある種の感が冴えてくるのか、今まで気がつかなかったところまでどんどん目にはいります。はじめから気づけばよいものを、なぜか後になってから気づくという繰り返し。

(著…広田千悦子『おうちで楽しむ にほんのもてなし』 P28から引用)


 という文にも共感しました。

 お客さまがいらっしゃる前日くらいに慌てて掃除したとしても、なかなか全てのホコリには気づけないんですよね…。

 日頃から綺麗にしていないと、ホコリの存在を察知するためのホコリセンサーが働きません。

 グラスの曇りや茶渋もまた然り。

 よそのお宅へ伺った際にお部屋や食器などがピカピカだと、「前々から丁寧に掃除をしてくださったのだろうな…」と嬉しくなると共に、「きっと日頃から綺麗に暮らしていらっしゃるんだな…」とその方を尊敬します。

 草花を生け、お客さまを迎えるための準備を終えたら、心をこめてお香を焚きます。ちょっとひと呼吸おいて、香りでもてなすために、そして心を整えてお客さまを迎える自分のために。お迎えする三十分前ほどに焚くのがコツ。残り香がさりげなく香ります。

(著…広田千悦子『おうちで楽しむ にほんのもてなし』 P74から引用)


 という工夫も素敵。

 わたしも自宅にお客さまをお招きする際の参考にしたいです。

 残り香、というのがとてもお洒落ですよね。

 お香を焚いている最中にお客さまが到着されるのでは、「香る」ではなく「匂う」になってしまうから雰囲気が台無し。

 タイミングを見計らってさりげなく香らせたいですね。

 ようこそ。お待ちしておりました。という気持ちを込めて。




 〈こういう方におすすめ〉
 お客様にくつろいでいただけるおもてなしをしたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間〜2時間くらい。

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