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写真…操上和文 文…新井敏記『儚 はかない 市川染五郎』

 伝統を子に伝える親世代の覚悟。

 親から伝統を受け継ぐ子世代の覚悟。

 それらもさることながら、兄と妹の絆も感じ取れて素敵な一冊です。

 ぬいぐるみを役者にして歌舞伎を演じる「犬丸座」を二人で務めたり、「犬丸座新聞」を書くことで、二人で歌舞伎を共有しているそう。

 「兄だから」「男だから」、「妹だから」「女だから」といった理由で兄妹がバラバラになったりしないのですね…。

 この本には、妹から兄への手紙も紹介されていて、その直筆の手紙から、あたたかい心がこもっていることが感じ取れました。

 歌舞伎役者の家に生まれたことも一つの宿命と言えるでしょうが、きっと今生で兄と妹として生まれたことも何かの理由があるのではないでしょうか?

 舞台は演じたそばから消えていき、同じ舞台は二度とない儚いものだけれど…、歌舞伎という伝統芸能や、兄と妹の絆は、儚くありませんように。

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