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著…鈴木香里武 絵…友永たろ『わたしたち、海でヘンタイするんです。 海のいきもののびっくり生態図鑑』

 キャッチーなタイトル!

 わたしは「なに? 変態だって?」とこのタイトルにまんまと釣られて、この本を読み始めました。

 勿論、公園のかげなどにいてコートをパッと広げる系の変態の本ではありません。

 魚たちが成長する過程で大きく変わっていく「変態」について、ユーモアたっぷりのイラストと文章で紹介している本です。

 読み手を飽きさせない工夫がいっぱい。

 子ども向けの本だと思いますが、大人も楽しく読めます。

 わたしが子どもだった頃にもこういう本があれば良かったのに!

 さて、魚たちの、

 ●子どもの時の姿
 ●子どもから大人になる途中の姿
 ●大人になってからの姿

 がそれぞれまるで別人…じゃなくて別魚なのが興味深いです。

 どれもこれも、同じ生き物のBeforeからAfterだとはとても信じられません。

 魚によっては、見た目が変わるだけではなく、体の内部の構造や生き方まで変わるのが不思議。

 例えば、ウツボの幼生であれば、「この魚の細長いフォルムから察するに、きっと大きくなるとウツボになるんだろうな」とピーン!とくることが出来るのですが…。

 特にわたしが衝撃を受けたのは、シタビタメのページ。

 幼生の時はごく普通の魚に見えます。

 しかし、大人になる過程で、目が反対側に突き抜けるそうです。

 …ん?

 目が反対側に突き抜ける…?

 …イラストを見ていると、本当に少しずつ片目が移動していくさまが分かります。

 これぞ生命の神秘!

 人間の中には時々、「俺の頭の後ろには目がついている。何でも見ているぞ」なんて冗談を言う人がいますが…。

 わたしは次回から、それを言われたら「あなたは前世でシタビタメだったんですか? 片目が貫通する時って痛かったですか?」と大真面目にインタビューしてみたいです。

 他の魚たちも、みんな実に奇妙な姿と生態です。

 なんだか海の中に沢山の宇宙人たちが暮らしているみたい!

 また、著者が幼魚を採集する様子も見ていて楽しいです。

 岸壁採集中に深海魚の幼魚と偶然出会えることもあるのだそう。

 なんという強運!

 まるで宝探しをするみたいですね。



 〈こういう方におすすめ〉
 「勉強」というよりは「遊び」のような感覚で、魚たちについて学びたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間くらい。



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