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監修…吉田賢治『完全保存版 頭骨図鑑』

 生き物によってこんなに頭骨の形って違うんだ…! と感動すら覚える本。

 動物の生態に関する解説文も読み応えがあります。

 高価な本がなかなか売れない時代だから仕方がないのかもしれないですが、出来ればもっと大判サイズ&フルカラーで出版していただきたかった!

 そうしたらもっとじっくりこの美しいフォルムや色の微かなグラデーションに見惚れられたのに!

 と残念に思うくらいわたしはこの本にハマりました。

 この本を読んだ後で動物園へ行ったら、「この動物の頭骨ってどうなっているんだろう…?」と思わず動物たちの体を透視したくなっちゃうと思います。

 生き物ってすごく不思議。

 どうやってこういう姿に育って、しかも次世代へと受け継がれていくのでしょうね?

 きっと「自分はこういう頭骨の持ち主になろう」と思いながら生まれてきたわけではないでしょうに。

 たとえば、同じ肉食獣でも、トラとオオカミとでは頭骨の形が全く異なります。

 こんなに違うのか…と驚くほど。

 しかし、共通しているのは強靭な顎!

 かなりの迫力があります。

 噛まれたらほぼ間違いなく死ぬでしょうし、非常に痛そうです。

 また、オオアリクイの頭骨の長さや、ハクジラの頭骨及び歯の巨大さ、そしてノコギリエイのその名の通りのノコギリ感にも圧倒されます。

 ベルベットモンキーやマントヒヒの頭骨は人間と近いものを感じさせますが、似て非なるものなので、とても興味深いです。

 人間にも犬歯はありますが、牙と呼べるほどの大きさや鋭さはありませんし、こんなに口が前へ向かって突出していませんよね。

 人間だって霊長類なのに、同じグループではあっても猿とはやっぱり違うので、進化の過程でどんな分岐点があったのか気になります。

 また、わたしが特に惹かれるのは、クーズーの頭骨!

 何ですか、このねじれた角!

 ファンタジー作品に出てきそうな優美さがありつつも、どこかダークな雰囲気をも漂わせています。

 末期の厨二病のわたしは完全に心を掴まれました。

 『チェンソーマン』の悪魔として出てきてもおかしくない。

 というか出てきて欲しい!

 ヘラジカの頭骨もかっこよくって痺れます。

 Slipknotを彷彿とさせる何かを感じます。



 〈こういう方におすすめ〉
 動物の骨の中でも、特に頭骨に惹かれる方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半くらい。

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