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「おいしさ」をちゃんと学びたい人のための2017-18年推薦図書

noteはじめまして&あけまして。昨年はおいしさに関する結構よい本がありましたのでご紹介させていただきます。

1位:「おいしさ」の錯覚 チャールズ・スペンス著

 良本とはこのことです。この本はチャールズ・スペンスというイグノーベル賞を受賞したオックスフォード大学の心理学の教授です。「湿気ったポテトチップスを食べたときにパリッとした咀嚼音を流すと、開けたてのポテチを食べた感じがする」という研究「ソニック・チップ」を発表した方です。

 おいしさは味覚だけでなく、嗅覚、食感はたまた手触り、見た目、情報などに多く左右されます。ではどういった現象が起こるのか、どうすればおいしく感じるのかなどの事例が五感に分けて語られ、味と音、味と色…などの感覚間相互作用の最先端を楽しく学べます。

 食品業界の方以外にも食べることのスキな一般人の方や店舗経営の方にもおすすめです。しかも参考文献などもしっかりしており、ワクワクしながら読むことができると思います。またAmazon Kindleでも読めて、アプリを使えば付箋やマーカー・ワード検索対応にもなっています。あれ?なんだっけというときにすぐに検索もできます。そして安い!買って人にあげたい度90くらいです。

2位:ワインの味の科学

 こちらもなかなか。ワインの本はいろいろありますが、科学的なしっかりとした知見のものがなく、ワインの味の感想やぶどうの品種ばかり書かれている本ばっかりでうんざりしている人にオススメ。ワインの研究が総合的に書かれているため非常にわかりやすいです。参考文献等もしっかり。逆に日本酒や焼酎もこういう本を出さないといけませんね。ワインをソムリエのような世界観で説明することは定着しましたが、次の時代ではサイエンスで説明できることが必要になってくるでしょう。

番外編:ワインの香り: 日本のワインアロマホイール&アロマカードで分かる!

 ワイン関連でもう一つ。この本はユニークで、ワインに含まれる香気成分がマイクロカプセル化されてカードに印刷されており、単体のにおいを嗅ぐことが出来ます。またカードAとカードCを同時に嗅ぐと別のにおいに感じたりと嗅覚の実体験をすることができます。においは組み合わせで出来ているんですね。それ以外にも嗅覚とはなんぞや?からはじまり、ワインのテイスティングの学習ができます。ちなみに著者の一人、東京大学の東原先生(優しくてイケメン)が参加されており、きちんとした良著となっております。

3位:楽しく学べる味覚生理学-味覚と食行動のサイエンス-

 この本もなかなかなので順位とかつけれません…味覚の教科書部門1位でおねがいします!味覚について迷ったらこの本!と言い切れる感じです。といっても少し専門的・理系向けにはなりますが、わかりやすく書かれております。著者の山本先生は味覚の生理学を牽引してきた方で、その集大成とも言える良著です。

 今回は4冊ご紹介しました。今後もちょくちょく、おいしさの本を紹介していきたいと思います。

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