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とりあえず言えばいい魔法の言葉

「ありがとう」1日、何回言っただろう
無礼はなかったか、再確認することが日課で
「あの時、言ってなかったかも」
課題を忘れた気持ちに似て、眠れなくなる

元来、わたしは面倒くさがりな人間で
学校の宿題は、お稽古へ行く前に
夏休みなどの長期休暇の前にやっておきたい

「やってない」に思考が取られるのが
面倒くさくて、先に片付けてしまう
「ありがとう」も自分の後悔を減らしたいだけ
自己分析すると、こんな節がある

「ありがとう」が言えない人や言わない人を見る

「ありがとう」を言わない家庭に育ったか
「ありがとう」を言わない環境に居るのだと
どこか、気の毒に思え
自分自身が「ありがとう」を言わないと
周りに恥をかかせている気分に陥る

「ありがとう」は当たり前に口から出る
感謝というより、反射に当てはまる

しかし、その反射が鈍っているような
感謝はしているのに、咄嗟に出てこないような
振り返らないと、意識しないと
「あの時、言ったっけ」
人としての秩序が欠いた生き物と、自分を見る

他者から何かの施しを受けて
「すみません」や「どうも」で終わらせる人

対外的に見て、ありがとうの代わりに
「すみません」「どうも」は言わないよりマシだとしても、そんなに謙る必要があるのか

自尊心が低い、他者から舐められやすくなるのに
こんなところで、その人の客観性のなさを
垣間見るときがある

「ありがとう」を多用すると
運気が好転するらしいが
可愛げのある人が大切にされるだけに思う

愛嬌は目に見えても
感謝は口先だけで目視できない

建前文化の効用で
「ありがとう」を言われて気分を害する人が
少数だからだと分析する

「ありがとう」と言われて
「どういたしまして」「恐れ入ります」
「恐縮です」
こう返す人は少ない
軽い会釈か「ありがとう」を聞き流すだけ

とりあえず言っときゃなんとかなる魔法の言葉
「ありがとう」

「ありがとう」以外に、もっと素敵な言葉で
感謝を伝えてみたいものだが
取って付けたような、いやらしさがあるので
やはり「ありがとう」に落ち着いてしまう

#シロクマ文芸部
#小牧幸助さん