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『取材・執筆・推敲』を読む ③

はじめに

①と②を読み返す

『取材・執筆・推敲』を読む ①

『取材・執筆・推敲』を読む ②

本編【執筆より】pp.159〜386.

文章読本の多くが、知識や技術、構文と言った内容(スタイル)が採られています。

通説として「気に入った作家の文章を、書き写しながら手(身体)に覚え込ませる」

この本では、表現力の前に鍛えておくべき要点が解説されています。

【文章の基本構造】

▶ 取材者が、取材を受けた人の話コトバを書きコトバに翻訳する。

▶ 文字そのものには感情が宿っていない。
また、三次元(空間)情報を二次元のキャンバスに落とし込む作業。

▶ 書きコトバへの翻訳に必要なのは「論理に基づいた前後の文脈」
(疑問符や感嘆符ではない) p.175

▶ そこに必要なのは、表現力ではなく「論理」全体を俯瞰する力。

▶ 表現力は、論理的・科学的アプローチが出来るようになった次の段階。

「論理」とは
論:自らのからの考えや主張
理:客観的事実

自らの論(主張)が、何らかの客観的理由により裏打ちされた時、その言説は「論理的な文章」となる。

つまり「主張」の「理由」理由を下支えする「事実」の三層で構成される。p.179

【構成をどう考えるか】 

▶ なにを捨て なにを残すか
原稿の価値 = 原稿に書くこと(分子) / 取材で得た知見(分母) p.215

▶ 本の価値は情報量ではない p.270
情報の鮮度
章の構成 (起承転結)
見やすさ (視認性)
写真や図表との組み合わせ (複合性)
読後感 (あとがき)
検索性 (索引)

【原稿のスタイルを知る】

▶ インタビュー記事
訊きたいこと (ask)
問と答えではなく対話

コラム(掌論):巻き込み型の文章 (囲い込み記事)
エッセイ(随筆):自由気ままに想いを書いた文章

感覚的文章:感覚的文章の根底には徹底した観察がある。 (視覚・聴覚・触感・味覚・嗅覚)

感覚的文章の対義語:論理的文章

情報の賞味期限

【原稿をつくる】

▶ 原稿に必要な3つの要素
① リズム
句読点の打ち方
改行のタイミング
漢字とカナ(かな)混じりのバランス

② レトリック
想像力の補助線としてのレトリック(修辞)

③ ストーリー

二部構成としての【起承転結】

① 起:承:(楔) クサビ:転:結

② 起:転:(楔)クサビ :承:結

【自分の文体が宿っている】  

筆跡には その人の個性が現れる。
文体も同じように「自分だけの文体」が宿っている。

『取材・執筆・推敲』書く人の教科書
古賀史健 (こが ふみたけ) 著 480頁
ダイヤモンド社 (2021.04.06)

【ブックレビュー】https://www.diamond.co.jp/book/9784478112748.html

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2021.04.15

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