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軽い読書生活 『誘惑者』など

※2024年2、3月頃の読書記録です。
※十冊前後まとめて書いてます、一冊につき長くても三百字程度。
※気軽にお読みください。この記事を読んでくれたあなたが、面白い本と出逢えますように。
※他の読書記録はこちらにまとめています。


1~5冊目

★高橋たか子『誘惑者』2019年、小学館
自ら、命を絶つこと。
考えたことがないかと言うと、当然、ある。
主人公は、自殺幇助をしてしまった女性。
じっとりと、主人公の内面がしみ込んできて、だけどその内面に連れていかれる感じはなく、哲学書のように読めた。ほどよく淡泊。
なんだか、雪の日に読みたい。

(明らかに澁澤龍彦モチーフの登場人物が出てくるけど、著者の方、澁澤とマンディアルグを共訳してらしたんですね……!)


☆間武『痴夢』2011年、コシーナブックス
書店で一目惚れした三行詩集。
艶やかで退廃的なのに、大人の恋愛というよりは少女の、甘くて苦い恋愛を思わせる詩が多いな。きっと、少女の相手は年上だろうなぁ。
『正しい速度で進む時だけ
心地よく、恋は揺れる
それでふたりは、大抵眠い』


⚡最果タヒ『落雷はすべてキス』2024年、新潮社
発売から少し寝かせて読み終えました。やっぱり夜、寝る前に読むのが好き。
私はタヒさんの詩を優しいと思っている。ねっとりとしていない優しさ。家族や友達から受ける優しさではなく、すれ違った人から受ける親切みたいな、そういう優しさ。

『満月の詩』が短く簡潔でそして美しかった。『薔薇』では前作のタイトル『さっきまでは薔薇だったぼく』が登場して、嬉しくなる。
タヒさんの著作のタイトルは全部、パンチラインなんだよな。


★阿久津隆『読書の日記 皮算用 ストレッチ 屋上』2023年、NUMABOOKS
阿久津さんの読書日記もこれで六冊読破した、ってこと……!?
最後の最後、スタッフの山口くんのことが心配になってしまって、Xでアカウントを探してしまった。お元気そうでした。
いったん、発売されている分の『読書の日記』は読み終わったので、次の発売日を待ちながら、たまに『fuzkue』にお邪魔しようと思います。


♡最果タヒ『恋できみが死なない理由』2023年、河出書房新社
2023年の年末前には読了したが、爆速で再読了。最果タヒの文にとことん溺れたいときもあるのだ。中毒性がある気がする、発作的に読みたくなることあるからな。

収録されているエッセイの中で、特に好きなもののタイトルを挙げてみる。
『二度寝の代わりの朝マック』『言葉は悪人になったほうが書きやすい』『さみしさの稲穂』『ブルべの恋♡イエベの愛♡』『大丈夫、嫌いだよ。』『神様の白髪東京の流星』『タクシーの窓から』。

なんだか中毒性ありそうでしょう?

私と料理の話①

私は実家では全く料理をしなかった。
不器用な私が台所に来ると、なんだか事件みたいになって、横からガヤガヤ言われるのが面倒だった。心配し過ぎるのも子供にとっては悪影響だと思う。
実家を出たら、今、自分が作りたいものや食べたいものとだけ向き合えるようになった。だから、料理のことが、ちょっと好きになった。
料理って、理科の実験みたいだね。実験は、静かに進めたいタイプです。


6~10冊目

☆くどうれいん『わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版』2018年、BOOKNERD
超絶お腹が空く&自分で料理がしたくなる最高のエッセイ!
くどうさん、根っこの部分がとても陽の者っぽくて、私はエッセイを読みながらも気後れするようなところがあり、それも含めてとても好き。くどうさんのエッセイ『うたうおばけ』が文庫化していた。読んでみたいがちょっとの勇気がいる。


★土井善晴『一汁一菜でよいという提案』2021年、新潮社
私は土井先生の本が読みたい!! と、急に思い立って購入。少し前に出た本だけど、新刊書店でもまだ並んでますね。
よいですか、味噌をお湯にとけばそれは味噌汁なのです! 日々のお料理に疲れたら、家族の声やネットの声はいったん無視して、この本を開いてみてください。


☆森晶磨『黒猫の遊歩あるいは美学講義』2013年、早川書房
ずっと読みたかったシリーズ! タイトルが良い&私は結構ポオが好き、というところで気になっていた。読んだらめちゃくちゃスルスル読める、面白い。続きも買った。
ジャンルとしてはミステリーなんだけど、二十四歳の天才イケメン美学者『黒猫』と、ポオ研究者の卵の『付き人』の関係が、とても可愛い……男女コンビ(カプ)好きも大満足。


★江國香織『すみれの花の砂糖づけ』2002年、新潮社
ロマンティックなお菓子ランキングはマカロンとすみれの花の砂糖づけが同率1位ではないか、ちなみに3位は金平糖ね。
マカロンと金平糖は食べたことがあるけど、すみれの花の砂糖づけは食べたことがない。
きっと、このの詩集みたいに、甘いのにほろ苦い味がするんだろうな。


☆森晶磨『黒猫の刹那あるいは卒論指導』2013年、早川書房
黒猫と付き人の出会いの話ですって……ということで購入しました。最初から最後までとても好き。
黒猫が『人間の可能性』、付き人が『人間の心』のメタファーなの、そんなんビリビリくるに決まってるじゃないですか。近々残りも買ってきます。早く続きを読みたい(そしてポオも久しぶりに読みたい)。


私と料理の話②

得意料理はない。強いて言えば、『たくさんの具を入れた汁物』を作るのが好きだ。

シチューにカボチャを入れると、カボチャがとろとろになった、やわらかな黄色のシチューができて楽しい。カレーにカボチャを入れるのも美味しい。味噌汁にはやたらに具を入れる、ジャガイモ味噌汁、私は全然美味しいと思うんだけども。
また、麻婆豆腐には豆腐だけでなく、玉ねぎやキノコやナスを入れる(果たして麻婆豆腐は汁物と言えるのか?)。

一人で行う料理は案外自由なものだ。
ぜひ、一人暮らしをしたら一度は自炊にチャレンジしてみて欲しい。
自炊を続けるかどうかは、チャレンジした後考えればいいさ。


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