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【詩】鍵のない錠前

僕を縛る苦い記憶
引き止める優しさに
「No」というナイフを突き立てた日

不思議な自信に溢れていた10代の終わり
僕の甘い言葉で引き寄せた人を
自ら辛い言葉で傷つけた日

10年以上も前 今でも思い出してしまう僕の罪
その罪悪感が鎖のように伸びて絡みつき
脳の深い場所でずっと外れないでいる

その鎖に下ろされた錠前の鍵が
いつまで経っても見つからない
仕事もし 結婚もし 子どもも生まれ
親という立場になっても見つからない

だけどあるとき
探すのをやめ一歩下がって足元を見た
そこに鍵は落ちていた

10年以上見つからずにいた鍵
僕を罪の意識から開放する鍵
それは驚くほど近くにあった

不器用なぐらい自分に素直だった過去
自分を曲げる素直さを知った現在(いま)

認める勇気
受け入れる覚悟
そんな大層なものではなく
ごめんなさいのたった一言

その小さな鍵を僕はポケットにしまった

外れなくとも受け入れている
見つけるまであまりにも長すぎた

この鎖をとめる錠前に鍵はない

あるのは戒めと思い出だけ

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今更ごめんなさいと伝えました。
若気の至りとは便利な言葉で、今でこそそう言えますが当時の私はその言葉やその行動を選択しています。
あの時ああ言えたら、こうしていたら、そんな後の祭りは言い訳にしかすぎません。
今いる場所が僕の選択の結果で、行いの全てです。

SNSは便利ですね。細い糸でも繋がりが保たれ、謝罪の言葉を伝えられました。
でも、前に投稿していたこえ部然り、こういったサービスの上に乗っかって投稿している限りサービス終了とともに繋がりが1つ切れてしまいます。
細い繋がりが断たれる前に伝えられたことは救いでした。

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