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ほしまるの夏 第3回(計4回):マネキンもしていた夏

第1回(前々回)第2回(前回)は、←このリンクから読めます。
連絡読み物ではないので、続きで読まなくとも問題ありません。

こんにちは、ほしまるです。
8月最終週ですね。
かなり気が重いことが起こりました。
近隣の敷地建物の解体工事がスタートしたためです。
その建物の持ち主が引っ越されるということを知ったのも、まぁまぁ最近。
んで、重ねて間も無く建物の解体工事始まるということを知ったのも同じタイミング。
わかってはいたけれど、家にいて作業・仕事している時に、
ガッタン、ガッタン
ガシャーン ガッシャーン!
ギコギコ、ギーーーーッ!
という音と地響きがするのは、正直ほんっと耐えられないです。
たまたまなのか、ここ数年で、私の近隣が
建て替えとか、新しく集合住宅建てたりとか
地味に落ち着かないんですよね。
幸か不幸か、このコロナ禍、やっと落ち着いたのが救いではあったのですが。
これはかりは仕方ないとはいえ、しばらくは悩ましい日々が続きそうです。

マネキン。
その単語でピンと来るかたはどのくらいいらっしゃるでしょう。
今日の話は、学生時代、単発で何度か行った
マネキンのバイトについてです。

☆☆☆

大学時代の夏休みにさかのぼります。
私は大学時代、主にハンバーガーショップでアルバイトをしていました。
ハンバーガーショップの同期や先輩・後輩はみんな大学生や専門学校生、高校生。
みんな授業のない夏休みや春休みは、バイトになるべくシフトを入れるケースが多かった。
そのため、シフト提出のタイミングなどによっては希望の時間・日にちに入ることができないこともしばしば起こりました。
結果として掛け持ちしたり、夏休みはリゾート系のアルバイトをびっしり入れてしまう子も少なくありませんでした。
私も夏休みは幾つかのアルバイトを掛け持ちしていました。
掛け持ちするほどバイトをしていたのは
在学中にイギリス留学を予定していたから。
(実際、在学中に渡英しました。)
6月から7月終わりくらいまでは デパートのお中元伝票センター。
そして、登録制の単発(日勤)のアルバイトです。
今日これから書くのは
私が学生時代に行った登録制バイトの中でも、マネキンと呼ばれたお仕事です。
マネキン。
マネキンのお仕事自体は実演販売も含まれますが、他に試飲・試食販売というものがあります。
食品デモンストレーションとも呼ばれ、
主にスーパーや大型商業施設でのお仕事です。

登録は簡単なものでした。
登録会社に履歴書を提出したり、登録会社の書式に改めて書いて写真付で提出したり。
登録会社そのものもいくつもあったのですが
私が登録していた会社では、予め登録会社での提携業務の中から希望の仕事をいくつか選んで、面接のような打ち合わせの際に
業務の流れを聞く、というものでした。
よくよく思い出すと、ちゃんとした研修のようなものがあるわけではなく
その場で渡された資料(パンフレットのようなもの)に言われたことを書き込んでおく、くらいのものでした。
この面接説明会では、実際働くことになった時にどんなことに直面するのかをまだ実感していませんでした。

いざ、お仕事が来るという段取りになると、
登録会社から 
「直近でお仕事がありますが、できますか?」
という形で連絡がありました。
真偽のほどはわからないけれど 当時根拠のないうわさで
「初めにお仕事依頼が来たら断らない方がいい」
「都合が悪くて断ったら、二回目以降の依頼がなかった」
なんて言われていたのを思い出します。
当時はスマホ(携帯)もネットもSNSもない時代、うわさはあくまでもうわさ。
でも、そんな根拠のないうわさでも真実のように広まってしまうのは、昔も今も変わりないような気がします。
登録会社に登録していた仲間や友だちと
「できるだけ、初めは断らないようにしよう。」
とか
「次のお仕事来なくなったら悲しいから
都合が合う日にお仕事来るといいな。」
なんて言っていたのが懐かしいです。
1番最初のお仕事依頼が来たのは埼玉県、
西武池袋線で、東京の自宅から一時間半以上かかる、かなり不便な場所にありました。

説明会の打ち合わせ通り、早めに着くように
家を出ます。
家の最寄りは、ラッシュ時はかなりの乗車率なので、ぎゅうぎゅう詰めの混雑電車に揺られながら、二回乗り継いで西武池袋線に。
駅を降りてからも、そこそこ歩いて
やっと到着。
そこからは、持参したエプロンと三角巾を着用して、指定された精肉売り場へ。
売り場担当の方々や、店員さんにお手伝いしてもらって、台を出したり、
ホットプレートや ようじ、お皿を出したり。
「まだまだ。ここから長丁場よ。ふふふ。頑張ってね、学生ちゃん。」
なんて、売り場の中年の店員女性に言われたけど。
あの中年女性より、今の私のほうが年上なんだよな、と思うとなんだか笑えます。
実は、こんなふうにさらっと書いたけれど
お仕事を依頼されたお店に着いてから、試食台を借りたり、運んでもらうお手伝いしたり、
試食販売に必要なパーツなどは、予め用意されているわけではなく、いろんなところに走り回って揃えることも多々あって。
当時は、
【試食販売が来ることもあるから、売り場で予め用意しておく】
なんてこともなくて、パニックになりました。
デモンストレーションの回数、時間だけは決まっているので、逆算すると間に合わない!って思ってしまって。
...でも大抵、どこのお店にも、
【頼れる店員さん】は必ずいて。
こちらが慌ててる時に飛んできて手伝ってくれたり
少しお手伝いしにきてくれたり、と。
そのてきぱき働く姿に救われました。

因みに、当時も、そして今でもよく聞かれることがありました。
「試飲とか試食って、飲んだり食べたらその商品買わなきゃいけないの?」
「買わなきゃいけないとしたら、と思って食べたことないんだけど?」
というようなことです。
あくまでも試飲・試食販売のバイト経験から話をしますが、
試食の製品の販売ノルマとかあるわけではありません。
なので、あくまでも当時の登録バイトとしての立場であれば、はっきり言ってしまえば
ぶっちゃけ

「買う買わないは自由だから、とにかく食べてください!!!(泣)」

というのが本音でした。笑
当時、一番辛かったのは、試食をなかなか食べてもらえない時、というよりも
近くまで来たお客様が、試食コーナーを避けるように 背を向けて迂回したりUターンしたり。
私と目が合った瞬間、見てはいけないものをみてしまったかのように 
「ヤバイ、めちゃくちゃヤバイ」
って表情したり
見なかったふりして素通りされることでした。
そんな怖いか、試食?って思いましたね。笑

もちろん、そう思うお気持ちもわかるのですが。

食べて買わなくとも全く問題ないんです。

ただ、もちろん 私なようなバイトは別として
お店としてみれば、その製品が売れたら、お店の売り上げに繋がるわけで。
そして、更に言うと。
例えば、調味料の販売を任された時のことを言うと。
実際にお店で売っているお肉やお魚、お野菜を焼いたりするので、
「このお肉(お魚)、あそこで売ってますよー!」
ってなるのです。
調味料に加えて、お魚やお肉も売れてくれたら
売り場としてはめちゃくちゃ嬉しい!結果になるわけですね。
そのためか 何回かこなして来ると お店の依頼でその日のセール品と合わせてデモンストレーションすることもよくありました。



プレートなどで調理加熱するものは
お客様の目の前だと、最初の頃は緊張したものですが。
慣れてくると、私は楽でした。
プレートで加熱していると、その部分、温かいので。
というのも、この時 登録の試食販売でわかったことですが。
特にスーパーって、夏、寒いんですよね。
こういうバイトすることになった、と話したときに、母が 
「軽いひざ掛けみたいなもの持っていく?」
って、コンパクトなひざ掛けを出してくれたのですが
「え、いいよ。かさばるし。」
って持っていかなかったのです。
やはり母の予想通り、寒かった。
その時、せめてズボンで行かなかったことを後悔しました。
たかが単発の、登録バイト。ですが
そこに登録していたおかげで夏休みだけても
何度も経験できた スーパーでの試食販売の思い出も、未だによく思い出します。

☆☆☆

お読み下さり、ありがとうございます。
コロナ禍に入り、何気ない日常風景から姿が見えなくなったもの、というものは多々ありますよね。
そんな一つが、スーパーや大型商業施設での試飲・試食販売というお仕事かと思います。
屋外でも不織布マスクを推奨されるほど、空気中のウイルス飛沫に敏感なこのご時世では、
ちょっとした売り場に立っている試食販売コーナーというものは、やはりまだまだ厳しい状況と思います。
じゃあ、あの試飲・試食販売のお仕事をしていた方々はどうしているんだろう?
そういうことを思ったりもします。
私自身が学生時代、経験したことがあるため
ひとくちにスーパー、といっても
いろんな形で働いている方々がいて。
商品を置いてある場所を聞きたいときに
「すみません、」
と尋ねた相手が、そのスーパーの従業員さんでなくて、派遣さんだとか
企業から委託された方だとか。
このご時世で、お店で働く方々も
たくさん神経をすり減らしていることとか。
そうした環境で働いている方々にクレーム言ってるお客が増えたな、とか。
(これは、スーパーとかに限らずどこででもですね)
コロナ以前のように 戻るにはまだまだどれだけ時間がかかるのかわかりません。
もし、以前のように 試食販売がどこででも戻ってきた時には
ぜひ興味ある製品は試食してみてください。
きっとその方の更なるモチベーションになると思います。

今日も読んで下さり、ありがとうございました。
次回はいよいよ 期間限定投稿最終回です。
それでは、また。

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