日景 久人 / HIKAGE Hisato

音楽、アイドル、写真などに興味があります。 毎月末に「月記」を書きます。

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最近の記事

月記(2024.03)

3月のはなし。 〔写真:Panasonic LUMIX DC-G9 & LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH.〕 § 爆弾解除ゲームの配信を見てゲラゲラ笑っていたら、急にコンテストがやってきた。 先月、VX-βのライセンスを手に入れたということを書いた。期間限定の個人的な遊び道具というつもりだったが、どうやらもうすこし派手に遊んでもよさそうだ。 § 西永福JAMにて『Return to UTERO』へ。 公演

    • 月記(2024.02)

      2月のはなし。 〔写真:Canon AE-1 & lomography babylon 13〕 § ふだん雪が降らない町だから、雪が降った途端に静かになる。 § VX-βのライセンス抽選に当たった。はじめての歌声合成ソフトになる。 世代的には初期のボカロブームにしっかり直撃しているし、いくつか今でも好んで聴いている曲もある。しかし、ここ十年くらいの音声合成ソフトの潮流については全くといっていいほど知らない。それがなぜ今になってソフトをインストールするまでに至ったのか

      • 月記(2024.01)

        1月のはなし。 〔写真:Canon AE-1 & lomography babylon 13〕 § 僕はTwitterをやっているだけだが? § この街でいちばんtoughなバンド、それがsiraph。 § ときおり脳内に原宿さん(オモコロ編集長)がやってきて、「『知る』って不可逆なんですよ!」という話をして去っていく。 § 僕がここまで生き延びることができた理由のひとつは、音楽に出会ったからだ。決して大袈裟な話ではない。 そして同じように、僕は音楽に出会

        • 月記(2023.12)

          12月のはなし。 〔写真:Olympus XA2 & Kodak GOLD 200〕 § 歯抜けになった日記メモを見ていたら、『自分の感受性くらい自分で守れ』と言われた気がした。 § ユレルランドスケープのワンマンライブ『MASTER PLAN』を見た。ライブは4月の代官山UNIT以来だった。 会場となった渋谷WWWには、僕は何度も足を運んでいる。にもかかわらず、多くの人が集まったこの日のフロアは、いつもより広く感じられた。なんというか、ライブハウスというより、で

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          月記(2023.11)

          11月のはなし。 〔写真:Canon AE-1 & ILFORD ORTHO PLUS〕 § 雨に降られて、わたしは風邪をひきました。 § 東京都現代美術館に行った。 黄色い壁の表面に点字があった。ただ点字があるだけで、書き文字などは一切なかった。その点字は何色かに色分けされていた。色ごとにセクションが分けられていたりするのだろうか、僕は想像することしかできなかった。 僕は点字が読めない。街のどこかに点字があると、「点字があるな」と認識している。視覚で。 例え

          月記(2023.10)

          10月のはなし。 〔写真:Canon AE-1 & ILFORD ORTHO PLUS〕 § いつだって、僕は、マイペース。 シンプルに良い曲だね、というのは褒め言葉にならないのだろうか?気にし過ぎなだけだろうか? § 良いなぁ。良いアルバムだ。 § 『情緒大陸 Vol.3』を見に行った。 幽体コミュニケーションズは多少聴いたことはあったものの、ライブでどんなパフォーマンスをするのかは詳しく知らなかった。3人横並びで座り、左右は向かい合って、真ん中は俯き気味

          月記(2023.09)

          9月のはなし。 〔写真:Panasonic LUMIX DC-GX7MK3 & LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7〕 § 逃避の一環としてトラックをつくった。遅いブレイクビーツ?みたいなことなんだと思う。聴き直してみるとベースが陰鬱かつダルくて、日記みたいな趣きがあるなと、我ながら感心してしまった。 § おかげさまで、だいぶ長いことTwitterをやれている。Xをやっているなんて一度も思ったことがない。でもそう遠くないうちに「Xをやっているという

          月記(2023.08)

          8月のはなし。 〔写真:OLYMPUS XA2 & Kodak Gold 200〕 § めっちゃ夏。ずっと夏にボコボコにされていた。 § お盆、というやつがこの日本にある。誰がいちばんおもしろい精霊馬をつくれるかを競う期間だ。速さはさしたる問題ではない。乗り心地もあんまり関係ない。おもしろいかどうかだ。今この現世において、ろくでもない熱さの中で不機嫌になっている我々が、いかにおもしろがれるかどうかだ。それこそが問題なのだ。 とはいいつつ、炎天下での墓参りの記憶はそ

          月記(2023.07)

          7月のはなし。 〔写真:Canon AE-1 & lomography babylon13〕 § 7月2日。重い扉を開けると、『moment』という曲が鳴っていた。 § 小さいころから高円寺にいる人が羨ましかった。高架下にはギターを弾く人達がいた。僕はその前を自転車で通り過ぎていた。いつの間にか僕はギターを弾くようになり、そうして高架下の人たちの強さを知った。高円寺にいる人のなにが羨ましかったのか、歳を重ねるたびに学んでいる。 小さいころから高円寺にライブハウスが

          月記(2023.06)

          6月のはなし。 〔写真:OLYMPUS XA2 & MARIX400D〕 § 仙台に行った。たのしかった。ガハハと笑ったり、なんとなく夕暮れを眺めたり、夜の駅前で涼んだりなどした。ささやかながら所縁がある街なので色々と思い出した。現在の自分を形成している要素は、わりと仙台発のものが多いかもしれない。 今回はじめて知った『牛タン仙台ラー油』、バカうまい。 § 映画『怪物』を観た。周囲に映画好きは増えたが、当の本人がそこまで熱心でもない、そんな温度差のある状況のおかげ

          ANY%が生まれる、その一年前の『春』の記録(再掲)

          ・はじめに 先日、ANY%というバンドの初ライブを見た。 その感想を整理するには、どうにも一年前の『春』の記録からさかのぼる必要がある。 というわけで、今回再掲するのは、2022年3月公開した記事からの抜粋、甲斐莉乃の4回目の誕生日記念ライブ『春』について書いた文章になっている。お付き合い頂ければ幸いである。 ・一年前の『春』 甲斐莉乃さんは、自らを表現して世に放ち続けてきた。RAYのメンバーとして活動すると同時に、イラストや絵画を描いて個展を開催し、イチからDTM

          ANY%が生まれる、その一年前の『春』の記録(再掲)

          月記(2023.05)

          5月のはなし。 〔写真:OLYMPUS XA2 & cinestill800T〕 § 「#RAY_Bloom」。O-WESTには笑顔の怪獣たちがいた。 誰もが孤独であり、その孤独な誰もの周りには、広大なフロンティアが広がっている。なにもかも。「スワイプ」、「フリック」、あなたはこれらの単語にどんな印象を抱くだろう?この日披露された『フロンティア』は、そんな僕らの指先ひとつに希望を宿す曲に聴こえた。 点から線が伸び、つないだ点からまた新たな線が伸びる。『サイン』でグラ

          月記(2023.04)

          4月のはなし。 〔写真:OLYMPUS XA2 & lomography800〕 § 矢川葵さんとはじめて話してから、5年が経った。マジで?矢川さんの歌を聴くたび、この人が歌えている世界でよかった、と感じる。 この話は何度でもしたいのだけど、5年前にはじめて矢川さんとツーショットチェキなるものを撮ったとき、「あんまりキラキラしたアイドルって感じじゃないけど、末永くよろしくねー」と言われた。あれから5年も経っているわけだけど、結果的に末永くよろしくしていることだけは変わっ

          月記(2023.03)

          3月のはなし。 〔写真:OLYMPUS XA2 & Kodak GOLD200〕 § うお座、ならびにおひつじ座の女たちに多大な影響を受けている。 「ハーモニー」と「虐殺器官」を一気に再読した。「虐殺器官」の血なまぐささより、「ハーモニー」の真綿で首を絞められていくような空気感のほうが、僕の肌には合っているのだと思う。その実どちらにも共通する成分が含まれてはいるのだけど、やはり優しいテクスチャのほうが即効性がある。 再読は再確認ではない。今回「ハーモニー」を読んで気に

          月記(2023.02)

          2月のはなし。 〔写真:OLYMPUS XA2 & FUJIFILM ACROSⅡ〕 § 僕はTwitter生まれTwitter育ち。 渋谷WWWでぼんやりしていたら緑色のサイリウムをもらった。恵比寿で素振りしておいてよかった。声を出すよりはサイリウムを振るほうが性に合っているのかもしれない。 種が芽吹いて伸びていくイメージを浮かべながら、上階にあるステージのことを思った。 夢も天気も、悪いときのほうが話題としての強度が増す気がする。 光るゲーミングMacがあっ

          透明壮年、桃色作戦

          2022年12月4日、渋谷。はじめましての挨拶をした。 桃色の髪の人に纏わる話。 彼女がくれた一枚の手紙、インスタントフィルムに書かれた「生存戦略!」のメッセージへの御礼にかえて、ここに桃色作戦を決行する。 そんな寝言を深夜ひとりで繰り返している。 コイツはそう、透明壮年。 A_透明さについて終演後、渋谷RINGのフロアには特典会の列が無軌道に伸びていた。人波の中から最後尾札を見つける。札を持つ人に声をかけてそれを受け取り、頭上に掲げる。同じようにやってきた人に札を

          透明壮年、桃色作戦