石井靖子

小説を出版する夢に向けて、孤独や葛藤などの普遍的なテーマを掘り下げ、それらをどう捉え直…

石井靖子

小説を出版する夢に向けて、孤独や葛藤などの普遍的なテーマを掘り下げ、それらをどう捉え直せば生きやすくなるかを言葉にしています。挿絵はAI生成アートですが、文章は肉筆、AIでは出せない生めいた艶とリズム感のある文体を目指しています。

マガジン

  • 小説

  • 六十花甲子 干支ポエム

    60個の干支の特徴をポエムにしてみました。

  • 映画・本・アート

    美術、絵画、映画、本などの紹介、感想文

  • エッセイ

    日常の一コマ、常日頃から考えていること、不思議な現象など、様々な心の動きを言葉で固めてみました

  • 詩のようなもの

    日々の生活の中でのふとした気づきや人の心の襞に触れるような言葉を集めてみました

最近の記事

  • 固定された記事

何のために書くのか

知りたいことがある 自分が何者なのか 何を大切にして 誰を守りたいのか 自分の魂が喜ぶのは何か 最期に見たい景色は 次世代に遺したいものは 伝えたいことがある あのときの喜びや悲しみを 感情が波打ち震え 心の芯がつぶれたあの日を 膝を抱えて涙して 痛いほど嗚咽したあの夜を 力不足で拙くて及ばなくても 精一杯の情熱を出し尽くせばいい 苦悩して苦悶して苦心して 真っ白な紙にただ向かうだけ いつかきっとではなく それは今なんだ 誰に頼まれなくても 誰に望まれなくても この気

    • No.24 祈り灯

      悲しみにふるえる後ろ姿 小さくつぶやいた だいじょうぶ 風で消えゆくよう うつむいた瞳はどこを見てるの 何を感じているの 周りはみんな忙しすぎて だれもが知らぬふり 傷ついて心が折れてもう 立てなくなっているのに 僕が君の灯りとなろう この世界の暗闇で 一人きりで悲しまぬよう 寄りそい照らすよ またそうやって強がって 平気な顔をするんだね だいじょうぶ 前に進んでもいいよ 後ろから支えるから 僕が君の路を照らそう 心もとない海原に 漂う小舟が彷徨わぬよう しっかりと灯

      • さくらさく

        桜はまだかと待ち望み、咲いた綺麗だと喜び、どうかこのまま散らないでと思慕する風物詩が今年もまたやってきた。ようやく外気が温もり、あちらこちらで咲く桜に心も緩んで気持ちも弾む。肩に落ちる桜の花弁ひとひらは小さく薄く消え入りそうなのに、それらが集まれば、桜の木を一面びっしり覆って、街道を奥深くまで薄紅色に染め上げる。一雨ごとにはらはらと散っていくのもまた風情があって、ついには桜の絨毯となるのもまた一興だ。 人の気をそぞろにさせる人気の桜だが、もしも、桜の花粉症だったり、花弁の集合

        • No. 31 レクイエム

          広大な大地にぽつんと立つハルニレの木 双子の木が左右対称に見事な枝ぶりをつける 双葉のときからずっと一緒だったんだね 幾度もの朝日と夕日を共に見て 葉を茂らせたり落としたり 熱い日差しや雪の重みにも耐え 手を携えて生きてきた 鋼に切られることもなく 炎に焼かれることもなく たまさか運よく生かされた 私たちは二人でひとつだった 青空に向かって両手を伸ばし 足元で大地の息吹を感じ この広い世界で出会えた奇跡を 共に居られた喜びを ずっと忘れないでいよう 二人で過ごすこれからが

        • 固定された記事

        何のために書くのか

        マガジン

        • 小説
          0本
        • 六十花甲子 干支ポエム
          15本
        • 映画・本・アート
          2本
        • エッセイ
          2本
        • 詩のようなもの
          2本

        記事

          No.1  再出発

          背を伸ばすとコツンと音が いたた、またぶつかった ぐるんと回るとまたコツン もうイヤだ こんな狭い場所は ここじゃないどこかに飛び出したいんだ 新しい世界の風を感じてみたいんだ 本音を言うと ちょっぴり怖い この世界でひとりぼっちには もう慣れたけど きっと外はもっと広くて一人じゃ間を持て余すかも いやいや、ぼくは知ってるぞ たとえ見知らぬ土地だとしても よく見て、選んで、よく学び、 だめだったら よく見て、考えて、またやってみる いつまでもここにはいられないから 自力

          No.1  再出発

          雨の音楽

          雨の降る夜ひとりあるく 傘の中でぱちぱちと 雨音が爆ぜている マンホールからは 東南アジアの楽器みたいに じゃらんじゃらんと音がする 人の体のほとんどが水分だったら 私の中でもちゃぽんちゃぽんと 水の音がしてるのかな 自転車が駆ける音 道のはたに身をよける それを見送って ふたたび 雨の音楽を聴く

          No.12 浮き草のように

          思ったままを口にしたら ダメってママに叱られた 感じたままに振る舞えば 迷惑になるって怒られた 気ままにやりたいだけなのに そんなにいけないことなのか 考えるより先にもう クリアなイメージがあるんだもの それを素直に言葉にすれば そのままリアルになるんだから 思いのままに感じるがままに 自分を信じて進めばいい 直感に従って 流れくるイカダに飛び移り 揺れるがままに赴くままに 安定などとは程遠いけど ただそこで生かされる 良いときも悪いときも ただそこで生きていく

          No.12 浮き草のように

          No.11 新芽~鎧を脱ぎ捨てて

          親から抱きしめられた記憶がない 大好きだよと言ってもらったこともない 頬と頬が触れ合う温もりを未だ知らない 大人になってからは 不用意に触れられると 反射的に払いのけてしまう そのまま受け止めれば 包まれる安堵感を得られるのだろうか 人の言う 愛してるという言葉に 空々しい無力感を覚える アイってなんだろう 生活に必要なものなのか こんなにも愛のことを想うのはきっと それを知りたくて生まれてきたに違いない 愛の証を得るために、今再び幼子に戻った 身勝手な私をしっかり抱き

          No.11 新芽~鎧を脱ぎ捨てて

          No.10 命の廻り

          雨降りの休日 食器棚の整頓整頓をする クロスにアイロンをあててテーブルをセットし直す 水回りは特に念入りに、水滴の一粒も見逃さずに こうして日常が乱れないよう 丁寧に暮らしを整えていく それからお茶を淹れて とっておきの読書の時間に ページを繰る手をとめて 昨日買った植物の種にふと目をやる インスピレーションがおりてきて 日常の音が消え、視界が狭まり 深い深い思考の淵へ ゆっくりと落ちていく 「美しい自然が移ろいゆく季節と共に」 一粒の種が芽吹き、日の光を浴び、すっくと

          No.10 命の廻り

          No.9  尽きせぬ泉

          自分で言うのもなんだけど ボクの頭はまずまず愉しい 驚くべき発見や不思議な関連が メリーゴーランドのように閃いて ジャングルジムの網の目状に 四方八方に拡がっていく 知的なデザインを次世代に あっと驚かせる手筈は整っているのに なぜかあの子に追い越され うっかりアイツに追い抜かれ でもボクは決して腐らない 腐ってたまるもんか だってボクの頭の中は こんなにもクリアで こんこんと湧きあがる湖の水面に 見事な紅葉が映り込むがごとく 流麗な知恵の泉で満ち溢れているんだから

          No.9  尽きせぬ泉

          No. 8  プライド

          みんな休んでて、私は動いてる 毎度のことでしょうがない たまにはラクしようかなって 一瞬思ったりもするけど 今やれることを精一杯やる 誰も知らなくても 自分の中で守ってる それが私のプライド 真面目だねっていわれるけれど 普通のことだし責任あるし 頑張ってるって褒められるけど 当然だし仕事だもの そうじゃなくて 人の様子が気になるだけ だいじょうぶかな 笑顔でいるかな これはどうかな 喜んでくれるかな 何かのお役にたてばいい 誰も見てなくても 自分だけは知ってる こ

          No. 8  プライド

          No.5 孤独の向こう側

          私の考えは複雑で難解で たぶん誰からも理解されない うっかり分かち合おうものなら 人は驚き、たじろぎ、眉をしかめ 異常だと嫌悪する 小さい頃からそうだった みんなと普通にいたいのに 自分だけ観点がずれていき 結局、悪目立ちする 他のものとは長さも向きも違う この手の親指のように そんな時にはそらみたことかと 私の孤独がせせら嗤い 勝ち誇ったようにこう告げる 孤独の世界の囚人よ 早くこっちに戻ってこいよ 漆黒の思考の沼の中に やはり ここにいると妙に落ち着く 昔いた懐か

          No.5 孤独の向こう側

          No.6 何があっても守ってやる

          青々とした畑がどこまでも広がり 空に続いていく こんもりとした雲 一陣の風 空気が歪んで渦巻いていく 蛇のように波打つ平原 馬のいななき 予兆を感じて大地に向かう村の長 人々の不安を背に受け両腕をあげる 大きく高く広く 大地を抱くように 人々は怯え、子供達は目を見開き 成り行きを見守る 風はやがて嵐となり 木々を、屋根を、風車を薙ぎ倒す しばらくして日の光が戻る頃 子供達の目には 木々に打たれ、泥にまみれ、 肩を落としてたたずむ長の姿 ゆっくりとこちらを振り向き いつもの

          No.6 何があっても守ってやる

          No.3 光を届けて|詩

          久しぶりのお出かけに心躍る 足どり軽くハミングしながら 待ち合わせの場所へ お気に入りのバッグのチャームが 揺れて光るのが素敵 太陽のように明るい笑顔で エネルギーをチャージしちゃおう お待たせしました さあ参りましょう 太陽光ビームを遥か彼方まで 両手を広げて余すところなく 春の温もりを感じとりましょう 雪解けの堅い殻を破った双葉が 外気の寒さに身を震わせて 縮こまった身体を伸ばす瞬間 もう大丈夫 全ては 成るようになる 心配は要らない きっと大丈夫だから さあ顔を上

          No.3 光を届けて|詩

          No.4 香木|詩

          自分ではそれとは知らず 周りにくゆる この香煙 思わせぶりとかずるいとか 好きに言われて途方に暮れて 目立たぬように匂わぬように いつしか色香を封印し 身を固める この苦痛 何度身体を洗おうと 帯できつく締めようと 漏れ出づるらんこの香気 いっそ縛りをするりと解いて 全てをさらけてしまおうか まとうこの香を振りまいて 皆にロマンを届けましょう 夢と 希望と 喜びを 躍動と 煌めきと 可能性を

          No.4 香木|詩

          No.2 共に歩む | 詩

          人が哀しんでいるのが つらい 人が怒っているのも いたたまれない どうしてみんなイライラしたり いがみ合ったりするのだろう ひと息ついて 半歩譲って 皆が平和であってほしい 理想に向かって一歩ずつ たゆまず歩んで いきましょう 一足飛びには行かぬから 遠くを見すぎず いきましょう 疲れたら休みつつ 時には誰かを頼りつつ ゆっくりあせらず いきましょう

          No.2 共に歩む | 詩