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「源氏の夢」 本多裕樹 詩

「源氏の夢」


何をそんなに悩むのか

人生のことを

何をそんなに悩むのか

人生のうまくいかないのか

そう、誰もが悩む人生

あなたの華が咲く頃に

日々の不条理も対面してくる昨今

君が好きだけど、

他に相手がいて、

何人もの異性の交流が私を悩ます

交際している女は数名

光源氏のごとく多淫な日々

もはや、まともとはいえず、限りなき愚者

しかし、真っ当な思考があって

それがあって、わずかな貞操観念が生きている

それが私の救いであった

幾人の女子があって、

それを眺める

足先から頭の上までじっくりと

趣味の豊富な可能性に、私は

限りなき、まともさをもって

その源氏の森を逃げるのであった

逃げた先には、安らぎもあって

夢は過ぎゆく

夜を紫式部と共にして

千夜一夜の物語を聞いていたのだった

夢はまどろみ、物語に消えていく

そんな、私を知るのであった

藤壺を思って、

その夜は闇に静かに消えていった

星が輝き、

星の一つ一つが物語となって

その星の一つ一つが私の愛人となったのであった

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