早瀬はづき

▶︎京大短歌 ▶︎Lagoon ▶︎第35回歌壇賞最終候補 ▶︎歌集評の修行中

早瀬はづき

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30首連作『カストラート』(第35回歌壇賞候補作品)

カストラート/早瀬はづき うらごえは帯を焦土にかえていく声帯という二本の帯を かんたんに干からびるから雄雌がない生き物は 塩きらきらと 断面が似ているだけで腎臓のかわりに瑪瑙はなりはしないね しろたえの負晶のはいった水晶をうすぐらいから玄関におく わたしの髪を侵していったこの雨がきみをぬらしてくれますように 調弦をすればそのあと手にのこる木のにおいごとひく二胡の弓 きみが生まれる前のひかりを受けながらねむったことをおぼえていない 恋人はわたしの墓標と思いつつ湯

    • 花野菜ネプリvol.01

      京大短歌・上終歌会の4人で結成された短歌ユニット『花野菜』のネットプリントvol.01を出してきました。 適当に思ったことや感想などを書きます。 穏やかな野火/武田歩 武田さんらしい、発見をベースとした歌が並ぶ一連。 武田さんの歌は発見を生み出すために認識をずらす手法が取られていることが多いが、今回の連作は発見自体に認識が含まれているような感覚がある。 京短ネプリvol.02の武田さんの連作より引用した。この歌は『革靴に身体の部位のほとんどは収まらないで』という発見を見

      • 京短ネプリvol.2

        京短ネプリvol.2が出ました。わたしは8首連作『海葬』を寄せています、ぜひ。 さて、宣伝はこれぐらいにして、ネプリの感想を書き殴ります。相互評欄短すぎて語りたいことぜんぜん語れなかった!!! (ちなみに相互評欄の語数を決めたのはわたしです、みんなごめんね。) いつでも/もやっしー 意識の偏りをテーマにした連作。 どの歌も、おおむね第三句が「じゃない方」へ視点を移すための意識の橋渡しのような役割を担い、結句で「じゃない方」へ完全に意識がシフトする、という型をとっている。

        • profile

          はじめまして!早瀬はづきと申します🍀 色々あってnoteへ帰ってきましたので、改めて自己紹介をしておきます! ざっくりと経歴 京大短歌所属。ほかに短詩ユニットLagoon(2022.04〜)、借景ネプリ(2024.04〜)、香水歌会(不定期)。 高校1年生のときに高校同期とノリで俳句をはじめたことをきっかけに短詩文芸に目覚めた。高校内でNYG句会という学校公認(?)の句会を主宰。高校3年生の夏に俳句から短歌へシフト。 『可逆』で第2回U-25短歌選手権予選通過、『カストラ

        30首連作『カストラート』(第35回歌壇賞候補作品)