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30首連作『カストラート』(第35回歌壇賞候補作品)
カストラート/早瀬はづき
うらごえは帯を焦土にかえていく声帯という二本の帯を
かんたんに干からびるから雄雌がない生き物は 塩きらきらと
断面が似ているだけで腎臓のかわりに瑪瑙はなりはしないね
しろたえの負晶のはいった水晶をうすぐらいから玄関におく
わたしの髪を侵していったこの雨がきみをぬらしてくれますように
調弦をすればそのあと手にのこる木のにおいごとひく二胡の弓
きみが生まれる前の
京短ネプリvol.2
京短ネプリvol.2が出ました。わたしは8首連作『海葬』を寄せています、ぜひ。
さて、宣伝はこれぐらいにして、ネプリの感想を書き殴ります。相互評欄短すぎて語りたいことぜんぜん語れなかった!!!
(ちなみに相互評欄の語数を決めたのはわたしです、みんなごめんね。)
いつでも/もやっしー
意識の偏りをテーマにした連作。
どの歌も、おおむね第三句が「じゃない方」へ視点を移すための意識の橋渡しのような