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是枝裕和 怪物

待ちに待った是枝裕和5年ぶりの日本映画。

それぞれの視点で揺らぐ人間と堂々とそびえ立つ街の対比。
人間というちっぽけな存在を極彩色豊かな炎、嵐、緑が優しくそして残酷に包み込む。

役者、脚本、音楽をはじめありとあらゆるマテリアルをエゴを出さず最大限に活かす術こそ是枝裕和最大の魅力。海外映画での製作を経てよりクリアで磨きがかかっていた。

近作舞妓さんちのまかないさんはどのシーンもほっこり安心して見られたが、今作は坂元裕二脚本でサスペンスフルの新境地。樹木希林を失ったが田中裕子を得たことも大きな財産。ゴキゲン取りの東京03角田は相も変わらず憎たらしい役回り。素敵な出会いが作品に新しい風を吹かせる。

普通とは何か。幸せとは何か。主観と客観の間に見え隠れする怪物。

問題は俺か?