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AIと学校教育

昭和に生まれてよかった


若い人を見ていると、その若さを羨む気持ちもありますが、逆に「昭和世代で良かった」と思うことも最近は良くあります。

自分のスマホを時々、投げ出したくなります。アプリだのなんだのはっきり言ってついていけないと思うし、デジタル補正の技術がどんどん向上してくると、写真でも音声でも、何なら動画も、何を信じていいのかわからない世界になりつつあります。
いちいち全てを疑わなくてはいけなくなれば、人間関係が分断されてしまうようなものです。

私が若い頃海外へ出ていたころは、日本にいる友人とのやりとりはすべて手紙でした。「エアメール」といわれる、それまた海外専用みたいな封筒でやりとりしていました。郵便受けを開けて、自分宛に手紙が届いているとそれは嬉しかったものです。
どうしても電話で話したい時は、高価なテレホンカードを買い、それで話せるたった数分の時間がとても貴重でした。
その頃、よもや、リアルタイムで、地球の裏側であってもタダでメッセージが送り合えたり、ビデオ通話ができる時代が来るとは、誰も予想していませんでした。
とはいっても、まだ30年前の話です。300年前の話ではありません。
平安時代は400年続いたといいますが、その時代に生きた人たちが生まれてから年老いるまでに経験した変化と、今の時代のそれとはまったく速度が違います。

世の中便利になったことは間違いないですが、今思えば、あの頃にはあの頃の良さがあり、私は強がりではなく、昭和の時代を経験できたことは良かったと思っています。

動画で学ぶ世代


ところで、最近の若い人はカラオケが上手ですね。ダンスも上手い。SNSとかで見かけることがあるのですが、私らが若かった頃とは全然レベルが違うと思います。
歌手(今はアーティストと呼ぶ)が歌うレベルも昔のアイドルとはぜんぜん違って、私らにしたら難し過ぎてとても歌えないものばかりです。音程も、リズムも、すべて。
ダンスなんてせいぜいブレイクダンスというのがいっとき流行ったくらいで、今の子達が踊るようなものはなかったし、そもそも一般人はダンスなんてしませんでしたよ。
いずれにしても素晴らしいことです。人類の進化かも知れません。

どうしてそのようになったのか…
その理由として考えられるのは、カラオケも技術進歩の中で、例えば採点機能などがついて、歌い方を細かく分析してフィードバックをしてくれたり、私たちの世代以上にさらにカラオケというものが日常化する中で、歌い方の「学び方が変化した」からです。

ダンスも、動画がいっぱいあって、それを繰り返しみながら練習できたり、あまりに多くの人が踊っているので多少難しそうに見えるものでも「私にも出来るのではないか」と思って、練習しているうちにやっぱり出来るようになる、そういうテクノロジーの進化による環境の違いだと言われます。

勉強も、昭和世代は、教わる相手は先生か家庭教師か、いずれもリアルな存在でしたが、今は塾でも、ネットでも、動画で学ぶらしいですね。
その方が自分に合った教え方をする先生を選べたり、わからない部分を繰り返し視聴することでノートとか取っていなくても復習できたり。

AIと学校教育


今の時代が「動画で学ぶ時代」だとすると、この先は「AIで学ぶ時代」だという話があります。
つまりAI先生です。AI先生は、あなたの得意不得意を理解して、個別最適化された課題を出してくれたり、いちいちコンピューターに文字を打ち込まなくても、「◯◯が知りたい」と口でいえば、その答えを探してきてくれるらしいです。
もう昭和世代からしたら、ありがたいというより怖くて近寄りたくないくらいですが。

もう嫌ですよ、はっきり言って。私の周りには「みんなでスマホを捨てて、昭和の時代に戻ろう運動をしよう!」と言っている人もいます。
でも、好む好まざるにかかわらず、この時代の流れを止めることはできません。

今後求められる「最強の人材」


AIが人間を超えるとか、人間社会がAIに乗っ取られるとかいう話があります。先のことがわかるようでわからなさ過ぎて、みんな大混乱です。
「造化の思想」なるものに走って、山にこもるひとも出てくるかも知れません。
こんな私でも「自然の中でゆっくりと生活したい」と思うことは最近良くあります。

しかし、今の子ども達、若者にとっては、避けては通れない話です。そういう時代を生きていかなくてはなりません。
この期に及んでは、AIを味方につけるしかないのです。
私も専門家ではないので良くわかりませんが、要は、「いかに時間を効率的に使うか」という話なんだと思います。
今までやっていた作業の中で、時間がかかるものでAIに任せられるものはそうして、空いた時間を他のことに使うということなんだと思います。
もし、そういう効率化で、みんなが週休2日ではなく、週休3日で働けるようになればそれは素晴らしいことです。

学校教育の文脈でいうならば、先生達は忙しいので、授業準備、テストの準備とかにAIを使い、その分、生徒と向き合う時間を増やすとか、人手不足を解消するとか、自分だけでは知らなかった色々なアイデアを探究するとか・・・
AIか人間かという話ではなくて、そういう「AIをうまく使いこなす人間」がつまり「この先の最強な人材」ということらしいです。

うちの先生達も、こういうテクノロジー系に興味のある人、ない人、得意な人、苦手な人、がいるのはわかっていますが、あえて、私も心を鬼にして、学ばせないといけないと思っています。

私は・・・農業とか学んだ方がいいかも知れません。(笑)
・・・マジでスマホ捨てたいです。

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