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在宅お母さん採用のすゝめ (上)

私が経営する会社では全ての従業員(約20名)が在宅ワーク(リモートワーク)を導入しています。そのうち9割が女性のスタッフで、ほとんどの方が子育て中のお母さんでもあります。
子育て中ですから、もちろんフルタイムでは働けず、時短で働いています。
私の会社では、この「在宅」「時短」という2つの制度を活用し、10期目にして過去最高益となり、現在11期目も増収増益となるの見通しです。

今回私がnoteを始めよう考えたのは、子育て中の方を始め、家族の介護をされている方など家にいることを余儀なくされている方に、社会で働く場所を少しでも増やしたいという想いからです。

キャリアやスキルがあるのに働けない

女性は、出産、育児のときに「社会から切り離された」感覚があるそうです。
自分のキャリアやスキルを活かせず、社会から切り離され、家にいることに危機感を感じている主婦は非常に多いと思います。
男性にはわかりにくいこの危機感は、働きたい主婦の方にとっては特に切実で、簡単に言い表せるものではありません。

「働けること」だけでモチベーションが高い

普通に働いている方の中に、働けることに感謝している方は少ないのではないでしょうか?
しかし、子育て中のお母さんたちは違います。働けるということだけで、他の方よりも働くモチベーションが高いのです。さらにそこに彼女たちのキャリアやスキルが活かせるとなると、もはや無敵です。
我々の組織ほど働くモチベーションの高い従業員で構成されている会社は非常に少ないと思います。

働くモチベーションが高いとどうなるか?

彼女たちは皆、仕事に対する責任感が非常に強いです。自宅で誰にも見られていない環境で仕事をしていますが、サボろうとか、手を抜こうとか、ズルしよう、などと考える方はひとりもいません。むしろ、そう思われないために必死で仕事を仕上げてくれます。
その仕事っぷりには、プロとしてのプライドを感じます。

人手不足、採用難の時代に、人に困らない

採用費、人件費が高騰しています。多くの企業でどれだけの採用費用を使っているでしょうか?
ひとりに対して数百万円など当たり前の時代ですが、そんな中で我々はほとんど採用費をかけずに、優秀な人材を採用することができています。
実は、この事に気づけている企業は少ないため、黙っていたほうが我々にとっては有利なのではとも考えました。
しかし、働くお母さんの自立支援、社会との接点を作ることをミッションに掲げている我々は、そのミッションを最大化したいと考えています。
そのため我々一社よりも、より多くの企業に我々の考えに賛同して頂くことが重要だと考えました。

働き方改革は形だけでは意味がない

では、在宅や時短を導入すればうまく行くかというと、そうではありません。
高い仕事へのモチベーションを持つ彼女たちですが、そのモチベーションを維持するために必ず守らなくてはならないルールがあります。それは「育児と仕事の両立」です。これだけは絶対に守らなくてはいけません。

この記事の冒頭のほうで、過去最高益だとか、増収増益などと書きましたが、決して在宅お母さんを採用するとそうなるとか、売上が上がるとか言いたいわけではありません。(気を引くために書きました、すいません!)
むしろ、在宅お母さんを採用する行為は、生産性向上が謳われる中で、それと逆行する可能性もあります。

本当に大切なことは何か?

もっとも重要なことは、「人の幸せ」をどれだけ大切にできるかということです。戦後経済優先で発展を遂げた日本ですが、今では経済的にも物質的にも恵まれた成熟社会となりました。テクノロジーもどんどん進歩しています。そんな社会になったにもかかわらず、毎年自殺者は約3万人もいて、児童虐待、格差の拡大、貧困、高齢化、孤独死、うつ病、などなど社会課題が山積しています。
これからの企業は、資本経済を優先し、ただ資本の拡大(会社の拡大)を目指しているだけは、人を幸せにすることはできないのです。

利用するのではなく、応援する

企業経営者の中には、在宅ワーカーの主婦を安くて使いやすいコマのように考えてしまう人も多いのではないかと思います。
在宅を余儀なくされている主婦の方は、とても謙虚に仕事をされます。実際に働いた時間より少ない時間を報告したり、勉強を支援するためのお金を受け取ることを断ったりするのです。
それはプロとしてこの程度ではお金を貰ってはいけないという彼女たちのプライドからくるものでもあり、仕事のブランクが大きい方ほどそれに負い目に感じている方が多いです。それを利用して安く働かせてしまうのは、まさに資本経済優先の考え方によるものだと思います。

私の会社では、働いてくれている従業員にとっての幸せを何よりも重視しています。会社を成長させるとか、会社を大きくすることは、そこで働くひとを幸せにするための一つの手段でしかなく、目的ではないのです。
とことん従業員が幸せに暮らせることを応援することができて、今度はその従業員から応援され、会社は成長できるのだと信じています。

できないという思い込みを捨てる

ここまでは在宅のお母さんを採用するための基本理念を書かせて頂きました。我々の会社の求人に応募してくれる方の中には、本当にこんなことが実現できているのかと半信半疑の方も多いです。
しかし、入社されて子育てをしながら、ひとりひとりが積極的に仕事に関わっている様子を見て、とても驚かれます
在宅お母さん採用のすゝめ(中)」、「在宅お母さん採用のすゝめ(下)」では、具体的に私の会社で在宅お母さんたちとうまく会社運営をしていくための取り組みをご紹介したいと考えています。我々の会社もまだまだ問題は山積しているものの、少しでも社会に貢献できればと考えていますので、うまくいっていることも、うまくいっていないことも、できるだけ赤裸々に公開できればと思います。
この仕事は在宅ではできない、直接会わないとできない、子育てをしながらでは無理という思い込みを一度捨てて、ぜひ在宅お母さんの採用に挑戦して頂きたいと思います。

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