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“ワーホリに行く”わけではないのだが、

フィンランド渡航まであと1か月あまり。
フィンランド大使館からは滞在許可カードが届き、気がかりだった序盤の滞在先も決まり、いよいよという感じがしてきた。
数日前から、一人暮らしの小さな部屋には、新しく購入した80Lのスーツケースが、まだ空のまま広げてある。

友人や仕事でお世話になった方々に、退職とフィンランド渡航の報告をする場面が増えるなかで、なんとなく引っ掛かっていることがある。
「仕事辞めた後はどうするの?」という問いに対しての、「ワーホリでフィンランドに行く」という受け答えだ。
「フィンランドに行く」だけだと、「観光」と捉えられる可能性が高く、「移住」というのもまた違うので、「ワーホリで」と付け加えるのが手っ取り早い説明として、いちばんわかりやすいのは確かなのだが、イマイチしっくりこない。

ワーキングホリデーというのは単なるビザの種類で、あくまでも今の自分にとって最も都合の良い手段でしかない。「ワーホリで」と言うと、「ああ、そうか」と納得してもらえることが多いのだが、実際にはフィンランドに何をしにいくかの説明には全くなっていないのだ。

わたしは果たして何が目的で、何をしにフィンランドまで行くのだろうか。この答えが見つけられないから、今のところは「ワーホリで」で誤魔化している。

嫌な予感がする。

フィンランドへの“恋”のお陰で、基本的には高揚感で満たされているが、ふとした時に気がついてしまう、今の自分のこの感じ。就活の時によく似ている。「やりたいことがない」という最大のコンプレックス。考えても答えは見つからず、落ち込むだけだということは自分自身がよく理解している。だからこそ、後先考えずに行動することをほとんど本能的に選んだ。でも、やっぱり、こうしてたまに暗い自分がひょっこりと顔を出す。

ワーホリ関連の記事を探していると、似た不安を抱えた同世代の記事が次から次へと流れてきて、同じ思いで行動する人がたくさんいることに安堵するとともに、自分の言葉も流れていく記事の一つにすぎないと思うとがっかりする。

へらへら、わくわくな自分と、就活生に戻ったかのような気弱な自分が、心のなかに同居している。この道を選んだのは自分。仲良く共存してもらうしかない。

“ワーホリに行く”わけではないのだが、
だが、何をしに行くのだ、わたし。

後に続く言葉が見つからない。



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