イチ(iCHi)

「彩りで、日常彩る」日々のエッセイを書いています/ 音楽、文学、ダンスなどなど...様…

イチ(iCHi)

「彩りで、日常彩る」日々のエッセイを書いています/ 音楽、文学、ダンスなどなど...様々な表現が好きなクリエイター/イラストレーター/保育士/HSS型HSP/Xジェンダー https://lit.link/ichio8624

最近の記事

すれ違いを経て

前回はおばあちゃんとお別れをしに大阪へと戻った時の事を書いた。 その時には本筋から外れるので書かなかったのだが、その中の出来事で書き切れなかった事がまだある。 告別式の次の日の朝、大阪へ戻る前に母親とモーニングを食べに出かけた。 今日はその時の事を書こうと思ったのだが、それより前に母との関係を書いたほうがいいと思ったので、そうすることにする。 皆さんは母との仲は良いだろうか。 子どもの時はよく話していても大人になるほど話す事が気恥ずかしくなったり、面倒になるという人もきっ

    • 慎ましやかで、ロックで

      先月、大阪にいた母方のおばあちゃんが亡くなった。 12月頭から寝たきりになって点滴で水分を入れてもらいながら過ごしていていつ何が起きてもおかしくはない状況だったので、当時は内心ヒヤヒヤしながら生活していたのだが、二ヶ月間しっかり生き切って皆に見送られながら空へと旅立っていった。 大往生だったし、私も生きているうちにきちんと会いに行けたので後悔なく見送ることもできた。 目まぐるしいここ数ヶ月だったが、この一連を通して人間の底力みたいなものを何度か感じた瞬間があった。 今日は

      • 今日から、再び

        あけましておめでとうございます。今更すぎるが、冬眠していたわけではない。28歳、爆睡はするようになったけれど。 どうやらnoteを書くのは半年ぶりみたいだ。気がつけば年が明けて3月を迎えていた。 年月が過ぎていくのはどうしてこんなに早いんだろうか。毎日を楽しいと思って生きているからだろうか。一週間ぐらいの感覚で過ごしていたらもう一ヶ月経っていたという事が年を重ねるほど増えている気がする。 保育園で仕事をして、ダンスで舞台に立って、イラストを描いて、音楽を作って・・・。色ん

        • 未来は楽しみですか

          自分の願いを叶えたいと思うことは誰しもあることだと思う。 私も自分のやりたいことを叶えるために、日々何をすればいいかを考えながら生きてきた。でも最近になって「誰かの願いを叶えたい」という想いも強くなってきたように思う。 私の場合、その相手は子どもたちである。 保育園に勤めて早6年。現在の職場に至っては4年目になる。 毎日、家族と同じくらい一緒に時間を過ごしている子ども達だが、いずれは別れがやってくる。 そして毎日、彼ら彼女らに内在しているものを知っていくたびに、どうかこの

        すれ違いを経て

          「君たちはどう生きるか」

          ※この投稿は核心に触れない程度の映画のネタバレを若干含んでいます。読む際はお気をつけください。 ついこの前、やっと観たかった映画を見にいくことができた。 スタジオジブリの最新作であり宮崎監督が約7年をかけて制作した集大成とも言える作品。衝撃的だったのはそのタイトル。 「君たちはどう生きるか」 青サギの顔だけが映ったそのポスターと共に上映されることが公開数日前になってしれっと発表され、突如として現れたその映画に各地の映画館が当日から賑わっていた。 SNSやラジオで聞いている

          「君たちはどう生きるか」

          変化を急がなくてもいい

          街中へ出かけると、職業柄ついつい子どもを見てしまう。そしてご両親がどんな声をかけているのかなんかも見ていたりする。 大体が微笑ましい場面なのだが、時たま子どものイヤイヤが止まらなくってどうしようもない場面なんかにも出くわす。 日頃から疲れが溜まっていて怒りをぶつける方もいれば、気持ちを丁寧に受け止めようとする方もいたり、人間だからその姿勢も様々だ。 私は保育園という限られた場所でしか子どもと関わることがないが、家族ともなれば朝も夜も時間を共にするんだと思うと、仕事をしなが

          変化を急がなくてもいい

          持てる者、持たざる者

          保育園で子どもがおふざけをするシーンに出くわすことが何度もある。危なっかしい子は喧嘩に発展しかねないので目を光らせているが、中にはまだ周りが見えてなくてふざけている子もいるので、その光景が微笑ましいあまり笑ってしまう事もしばしば。 もちろん話を聞くべき時にしているおふざけは注意するのだが、側から見ていて愛され上手な人って本当にそういう力が元から備わっているのかなと思うくらい、何かあどけなさが溢れ出ていてつい注意するのを忘れそうになる。 生まれたばかりは沢山愛してもらえるけ

          持てる者、持たざる者

          何を選ぼうかな

          この前、何かしらの書類を書いた時のこと。何も考えず自分の年齢を「26歳」と書き込んでしまった。 「いや、間違えた。28歳やん」と独り言を言いながらもう一枚書き直した。 年々自分で自分にツッコむことが増えている気がする。 単純に老いかと思った。 でもそれと同時に、「あ、私って自分の年齢、あんまり認識しながら生きてないんかも」ということに気がついた。 アラサー、アラフォーといった言葉、「もう〇〇歳やし」といった年齢という基準で何か一区切りしようとする風潮、ただの数字なのになん

          何を選ぼうかな

          どうしても叶わないこと

          この前、保育園で少し早い夏祭りがあった。 昨年や一昨年はコロナ禍だった事もあってお祭りは秋へと持ち越しになり、例年とは違う形での開催だったので、ようやくこれまでの状態に少しずつ戻りつつある事を感じている。 年長だけが作っていたお神輿を今年は3歳児から5歳児まででチームに分かれて作っていたのだが、そのお神輿がとても素敵で。 私自身はとりわけ何をしたわけでもないのだが、過程を見ていただけに子ども達の頑張って作っていた姿が頭に浮かんで、とても微笑ましい気分になった。 屋台も例年

          どうしても叶わないこと

          最近の変化と学び

          今日は大人になってから感じた私の変化について書こうと思う。 ズバリ、「引きがすごい」ということだ。 語彙力のなさが際立つが、あえてこのような書き方をしている。 本当にあれよあれよとこの数年間で色んなものを引き寄せてくる自分の纏う「見えない何か」に、自分で怖いと思っているくらいなのでこんな過剰な表現の仕方をしている。 私は学生時代が終わって社会人2年目が終わるまでは、本当に気分の波が激しく、しょっちゅう病んだり昂ったりを繰り返していた。 HSS型HSPだという事がまだわかっ

          最近の変化と学び

          公式ショップオープン!

          先週からnoteを更新できておりませんでした。 というのも、とある準備の方に注力していたため、なかなか文章を描く時間を設ける事が難しかったのです…。 ですがこの度、お陰様でようやく自身の長年のやりたかった事が一つ叶いました。 5月2日より、BASEにてiCHiのオリジナルグッズのショップがオープンしました! ⁡ 5年前のイラストレーターとして活動当初から変わらない「彩りで、日常彩る」というコンセプト。 それらを軸に「日々の暮らし」をモチーフにした、グッズのための描き下ろしイ

          公式ショップオープン!

          誰かになろうとするよりも

          自分という存在がどうしようもなくて、それに相反するように周りが煌めいて見える時は誰にでもあると思う。 あの人になれたらな、と思う時だって。 私もかつてはその一人だった。 学生時代は特に、誰かに噂されいじられては自分自身にコンプレックスを抱いて、「なんてしょうもない人間なんだろう」と落ち込むことばかり。 なよなよしている雰囲気、どこを見ているかわからない目や骨張った体、小学校2年生からある白髪、消え入るような声のトーン、体育で疫病神扱いされる運動神経のなさ…。 いくらでも欠点

          誰かになろうとするよりも

          縁の下の力持ち

          外を散歩している時に曲を聴こうと携帯を取り出した時のこと。 ライブラリを漁ってみるけれど、J-POPが聴きたい訳じゃないし、かといってエレクトロで上がりたい気分ではないし、心穏やかになるようなアンビエントな曲に浸りたい訳でもない、ポッドキャストやラジオもちょっと違う。 そんな時に大体聴いているのは吹奏楽だ。 私は中学生の頃から10年の時を吹奏楽部で過ごしてきた。 そのおかげで吹奏楽曲だけでなくオーケストラやピアノ曲、ジャズなど幅広いジャンルを聴くようにもなった。 原曲を聴

          縁の下の力持ち

          言葉の純度は何%

          この前保育園の園庭で遊んでいると、ある女の子が地面に落ちた花びらを見て「先生見て!春がいっぱい落ちてるよ」と言ってきた。 私はあまりにもその表現の仕方が素敵だったので、「すごく素敵な言葉!本当だね、春がいっぱい落ちてるね。他に何か落ちてるかな」と一緒に春探しをしてみた。 桜の花びらはもちろん、目覚めた虫たちもモゾモゾ這い出してくる季節になった。 そうやって普段、子どもと季節の変わり目を感じられる事に私は喜びを覚える。 こんなふうに子どもたちの感性に思わず感嘆してしまう事が、

          言葉の純度は何%

          自然回復はもう使えない。

          体力の消費量がいよいよ大きくなっている事に最近気がつき始めた。 去年までは全くそんなことなかったのに、今年に入ってからエネルギーを使うという事に対して体の応え方がすごく正直になった。 昔は体力が瀕死直前の赤ゲージまで減っても、自分自身である程度まで回復できていたから何事もなかった。 ポケモンでいうところの、毒や麻痺状態を自然に回復したり、ボールに戻ったら体力が回復するような特性が備わっている感覚。 でも、最近その特性が失われてしまったのだ。なんか勝手に体力が減っていく特

          自然回復はもう使えない。

          明日やろうは馬鹿野郎

          この前保育園でお当番の時間に入っていルト、ある子どもたちがキャッキャしながら部屋の一角ではしゃいでいた。 子どもたちは絵本や歌など、言葉の響きで一度ハマるものがあるとしばらくずっとそれを言い続けている。 大人側が「もうええて」とツッコミを入れてもやめる気配などない。そして美味しい部分が全て無くなった途端に「どうしたん?」とこっちが拍子抜けするくらい飽きて、新たなエサを探しにゆく。 その子たちに近づいてよく耳を澄まして聞いてみると、何とも元気な声で「明日やろうはバカヤロー」

          明日やろうは馬鹿野郎