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高慢と偏見(ジェイン・オースティン)読書感想文

 ちょっと身分の低い少女が、身分の高い地主の青年と結ばれるまでを描いた作品。シンプル過ぎるストーリーだけど、語り口が軽妙なので、そのテンポの良さでどんどん読み進められる。
 加えて、登場人物たちもとても魅力的。冷静だけど皮肉屋なベネット氏。噂好きで癇癪持ちのベネット夫人。美人で優等生タイプの長女ジェイン。賢くて、言いたいことをズバズバ言う次女のエリザベス(主役ね)。読書好きで無愛想な三女のメアリー。自分がなく、何色にでも染まる危うい性格の四女キャサリン。頭が空っぽで年がら年中発情している末娘のリディア。この一家を中心に物語が進んでいくんだけど、それ以外の登場人物たちもとにかくみんな個性的。今風に言うと“キャラが立ちすぎ”ってヤツ。個人的に海外小説の登場人物は覚えるまでにかなり時間がかかるんだけど、ここに出て来る人たちはわりとすぐに覚えられた。ちょっと「大草原の小さな家」みたいな感じもある。
 さておき、オースティンの作品を全部読みたくなるほど「高慢と偏見」は面白かった。

 んで、ここからは個人的な、最近の出来事。友達に英国籍の女性がいるんだけど、彼女に「『高慢と偏見』を読んだよ」と伝えたら、アッハッハと大笑いされました。聞けば、イギリスではこの小説、十代の女の子が目をキラキラさせて読むような本なんだとか。なんだろ、日本でいえばジャンルは違うけど「ガラスの仮面」とか「セーラームーン」みたいな感じなんだろうか(笑)
 日本では「読むべき海外古典小説」みたいな感じでカフカやドストエフスキーと同じような扱いになってるけど、本国だとちょっと違うのかな? まあ、それでも面白いものには変わりないので、またオースティン作品にトライしてみたいと思います。

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