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ハマスって、そもそも何?【ゼロから学ぶ国際情勢解説】


 現在、イスラエルが壊滅を目論むパレスチナの組織・ハマス。

 このハマスとは、一体どういった組織なんでしょうか。

 今回は、このハマスについて、分かりやすくまとめてみました。

イスラエルの生存を否定

 ハマスは、1987年、ガザ地区を中心に創設されました。イスラエルの生存を否定しており、武装闘争によるイスラム国家樹立を目的としています。

 その名前は、「イスラム抵抗運動」を意味するアラビア語の頭文字をとったもので、「情熱」という意味の単語にもなります。

 ハマスは武装組織ではあるんですが、2005年9月、ガザ地区内に学校、医療施設等のインフラを整備するなどして住民からの支持を得て、2006年1月の議会選挙で過半数の74議席を獲得。

 パレスチナの自治政府を担う「パレスチナ解放機構」(PLO)の主流派「ファタハ」との連立政権を発足させました。

 そうして内閣を主導していましたが、2007年6月、なんと「ファタハ」に攻撃を仕掛けます。その結果、ガザ地区を武力掌握し、同内閣は解散されました。

パレスチナ内でも分裂

 2014年6月になると、パレスチナ自治政府との統一内閣樹立を宣言しましたが、ガザ地区については、内閣ではなくハマスが統治を継続したため、結局2015年6月に同内閣は解散しています。

 2017年10月、今度はエジプトの仲介の下、ハマスはパレスチナ自治政府との和解協定に調印しました。ですが、同年12月に予定されていたガザ地区の行政権限移行は延期になり、これもまたうまくいっていません。

 いま、パレスチナはガザ地区をハマス、ヨルダン川西岸をパレスチナ自治政府が統治しています。

イスラエルと軍事衝突を繰り返す

 ハマスは、たびたびイスラエル軍と軍事衝突を繰り返しており、民間への犠牲も多く出ています。

 そんななかでも、今年10月7日に行われた今回のガザ地区へのイスラエル軍の攻撃は衝撃的なものでした。

 ロケット砲撃を何千発と撃ち込んだ上で、イスラエルに兵隊を送りこみ、現地に住む人々を人質として誘拐したんです。

 イスラエルも油断していたわけでは決してないでしょうが、隙をつかれたようです。

 この攻撃にイスラエルは激怒し、ハマス壊滅を目指していまガザ地区の病院まで攻撃するような真似をしています。

 一度始まってしまった戦争を止めることは、とてつもなく難しいことは歴史の通りです。

 それでも、一秒でも早く暴力が止まることを願って止みません。

次回は、「パレスチナは国じゃない?」について解説します。


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