「ブリッジ」と「前腕」と「スクラムの姿勢」と。
1月末にあるセラピスト、トレーナーの合宿がある関係で今「ブリッジ」に挑戦している。
普段臨床をしていて「肩疾患」を見る機会は比較的多いのだが、
ブリッジの挑戦において気づきが多かったので共有したい。
みなさんは慢性肩疾患を見るときにどういう介入をするだろうか?
私は慢性の肩疾患となると特に肩甲骨周囲の動作不良や、その動作不良を作っている筋の硬さなど、肩甲上腕関節(以下GH)そのものというより、GHの動きを不良にしている原因を確認することが多い。
具体的には
・「肩甲骨の内転動作」やそれに伴うエラーパターン
・腋窩周囲にある筋の硬さ
などは特に確認する。
自分は両肩が脱臼の既往歴もあるが、日常特に肩で困っていることはない。
だがそんな自分もブリッジを実際にやってみるとこんな感じになる。
2021年11月頭くらいのブリッジ。
30歳になるが思った以上に「胸椎の硬さ」「上腕三頭筋の硬さ」「僧帽筋の弱さ」(弱さというより収縮のしづらさ、といったほうが正しいか、、、)を感じる。
全く綺麗にできない。
これが老いか、、、。
冗談はさておき、自身に対しての評価は
「胸椎の硬さ」「上腕三頭筋の硬さ」「肩甲骨内転の弱さ」で概ね良いと思う。
肩甲骨内転運動の難しさ
自分でストレッチなどしながら改善のためチャレンジするがなかなか肩甲骨の内転を感じるのは弱い。
臨床していても肩甲骨内転運動に代償動作が認められる例は多い。
・僧帽筋上部で代償したり
・いわゆる「腰をそる」という動作になったり。
自分の場合は特になかなか肩甲骨の内転をターミナル(最終域)で感じるのが難しいのでご相談させていただいたところKouさんにある器具を教えていただいてそれを用いてやってみると肩甲骨の内転が入りやすいのだ。
それが「これ」
知ってる人からすればただのピラティスブロックなのだが、これを用いることによって手指を屈曲位にすることで(伸展強制しないことで)一時的ではあるが前腕の硬さの影響を無視できる。
これを使ってみるとそれなりに肩甲骨の内転がやりやすい。
こうしてやってみることで思った以上に「肩甲骨の動き」というのは前腕に拘束されていた、ということに気づく。
「そんなの当たり前じゃん」と言われそうだが、
改めて実際に自分の体でやってみると気づくことも多い。
普段の臨床において姿勢を評価項目とすることが多いが、改めて「評価項目が正しいこと」とまた「強度を上げて良いこと」に気づく。
「強度をあげないと入らない(収縮しない)」といったほうがわかりやすいだろうか?
今回の場合は肢位をCKCで手掌〜前腕を固定し、さらに負荷をかけないとなかなか内転が入らないというのは実感としての気付きだ。
この肩甲骨の内転動作。
いきなりブリッジからでなくてもWallTackbalanceなどの種目もある。
スポーツ選手など、若い人には運動の選択肢にあがる。具体例をあげよう。
ラグビー選手の場合
例えばラグビーの場合ヘルニアの術後の症例。
ポジションはプロップ。
ヘルニアになってしまった原因としてはいろいろ挙げられるが、今回は胸の高さのレベルで起こっていることを考えてみる。
ラグビーの特徴であるスクラムは1対1で押し合う。
このとき脊椎がニュートラルに保たれていることが重要と私は考えているのだが、このとき胸椎レベルでキープできないと胸椎が屈曲し、つぶれ、腰椎レベルが過伸展し、骨で耐えようとすると腰痛、ヘルニアへとつながる。
実際にこのヘルニアに至った症例にWallTackbalanceをやってもらうとまったくできない。
実際にスクラムの姿勢を模してとってもらうとこの通り。
「自分なりにスクラムでとるいい姿勢をとってみて」という声かけだ。
もちろんスパイクでないし、足の滑りを無視はできない、台が低い、などはあるが、目の前で気になったのは手の位置を全く変えようとしないこと。
このままスクラムを組んでも僧帽筋が胸椎レベル、胸郭ユニットを維持できず、腰の負担が増大するのは想像に難しくないだろう。
そんな私も自分なりに試してみてブリッジはこうなった。
様々なトレーニング動画が今はあるが、他の運動のつながりに気づくことができる。
今回は自分の課題でもあったブリッジを取り上げた。
是非肩疾患をみることの多いセラピスト、もちろんそうでない人も、一度「ブリッジ」に挑戦してみてほしい。
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