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今年も開催、シンポジウム!一緒に若者の声を聴きませんか?

今年のテーマ(サブタイトル)は「働くことの”あれこれ”」

毎年恒例の一般社団法人 日本キャリアパスポート協会主催のシンポジウム。今年も指導教授だった児美川孝一郎先生のご著書『自分のミライのつくり方』(2021、旬報社)第3章「働くって、なんだ!?」をヒントにテーマを決めました。

多くの学生は、大学卒業後は働く環境に移ることが多いし、大学院に進んでもいつかは働く立場になります。アルバイトやボランティア、インターンシップなどで社会と触れることは多くなっても、立場や意識も含めて「社会人になる」というのは、ほぼ初めての経験ですよね。そんな学生たち、就活や社会人になるということを恐ろしいもの、不安案件と捉えていることが多いです。

働くことを怖がるいまの学生は、けしからん!?

これまで学生の相談業務や授業内で寄せられた不安や悩みは、10年近くこの仕事をしていてあまり変わっていないのではないかという印象を持ちます。

今回のシンポジウムに先立ち、せっかくだから担当するクラスの学生に訊いてみようと、「働くこと」に対する希望や期待、不安や疑問があれば教えてください、と尋ねると、じつに8割を超える学生が「働くことへの不安」を書いていました。

・もし入った企業がブラック企業だったらどうしよう
・人間関係で挫折してしまわないか心配
・どんな資格をとれば就活に有利なのか
・これといった強みも経験もしていないので、採用してもらえないんじゃないか

コロナの影響もあって「働くこと」に関するさまざまな捉え方を知る機会が圧倒的に少ないうえに、情報過多な時代。とりわけ「こうじゃなきゃ(〇〇力がなければ)就職できないぞ」という脅しにも捉えられる情報にばかりいきあたるのが現代でもあるなと感じています。

昔から言われている「最近の若者は…」と目くじら立てる気持ちもわからなくないけれども、その前に考えておきたい前提があります。

学生や若者に、アドバイスしたいのもよくわかるけれど…

このシンポジウムがコロナによってZoomのオンライン開催となった1回目の頃、チャットには学生や若者たちに何かアドバイスしようとするオトナたちのコメントで埋め尽くされました。目の前の不安を抱える若者たちに、何か自分が役に立てることがないだろうか…と思う気持ちはとても尊いものです。

でも、私たちがみている社会、経験や思い出を取り囲んでいる社会と、学生たちが見ている社会、これからを過ごすことになりそうな社会は、多分同じではない。

「大丈夫だよ。とにかく何かやってみれば」「経験を積めばなんとかなるよ」とオトナに言われても、「そうだね」と思える若者はどれだけいるのでしょうか。たとえ、その結果「はい、わかりました!」と彼らが笑顔で答えたとしても、本当にその一言で不安が消えて行動に移せるのでしょうか。

むしろ逆ではないかと感じます。本音を訊かずにアドバイスをすると、学生たちは作り笑顔でとりあえずの回答をして静かにその場を去る。そして「わかってもらえなさ」がプラスされて、さらに不安を募らせる学生はそう少なくないでしょう。

高等教育機関で学生に関わるものとして、私たちはどうあればいいのか

私の院生時代の同期(キャリア教育科目担当教員)が、「ああここでアドバイスしたい。一言言いたい…と思っても、歯を食いしばって言わないようにしている」と言っていました。私も同感です。つい言いたくなってしまうんですけどね(笑)、あまり言わないように心がけています。高等教育機関で学生に関わる者として、持っておきたい姿勢でもあります。

今回のシンポジウムは、私も10年以上関わってきた大学生のキャリア形成支援者として節目となるシンポジウムでもあります。毎年ながら、学生たちの本音にただただ耳を傾けたいと思います。

今年のシンポジウム情報

(開催概要)
◆日 時:2022年 10月 30日(日) 13:30~15:30(終了予定)
◆配信方法:Zoom   ◆募集人数:200名程度
◆参加費:チケットA …無料
     チケットB …ブックレット『キャリア教育のホント』つき 10名…680円 (10/11現在、残5)

◆申込サイトURL:https://jcpa-symposium3.peatix.com/

◆シンポジウムサイトURLhttps://www.career-passport.net/シンポジウム2022/

プログラム概要:
趣旨説明… 児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部 教授・当協会理事)
第1部 若者たちは何を考えている?
第2部 社会人(オトナ)たちはこう考える
対話を振り返って… 児島 功和 先生(山梨学院大学学習・教育開発センター 准教授)&児美川 孝一郎

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