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学びの旅

自分が学んでいることに疑問を持つことは、知識の探求において重要なステップです。教科書に書かれていること、先生が教えてくれること、これら全てが絶対的な真実であるとは限りません。私たちは、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、批判的に考え、自らの経験をもとに自らの頭で考えることが求められています。しかし、このプロセスは容易ではありません。疑問を持つことは、しばしば不安や混乱を引き起こし、学びの旅において孤独を感じさせることもあります。

「自分はまだ理解できていないから、学校で教わったことだけを教える。それが自分にとっての誠実さだ」と語る同僚の言葉に、私は深く共感しました。確かに、教わったことを忠実に伝えることは、一種の誠実さかもしれません。しかし、それだけが誠実さの全てではないと私は感じています。自分自身が納得し、理解し、実感を伴っていなければ、伝えることの意味は薄れてしまうのではないでしょうか?真の誠実さとは、ただ情報を伝えることではなく、その情報を自分自身のものとして消化し、理解し、そしてそれを他者に伝えることにあるのではないかと思います。

私がある先生から学ぶようになったとき、その先生の言葉の意味を全く理解できませんでした。何とか理解しようと、これまでに得た知識や、他の先生から学んだことを総動員しても、先生の教えの真意は掴めませんでした。「つまり他の先生が言っていた〇〇のことでしょうか?」と質問しても、先生は「私はそういうことを言っているのではない。私は他の先生ではない。あなたは私の話をただ聞くことができていない。ただ話を聞いてみなさい。そして、自分自身でその話が本当かどうかを長期にわたって実験しなさい。私が言っていることが本当かどうか、私を信仰したり、私が正しいと思い込まずに、やってみなさい。そのために、私からだけでなく、他の先生から学ぶことを一度やめなさい。そして生徒から学びなさい。生徒に教えてもらいなさい。生徒が1番の先生です」と言いました。

このアドバイスは、私にとって衝撃的でした。私たちはしばしば、権威ある人物や教科書に書かれた内容を盲信し、それが真実であると仮定してしまいます。しかし、真実は一つではなく、多くの場合、個々の経験や実験を通じて見つけ出すものです。私は、先生の言葉を信じるのではなく、自分自身で考え、試し、そして学ぶことの重要性を理解し始めました。

私は、著名な先生にお願いしていた勉強会の主賓を降り、個人的に他の先生に学びに行くことをやめました。そして、自分自身で考え、実験することの大切さを実感しました。教わったことに依存するのではなく、自分自身の経験を通じて学ぶことが、真の学びであると気づいたのです。

この取り組みを始めた当初、私は先生に集まっていた人たちと、先生との関係に大きな価値を見出していました。私たちは同じ目的を共有し、知識を深めるために集まっていたのです。しかし、私が学びかたを疑問視し始めたとき、その関係は徐々に変化しました。かつて友人だと思っていた人たちは、私の疑問に対して理解を示すどころか、距離を置くようになりました。私たちの間には、学びかたや学びの内容についての意見の不一致が生じ、やがては会話する機会すら失われてしまいました。

しかし、その一方で、新しい生徒たちが私のもとに集まり始めました。彼らは私の疑問に耳を傾け、共に探求する意欲を持っていました。私たちは、先生の教えを盲信するのではなく、それを基に自分たちの理解を深め、新たな体験を共有し合いました。徐々に、私の周りには、話が食い違わない生徒たちが増えていきました。

この経験から、私は重要なことを学びました。それは、教師や教科書の言葉を信じることが目的ではなく、自分自身の興味と疑問を深め、それを共有する仲間を見つけることが学びの本質であるということです。私は、先生に認めてもらうことを目指していたわけではなく、自分が興味を持ったことを深めていく中で、真の学びの仲間、つまり生徒を得たのです。

学びの旅は、私たちが自分自身と向き合い、内なる声に耳を傾けることから始まります。それは、自分だけの真実を探求する冒険であり、その過程で得られる洞察は、私たちの人生において計り知れない価値があります。私たちは、教科書や講義から得た知識を基に、自分自身の経験を積み重ね、それを通じて世界を理解しようとします。

私が新しい生徒たちと共に学びを深めていく中で、私たちの間には互いに刺激を与え合う強い絆が生まれました。私たちは、体験を共にしながら航海しています。このような共同体は、私たちが直面する困難や挑戦を乗り越える力を与えてくれます。

そして今、私は新たな理解と共に、学びの旅を続けています。それは大抵においては分かっていなかったと知ることなのですが、この旅は私たちにとって、自己発見と自己実現のプロセスです。

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