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【本紹介】美馬 のゆり:AIの時代を生きる 未来をデザインする創造力と共感力

□紹介する本

AIの時代を生きる: 未来をデザインする創造力と共感力 (岩波ジュニア新書 941)
美馬 のゆり (著), 2021/10/22
岩波書店

□ノート

AIの時代において、私たちはどのような目的を持って進めばよいか、より近代的な視点から考える。

・科学者、エンジニアは手を動かしながら、モノを作りながら未来を直接作る。
・文豪、作家は想像した未来を文にして描く。未来への啓蒙も役割に含む。

AIの多くは共通知、集団知を提供する。
—>個々人の立場や経験を反映しない。
—>相手の立場になって考えられる共感性がより人間らしい能力である。
—>以下の社会実現を目指す。
・care with、共にケアしあって進む社会へ。
・creative empathy intelligenceを高める。すなわち共創。(sympathyは同情であり、感情を理解するだけで、立場を理解しようとはしていない。)
・互いにケアし合いながらできる範囲のペースで進む社会へ。

・幸福指標は自分で作る
https://www.oecdbetterlifeindex.org/
日本 https://www.oecdbetterlifeindex.org/countries/japan/

・新しい教育
風邪ひきを増やす教育をやめる。
(権威、文科省が決めた必要とされる、風邪ひきとなるための指標を高めるのではない)

社会活動の中で自分、他者の得意、才能、特性を見つけて、それをさらに高めて、活かし合う。
つまり、指標を独占した誰かが、常に他の誰かの上位互換ではないことを認める。

LLMおよび他者との対話の中で、新しいもの、知識を作り出していく。
その中で自らの有能さに気づいていく。

・評価の変化
これまでの
求められたことを習得したかどうか、
ではなく、
自分や他者の良さに気づき、よりよくなろうとしているか、
に変化。

・現在の教育、社会構造では
以下の問題が深刻だ。

『渡邊美希子の母です。あの子がいなくなって考えたことがあります。それは、誰もが自信を持って生きていける社会があって、精神的に強くて優しい人が多ければ、こんな事件は起こらなかったのでは、ということ。』

京アニ放火殺人事件の遺族の壮絶な経験より

この解決につながる教育こそが、創りながら成長して、強みを見つけ、研鑽することだろう。

・フォアフォレキャスティング
ただ現在を進み、未来を作る

・バックフォレキャスティング
理想の未来から現在することを探る

・20年後何してるか?
頭も身体も鍛え続けて、好きなことを駆け抜ける。楽しいことに没頭し、他人を助けている。具体的にはより高度な知識、知能を持ち、身体性も強化され、より良い個人になる。共感的知性をもち、AIと共に進化している。

*まとめ
未来を作るのは生きている私たちであるから,私たちが描いたような社会になる.AIはその強力なサポートを提供する.1人ひとりが他者との比較や妬み,嫉妬から解放されて,(動詞として)やりたいことを行なっていられる,自分の可能性を信じ続け,有能さに気づけるような,社会になると信じれば.これを綺麗事と片付けないことが大事だ.

#読了日
23/07/10


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