大切にしていること1:リサーチをする

神戸にあるデザイン事務所「INDES」が
仕事のなかで大切にしていることを書いているnoteです。
ひとつめはリサーチのおはなし。

***

先日、淡路島のお土産の
パッケージデザインのご依頼をいただきました。

今回無事発売することができたので
どんなお仕事を、どのように進めさせていただいたかを、
一部ですがnoteに記録することにしました。

淡路島はわたしも大好きな場所。
神戸から近くて、三宮から30分もあれば
島に上陸できるのに
世界最長の吊り橋である
「明石海峡大橋を渡る」という
行動が間に挟まるせいか
ちょっとした旅行感が味わえるところがお気に入りです。

加えて自然も豊かだし食べ物も美味しい。
海が見えるから開放的な気持ちになる!
いいところばっかり。
淡路島きらい っていう人、見たことないです。

お仕事の内容

今回の場合、下記は決定事項でした。

・商品はラングドシャ
・淡路島の藻塩を使用する
・パッケージには缶を使用する


したがってわたしたちの仕事は下記になります。

・パッケージデザインをどんなものにするかを考える(缶を使うのは必須)
・お菓子のネーミングを考える
・使用する紙を決める


さて、内容が決まったらさっそくプロジェクトが始まります。

リサーチに行く!

わたしたちは、さぁ始めましょう、と言って
すぐにデザインに着手することはほとんどありません。

まずはさまざまな場所に出向きリサーチすることがほとんど。
まずは実際に売られる場所の下見に行くことにしました。
いざ淡路島の人気サービスエリアへ。

↑これはその日にサービスエリアから撮影した写真。
誰かに見せる予定もなかったため、ピン甘いです。。。

サービスエリアで確認したかったことは
・一緒の場所で売られることになる他のお土産がどのような商品か
(デザイン・内容等)

これは必須です。
せっかく作ったものが、先発商品に万が一似ている、
なんていうことがあった場合最悪です。
クライアントさんにも、先発商品を作られているメーカーさんにも
迷惑がかかってしまいます。
わたしたちは、とにかくいつでも
「今現場にないもの」
を作ることを心がけます。

・お客さんが何をどれくらい購入しているか
こちらも大切。
この日は5台のレジがフル稼働。レジの前に5本の長蛇の列が。
そのレジの付近に立ち、
・それぞれのお客さんの年齢と性別
・カゴに入っているお土産はどんなものか
・一人あたり何円分くらい購入しているか

このあたりをそっと、観察させてもらいます。

さきほど「今現場にないもの」 を作ることが重要だと書きましたが
奇をてらいすぎて、響かないものを作っては全く意味がありません。
皆さんがどのような物を求めているか
(デザインは可愛いものが受け入れられているか?
それとも高級感のあるものか?など)
をしっかりと把握したうえで、
ある程度きまった範囲で「今現場にないもの」をつくることが大切だと
わたしは考えます。

2時間ほど滞在しこの日のリサーチは終了。
また、この日は日曜日だったため、客層が偏らないよう
平日に時間帯を変えて同じことを行いました。

お客さんの行動を考える

商品が販売される淡路島のサービスエリアを見に行ったあとは
三宮駅構内・新神戸駅構内・ハーバーランド、Umie、mosaicの
お土産屋さんを見に行きます。
淡路島以外のお土産屋さんを見に行くことは
「お客さんの行動を考える」と必須であることが分かります。
淡路島のサービスエリアでお土産を買う方は、
「四国から本州に訪れて、帰りに休憩がてら買い物をする」
「関西に遊びに来て神戸と淡路島に訪れる」など考えられます。
神戸周辺の観光をしている可能性が高いため
三宮や神戸周辺でお土産をすでに買った人でもこれなら欲しいな
と思える商品をつくる必要がある
ということになります。
神戸周辺もできるだけリサーチしておきます。
さらに大阪・京都まで見に行くことで
「淡路島の魅力」が俯瞰で見られるようになります。

余談ですが…
お仕事をしていると「とにかく急いで作ってほしい」と言われることがあります。(最近はほとんどありませんが…)
デザインの実作業の時間は短縮するのは難しいので
その場合、このリサーチの時間を削る場合が多くなってしまいます。
ですが、本当はこのリサーチはデザインと同じか、
もしかしたらそれ以上に必要な作業だと考えています。
「時間がかかってもいいから良いものにしたい」というお仕事のほうが、
良い商品開発ができる場合が多いです。

***

今回はお仕事の前にかならず行うリサーチについて書いてみました。
これからも大切にしていることをすこしずつ更新予定です。



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