バックグラウンドとは、
背景、遠因、経歴、出自などの
意味を持つ英単語である。

ある人物を知っていると
いうことは、その人物の
バックグラウンドを
深く知っているということを
意味しているのである。

その人物が、どのような
生い立ちであり、どのような
人生を歩んできたのか。

これを知ることなしに、
その人間を知っているとは
言えないわけである。

そういった大事なことを
語り合えない関係の中で、
和を重んじるとか、お互いを
思いやるとか、本当の意味で、
そのようなことはできないので
ある。

だからまず、他人を知る前に、
自分を深く知る必要があるわけ
である。

自分の出自を知り、ご先祖の
生きざまを知り、両親が
どのような生い立ちで懸命に
生きてきたのか。

これをありのままに知る必要が
あるわけである。

なぜならば、もし、
自らのバックグラウンドが、
秘密めいていて、偏見に満ちていて、
墓まで持ってゆく秘密を
後生大事に抱えているならば、
健全な家族関係など
築くことができないのである。

そして、そのような家族関係
を放置したままでは、
社会において、健全な人間関係
など築くことができないのである。

だからまず、自分のバックグラウンドを詳細に調べ、善きも悪きも、
それらをありのままに受け入れようと
努力するのである。

そうすれば、一見受け入れることが
できない他者も、そのバックグラウンドに着目し、やがては、受け入れることができるかもしれないのである。

このように、他者との健全な人間関係は、家族との健全な人間関係から生まれるのである。

それゆえ、両親、ご先祖の生きざまを調べる、知る、学ぶ、そして受け
入れる。

そのような学びが、人生のどこかの
時点で、必要なのである。

そういう学びは、自分を深く知ることとなり、それが、他者理解に
つながるわけである。

なぜならば、他人は、しょせん
自分の鏡であるからである。