・△

文章練習/新星急報社

木漏れ日、午睡、夢を見ていた

◆3月20日~24日◆
東京高円寺の自由帳ギャラリーにて 11作家による企画展
リカシツトショシツズコウシツ 4
にて、書籍版を販売します。
こちらは全文無料の試読ページです。

ーーーーー

 どんな人間にも、すこしは輝ける場面があるという。ぼくはいまだにそんな場を得たことはないが。ぼくはずっと、ただの端役だった。主役たちのことは知っている。しかし彼らがどんな人間だったのか、語るのは難しい。

もっとみる

実録まんが アクセサリーイメージオーダー編

わたしはシガールばかり食べている人間ではないんですね実は。
こんな仕事をしているのの説明まんがを書いたのでご紹介します。

ブログというのはこちらであり、過去作品などもまとめております。

実際に行ってみたい! というかたは該当日程をご紹介している記事内から予約リンクをたどってくれということになっています。これは、わざとややこしくすることで注意をちゃんと読んでもらいたいといういにしえのネット儀礼な

もっとみる

または私は如何にして心配するのを止めてシガールを愛するようになったか

シガールが好きなんです。
と、言うとおおむねの人間はああおいしいよね、あのクッキーでしょ。薄く巻いてあるやつね。と言うであろう。
シガールは万人に愛されているのである。疑いようもない。ご進物、お歳暮、お中元に頻出するのが良い証拠で、彼らは高島屋から、伊勢丹から、阪神、阪急百貨店から我々のもとにやってくる。
そんなに有名? とか食べたことないなぁという人は、これからシガールと真剣に向き合う機会がある

もっとみる

フローライト逍遥

フローライト、フルオライト、蛍石。
 はかなく脆い石、だが鉱物趣味者のなかでこれに惹かれないものは少ないのではないだろうか。紫、青、緑を中心にした、さみしい明るさのある冴え冴えとした色、その八面体の形。値段が手頃なことも相まって一つ手元に置いてみたいと思わざるを得ない、魅力のある石である。わたしもいくつかこの石は持っていて、数年前の誕生日にいただいたつやつやしたものは今でも本棚に飾っている。正八面

もっとみる

つきのさばく

浅い眠りは、微かな震えと光に破られた。
 私はベッドの上で半分だけ身をよじって、それを見た。携帯電話は石のように冷えている。真夜中、二時過ぎ。メッセージ。発光する液晶のブルーライトは眼に悪いのだそうだ。たしかに大体なんでも体に悪い。食べ物でも、酒でも、なんでも。
 メッセージは別に緊急のものではなかったが、珍しいものではあった。だけど私はとにかく眠たくて、その光を片目の中に差し込まれながら眼を閉じ

もっとみる