CASEに関わる最新海外動向 (2021年2月)

~2021年3月5日

この期間の重要な動向

■ 中国は、EVの拡大をエネルギー変革(石炭火力発電の抑制、再生可能エネルギーの拡大、電力網整備)に組み込もうとしている。

■ 米国は4月22日の気候温暖化に関するバーチャルサミットに世界有数の排出国を集めている。(インドへのアメリカ人投資家を含めて)

■ 欧州でEV拡大と伴に、バッテリー産業の域内育成が進んでいる。中でもTeslaのベルリン工場が欧州に於けるバッテリー製造ハブになる可能性がある。

■ VWのOTAソフトウエアアップデートは漸く実施された。コンベンショナルな自動車メーカーの多くがEVに必須なOTA実現に苦心している。

■ 今後更なる半導体技術の高度化で、自動車産業は技術戦略の見直しを余儀なくされる可能性が高い。

以下詳細です。


◎◎◎ 中国の動向 ◎◎◎

中国は自動車販売とEV充電設備の拡大を約束した。

◇ 李克強氏はより多くの駐車場、EV充電ステーション、バッテリー交換施設を建設し、バッテリーリサイクルシステムをより速いペースで開発すると語った
◇ 中国自動車メーカー協会によると、2021年の自動車全体の販売台数は2017年以来初めて増加し、約2,720万台に達すると予想される。
◇ 中国政府のNEV購入に対するインセンティブには、補助金の延長、古い内燃機関車両の除去の促進、中古車ディーラーへの減税、農村地域でのEV販売促進が含まれ、EVを含む新エネルギー車の売上高は、1月に281%急増した。

★ 中国は二酸化炭素排出量をネットゼロにする為に、それ以前から原油の使用をオフピークする必要がある

◇ 中国での石油消費は増加しており、北京でのCNPCの12月の会議で発表された予測でも4年前の推定よりも1日あたり約1Mバレル高くなっている。
◇ 中国の石油の約54%が輸送に使用されており、政府はEVの台数を増やすことによって、そのセグメントを縮小することに焦点を合わせてきた。
◇ CLSAの調査によると、新車購入を計画している中国の消費者の半数以上が、内燃エンジン車よりも新エネルギー車を好む。政府は2025年までに、新車の20%を新エネルギー車にし、2035年までにそのシェアを50%以上に拡大する予定。

★ 世界最大の排出国である中国は2025年までに如何にグリーンになるか。

◇ GDPの成長と共に、引き続きエネルギー消費は高まるが、石炭や石油の生産量の増加を抑え、再生可能エネルギーの伸びを高める。
◇ より多くの産業セクターを最も急速に成長している炭素を含まないエネルギー源である風力と太陽光発電に接続し「すべてを電化する」。
◇ 中国がEV車両を拡大するにつれて、電力消費の比率が2025年までに30%、2030年までに35%に上昇する。

◎◎◎ 米国の動向 ◎◎◎

★ FordのCEOは供給不足を避ける為、米国内でのバッテリー生産を求めた

◇ 現在米国自動車工場を閉鎖している半導体不足のような供給の混乱を避けるために、米国はEVの次の波のためにバッテリー製造を開始しなければならないと述べた。
◇ Fordの次期EV F-150ピックアップのバッテリーサプライヤーであるSK Innovationは最近、LG Chemが提起した知的財産訴訟に破れた。
◇ 半導体の世界的な不足により、世界中で工場のアイドリングが発生し、FordとGMは税引前利益が3分の1に減少する可能性がある。

◎◎◎ 欧州の動向 ◎◎◎

★ ドイツのTeslaタウンは欧州に於けるバッテリー製造ハブになりうる

◇ Teslaがグリューンハイデに建設しているEV工場に追加する予定のバッテリーセル生産施設は、約2年以内に生産開始になる可能性がある。(Model Yのアセンブリは今年半ばに開始される予定)
◇ ドイツのBASFは、近くでカソードを製造し、バッテリーをリサイクルする予定。フランスのAir Liquideは、そのサイトへの酸素と窒素の供給に€40M ($48M)を投資。米国のMicrovastは、近くにバンとSUV用の急速充電モジュールを構築することを目指している。
◇ ドイツにとってTeslaの新しい自動車工場はこの厳しい時期に新しい雇用を約束し、メルケル首相もMuskに歓迎の手を差し伸べ、経済相は施設を稼働させるために必要なあらゆる支援をMuskに約束した。

★ VWとBMWの充電ベンチャーが欧州での充電ネットワーク拡大を交渉中

◇ VWとBMW、その他の自動車メーカーによって設立された充電ベンチャーIonityとその株主は、高速充電インフラの急速な拡張を含む、将来の成長計画を策定するために話し合っており、追加投資が検討されている。
◇ 昨年、欧州でEVの販売が3倍になり、充電ポイントで長蛇の列が出来て潜在的な購入者が購入を先送りにする可能性があることを恐れている。
◇ メーカーは欧州連合と政府に、昨年の224,500箇所から2024年までに1百万箇所の公共充電ポイントをサポートするよう働きかけており、Daimler、Ford、Hyundaiグループを含むベンチャーの各株主は、すでに約€200Mを同社に投資している。

★ FordはドイツにEVの工場を建てるため、$1Bを投資する

◇ 今月初めに、Fordは2025年までにEVへの投資を2倍にし、$22Bにすると発表したことを報告した。
◇ 2023年に初の「欧州製量産型BEV」を新工場から展開する計画であり、2車種目の車両も検討している。
◇ Fordは現在、2026年半ばまでに全ラインナップで全電気およびプラグインハイブリッドオプションを用意し、2030年までに欧州でBEVのみを販売することを目指としている。

★ JaguarのEVシフトで英国工場で作るクルマがなくなる可能性がある

◇ JLRは、電化および関連技術に年間約£2.5B ($3.5B)投資し、Jaguarブランドは、2025年までのわずか4年で完全に内燃機関を廃止し、Land Roverブランドは2024年に最初のBEVを出荷し、その翌年には全てのJLR車種が完全にバッテリーで駆動される。
◇ 内燃機関の車種が段階的に廃止された後、工場を「再利用」する方法を模索しており、英国における非製造インフラストラクチャを「大幅に削減および合理化」することを計画している。
◇ 英国の労働組合Uniteは、JLRの戦略改革を歓迎するが、工場や労働者を閉鎖しないという誓約を守る場合にのみ、同社を支援すると述べている。

◎◎◎ 日本の動向 ◎◎◎

★ Teslaの大幅値下げによって、日本での需要が拡大した

◇ Teslaは先月、Model 3の長距離バージョンの価格を24%引き下げて499万円($46,700)とし、値下げ前と比較して納車期間が6〜8週間から12〜16週間に伸びた。試乗予約もこれまでの待ち時間1週間が現在では3週間を超えている。
◇ 「これはEVが安くなれば日本でも売れることを示している」、「日本車が同様の価値を提供することは難しいだろう」(Carnorama)
◇ 昨年の時点で、Teslaは日本国内で2,000台未満を販売し、前年からわずかに増加したのみ。
◇ 2030年までに世界で年間20M台を販売するという野心的な目標を達成するために、日本で販売量を拡大することが重要になっている。
◇ ホンダとマツダは昨年、それぞれ約450万円のEVを販売し始めたが、Model 3に比べて走行距離がはるかに短い。

◎◎◎ EVの動向 (Tesla) ◎◎◎

★ Elon Muskはニッケルの供給懸念からより多くのLFPバッテリーを用いるという

◇ Elon Muskは、コバルトを含まないリン酸鉄(LFP)バッテリーのエネルギー密度が十分に向上したため、短距離を走るローエンドの車両に使用することは理にかなっていると述べた。
◇ 2020年10月、TeslaはLFPバッテリーセルを搭載したModel 3 Standard Range Plusを上海工場で生産を開始し、中国から初めて欧州に輸出し、Teslaの新しいベースモデルになった。
◇ ニッケル陰極を備えたバッテリーセルは、リン酸鉄を使用したセルよりもエネルギーと電力密度が高いため、Teslaは短距離EVでのみリン酸鉄を使用する。

★ Teslaはニューカレドニアで物議を醸しているニッケル鉱山に関与している。

◇ ニューカレドニアは、世界のニッケルの25%を所有していると考えられ、鉱山の巨人Valeが所有・運営するGoro鉱山の本拠地。
◇ 環境汚染被害から地元住民との紛争の問題で悩まされ、生産が不安定で将来が不透明であったためValeはお金を失い、1年以上にわたって買い手を探していた。
◇ Valeは鉱山従業員と3つの地方州、および鉱山の19%を所有するシンガポールの商品取引グループTrafiguraで構成されるコンソーシアムに鉱山を売却する合意。Teslaが「技術的および産業的パートナー」としてリストされている。

★ Teslaは10兆円の企業価値を失ったが、トップアナリストの評価では今年100兆円の価値になる可能性がある

◇ わずか数か月前の$800Bの高さから、現在は$550Bにまで評価額を上げており、下落のほとんどは先週発生した。
◇ 「中国でTeslaが現在の道を歩み続けると、Teslaは2022年までに世界で100万台の販売に達する可能性がある。その結果、我々の分析ではTeslaの株価は$950となり、市場価値は2021年に$1Tに達する」(Wedbush)。

★ Teslaは機密情報を公開する可能性がある

◇ Muskは2月3日、Teslaが自動運転技術の全面的ライセンス供与に関する予備的協議を行なっていると述べた。
◇ Teslaの車は常に電源がオンになっていて、ネットワークに常時接続しており、毎日、数十万人のTeslaオーナーが生成したデータはすべてTeslaのサーバーに送られ、人工知能を用いて解析される。
◇ 2020年に行われた投資家向けイベント「Tesla Autonomy Day」で、Muskは現在この学習がDojoと名付けられた新たなスーパーコンピューターを使って行われていると述べ、2021年2月3日の電話会議でMuskは、Dojoが、他の自動車会社にライセンスされるパッケージの一部になる可能性を示唆した。

◎◎◎ EVの動向 (VW) ◎◎◎

★ VWはEV化を加速しているが、更に加速する必要がある

◇ VWはEVシフトを加速する「ACCELERATE」計画を発表し、2030年までに、欧州でのEVのシェアを以前に計画されていた35%から70%に倍増し、米国と中国では2030年までに50%に上昇させる。
◇ EVに関してVWは世界市場のリーダーになる道を進んでいるが、EVへの変更はまだ始まったばかりで、本当に大きな変革はこれから起こる。
◇ VWが、2025年以降数百万台のEVを生産する準備をするために、内燃機関車の生産からEVの生産にさらに多くの工場を転換する準備をしていることを意味する。

★ VWはTeslaを追いOTAアップデートを開始したが、顧客はまずディーラーに行く必要がある

◇ 自動車が製造され、納車されてから何年も経った後も、新機能で車両を改善できるため、Teslaにとって大きなセールスポイントとなっている。
◇ VWはOTA無線ソフトウェア更新機能を以前から発表していたが、漸く本日、最初のソフトウェアアップデートを発表した。このソフトウエア(Ver. ID.2.1)にはEVがOTAソフトウェアアップデートを取得できる機能が含まれている。
◇ 今年の第8週以降に製造されたIDモデルにはID.2.1が含まれており、米国で販売されるID.4には最新のソフトウエアが組み込まれている。

★ UBSの分解によると、VWのEVはTeslaに競合し得る

◇ Teslaと完全にコスト競争力があり、クラス最高のエネルギー密度と効率を誇り、「これまでのレガシー自動車会社による最も信頼できるEV」となっている。
◇ VWの普通株は5.6%も上昇して€209になった。これは、Herbert Diess CEOがBMWから入社した2015年7月以来最高の株価で、UBSは価格目標を€300に引き上げた。
◇ FordはVWのモジュラーEVプラットフォームのライセンスを取得し、欧州でコンパクトカーを製造し、ボリュームを拡大する。

★ VW最大の工場で半導体とバッテリーセルが不足している

◇ ドイツのWolfsburgにあるVW最大の工場は、Golf向けのハイブリッドバージョンのバッテリーセルと半導体コンポーネントが不足しており、Golfハッチバック93,000台の受注残があり、これは4か月以上の生産量に相当する。
◇ 特に、ハイブリッドは顧客の間で特に人気があり、ドイツでの注文の60%、欧州全体で40%を占めている。
◇ VWはチップ不足が第2四半期も続くと予想しており、コンサルタント会社によると、この問題により世界全体で自動車メーカーの今年の売上損失は$61Bになる。

★ VWとMicrosoftは完全自動運転ソフトウエアでの協業を拡大する

◇ VWは、2025年までにデジタル運用に約€27B ($33B)の投資を計画しており、社内で開発するソフトウェアのシェアを10%から60%に増やす。
◇ 2018年にMicrosoftと最初に契約を結び、将来の自動車を接続するための自動車用クラウドを開発し、今年後半に最初のテストフリートを出荷する。
◇ このソフトウェアは、2022年からVWの量産車で使用される予定だ。

★ AudiはPorscheベースのe-Tron GTを公開

◇ Audiは、ポルシェ初のEVであるTaycan向けに開発された技術に基づく高性能EVセダンE-Tron GTを発表した。
◇ 今年の春に欧州で発売されるE-Tron GTは€99,800から、トップスペックのRSバージョンは€138,200から始まる。その後、夏から米国 に出荷され、GTは$99,900から、RSは$139,900から始まる。
◇ 標準で約470馬力、RSで約590馬力となる。E-Tron GTは4.1秒で、RSバージョンは3.3秒で時速100キロメートルまで加速する。どちらのモデルも、93kWhのバッテリーパックを搭載したデュアルモーターの全輪駆動。高速充電ネットワークに接続すると、わずか5分で100 km(62マイル)の範囲を充電出来ると述べており、Porsche Taycanとまったく同じ設定。

◎◎◎ EVの動向 (GM) ◎◎◎

★ Chevy Bolt EUVの最初のドライブ: 最高の運転支援を持つベストバリューEV

◇ GMは過去5年間でBoltのパワートレインはアップグレードせず、運転体験を高度化した。
◇ 米国の連邦税額控除が復活すれば、$20,000半ばで買え、200馬力で250〜260マイルを実際に走行可能なのは十分良い買い物だ。
◇ 運転支援技術(Super Cruise)はドライバー監視機能を備え、運転は現在のTesla Autopilotよりもスムーズになっている。

★ GMは米国で第二のバッテリー工場を作る可能性がある

◇ この工場もLG Chemと共同で建設される予定。WSJによると、最終的な場所はまだ決定していないが、2番目の施設はテネシー州になる可能性がある。
◇ GMのスポークスパーソンは、2番目の工場がLG Chemと話し合っていることを確認し、2021年の前半に決定が見込まれる。
◇ GMはますますその未来をEVに賭けている。2025年までに30車種の新しいEVの開発と生産に$27Bを費やすことを約束しており、その3分の2以上が北米で利用される予定。

◎◎◎ EVの動向 (上記以外) ◎◎◎

★ Amazonが支援するEVメーカーのRivianは今年IPOを目指す

◇ この問題に詳しい人によると、Rivianは9月に約$50B以上の評価額で公開される予定だ。(株式公開のタイムラインとその潜在的な価値は変わる可能性があり、上場は年内に行われるか、2022年まで遅れる可能性がある)
◇ RivianはTesla対抗として最も注目を集めるEVスタートアップで、これまでに$8B以上を調達し、$50Bの評価額で、おそらく今年最大のIPOの1つになりうる。
◇ 中国のEVスタートアップLi Autoは、7月に米国のIPOで$1.26Bを調達した。別の中国のEV会社であるX Pengは、8月に米国の上場で$1.5Bを調達した。

★ Volvoの最初のEVは貨物港でソフトウエアアップデートを待っている

◇ 「現時点で、ソフトウェアの問題によりVolvo On Callシステムがまだ機能しておらず、XC40 Rechargeの出荷が遅れる」、「港に存在する車に関するVolvoスウェーデンからの更新連絡を待っている」 (カスターサービスのメール)。
◇ 先週欧州では、Volvoは既存のXC40の顧客向けに、「自動車の主要な電子システムの新しいベースソフトウェア、充電速度の向上、および走行距離の改善、更に不特定の重要な安全関連のバグ修正」を含む最初のOTAアップデートおこなった。
◇ 「新しいVolvoは、工場出荷時に最高の状態ではなく、追加のOTAアップデートにより、時間の経過とともに改善され続ける」と同社はプレスリリースに記している。

★ 中国のNioは売上を伸ばしたが、利益が予測を下回った

◇ 売上高は6.64B元で推定と同程度だったが、純損失は1.39B元($203.6M)でアナリストの予想平均0.576B元よりも大きかった。
◇ 世界最大の自動車市場である中国におけるEVの需要は、消費者がよりクリーンな自動車を受け入れ、EVのコストが下落するにつれて、今後数年間急増すると考えられている。
◇ Nioは「Battery as a Service」モデルを採用し、消費者は車体のみ購入する事でEVの購入初期費用を安くし、バッテリーをリースすることでテクノロジーの変化や改善に応じてアップグレードすることも出来る。

★ BMW CEOはTeslaは産業界が期待するほどの成長を維持出来ないと言った

◇ 「業界の他の部分が大きく前進しているため、Teslaがその速度で継続することは容易ではない」(BMW CEO)
◇ EV化に$数Bを注ぎ込んでいるBMWの自信を反映している。
◇ しかし、BMWより大きな競合であるVWでも、今年Teslaの販売を大きく上回るとは予測していない。

★ ロイターによると、Huaweiは米国の制裁処置後、EVを作ることを計画

◇ 報告によると、HuaweiはChongqing Changan Automobile (長安汽車)などの自動車メーカーの工場を使用してEVを製造することに関して話し合っている。
◇ ロイター通信によると、Huaweiは、BAIC(北京汽車)のBAIC BluePark New Energy Technologyと車両の製造についても話し合っているという。
◇ Huaweiのスポークスマンは、同社がEVを設計したり、独自のブランド車を生産したりする計画を否定している。

★ テキサスの停電の中、如何にEVが3家族を救ったか

◇ 嵐が襲い電源が切れる前日に、EVを80%~90%充電しておくことで、1泊~3泊の車内暖房等に利用出来た。
◇ 調査した580人のドライバーの72%が、2月10日から2月22日の間に自宅で少なくとも1回の停電を経験し、停電によりEVを運転できなくなったと答えたのは6%以下。
◇ 多くのドライバーは、停電の可能性を見越してバッテリーを充電した。すべての停止が充電を妨げるほど長く続いたわけではない。停電を経験したEVドライバーの6.5%は、自宅にバッテリーエネルギー貯蔵システムを設置していた。

★ EVはディーラーも過去のものにする

◇ Volvo Carsは2030年までに完全にBEVになる。そのBEVはオンラインでのみ販売されOTAで無線ソフトウェアアップデートされる。
◇ EV化された際にはディーラーが危機に瀕し、EVはまた内燃機関車よりも可動部品がはるかに少ないため、同じレベルのサービスは不必要となる可能性が高い。
◇ 数十の電子制御ユニットが無線で更新できる様になれば、恒久的に機能強化され、サービスセンターに行く必要もない。

★ Lucidは$24Bの評価額でIPOすることに合意した

◇ Bloombergが1月11日にLucidとChurchillが交渉中であると最初に報告して以来、株価は劇的に472%上昇し、想定$24Bの株式価値で上場する予定だった。
◇ しかし、特別買収会社であるChurchill Capital Corp IVが、Lucidとの合併を確認した後、株価が46%も下落し、Lucidはデビューモデルの生産を今年の後半に延期しすると発表した。

◎◎◎ EVバッテリーの動向 ◎◎◎

★ 韓国LGとSK間のEVバッテリーの戦いに対し、カーメーカーはバイデン介入前の和解を求めている

◇ 国際貿易委員会(ITC)は、2月10日、SKのバッテリーがLGから盗んだ企業秘密で開発されたことを証明する為に必要な電子メールやその他の文書をSKが破壊した罰として輸入禁止を命じた。(但し、SKからバッテリーを購入するFordとVWの生産計画が狂わない様に、2-4年輸入できる猶予がある)
◇ SKはジョージア工場は閉鎖を余儀なくされ、「米国がEV競争で中国に遅れをとらないようにするためには不承認が必要である」とバイデン政権に決定を覆すよう求めた。
◇ FordはLGとSKの和解を期待している。

★ リチュウム鉱山のトップ企業はグリーンカーの拡大で事業再生に賭ける

◇ Albemarle Corp.は、世界的なバッテリーブームが勢いを増すにつれて、リチウムの生産量を拡張するために$1.5Bの株式発行の収益のほぼすべてを割り当てた。
◇ BloombergNEFは、今年は水酸化リチウム(バッテリーグレードのリチウム)の供給が逼迫し、バッテリーの消費拡大に伴って価格が上昇すると予想している。
◇ Albemarleは需要予測を14%引き上げ、現在の約30万トンから2025年には110万トンを超えると予測している。

◎◎◎ FCVの動向 ◎◎◎

★ 水素は国際的なクリーン競争の中で ‘ジャンプボール’だとケリー氏は言う

◇ 米国の石油・ガス産業には水素の生産と輸送での「巨大な事業機会」があり、水素はバスケットボールで言うところのジャンプボールだと大統領気候特使John Kerryは述べた。
◇ 現在、水素のほとんどはガスから抽出されているが、炭素を排出しないように、再生可能エネルギーを使用して水から製造することが求められている。ケリー氏によると、石油・ガス会社は水素を輸送するための「莫大なインフラ」を持っており、2050年までに、クリーンエネルギー技術部門で年間約$6Tの経済移転が行われることになる。
◇ 米国は、世界の平均気温が産業革命以前のレベルから摂氏1.5度を超えないようにすることを目的として、4月22日のバーチャルサミットに世界有数の排出国を集めている。(インドへのアメリカ人投資家を含めている)

★ Sinopecは中国政府のグリーンカーに対する目標の為、社運を賭ける

◇ Sinopec (China Petroleum & Chemical Corp)は昨年末約27箇所のパイロット水素ステーションから2025年までに1,000箇所までステーションに増加する計画。
◇ 「2000箇所の水素ステーションがあれば、道路上の15万から30万台の燃料電池車を十分維持できる」(Morgan Stanley)
◇ 中国当局が起草した省エネ車開発計画によると、2019年に国内で販売された燃料電池車は2,700台に過ぎないものの、2030年までに100万台の燃料電池車を稼働させることを目標としている。

◎◎◎ カーボンニュートラルの動向 ◎◎◎

★ FedExは2040年までにカーボンニュートラルになる為に、$2Bを費やす

◇ $2Bの資金は、車両のEV化、持続可能エネルギー、炭素隔離という3つの主要分野に費やされる。
◇ 2025年までにFedEx Expressのピックアップおよび配送車両購入の50%をEVとし、2030年までに、これらの車両購入の100%をEVとする計画。
◇ 但し、FedExは650機以上の航空機を運航している世界最大の貨物航空会社であり、そのカーボンフットプリントが特に大きく、完全にカーボンニュートラルになるという公約を実現するのは遥か先になる可能性が高い。

◎◎◎ 自動運転の動向 ◎◎◎

★ GMが支援しているCruiseがVoyage買収を交渉中

◇ Voyageはリタイアメントコミュニティで運営されている自動運転テクノロジースタートアップである。
◇ Voyage CEOは都市環境で自動運転車の問題を解決するには、1,000人以上のエンジニアが必要だと述べていた。
◇ Cruiseは$8B以上を調達し、最終的にはほとんどの環境で完全自動運転を実現可能としたいと考えている。

★ Auroraはトヨタとパートナーを組み、自動運転を量販車に持ち込む

◇ Auroraのハードウェア、ソフトウェア、センサースイートであるAurora Driverを搭載する最初のモデルはトヨタのSiennaミニバンとなり、今年から最初のフリートのテストが開始される。(Auroraは最初の導入を長距離トラックの自動化に重点を置いている)。
◇ トヨタはAuroraの取締役会のオブザーバーシートを獲得する。
◇ トヨタは、2019年に中国の自動運転スタートアップPony.aiと同様の合意を結び、昨年$400Mの投資で確固たる関係にした。

★ AuroraはLiDARに夢中でもう一つのLiDAR企業を買収

◇ 評価額が少なくとも$10BのAuroraは、LIDARに全面的に取り組んでおり、カリフォルニア大学バークレー校のチームによって設立されたLIDAR企業である12人のOURS Technologyを買収する。
◇ 車両が環境を認識し、歩行者や他の車両の行動を予測し、安全にナビゲートする計画の為に有効な、FMCW (frequency-modulated, continuous-wave)、または周波数変調された連続波ライダーとして知られている技術を利用している。

◎◎◎ その他 ◎◎◎

★ 世界でコンピュータチップが不足している理由

◇ パンデミックと米中の緊張の高まりによってアジアのTSMCとSamsung2社への世界的な依存の高まりを助長し半導体不足が生じた。
◇ 外出禁止令は、チップメーカーが予測したレベルを超えて需要を押し上げ、ワークフロムホームにより、ホームネットワーク機器やモニターとともに、ノートパソコンの売り上げは過去10年間で最高になった。自動車メーカーは、売上高の戻りを過小評価し、昨年末に急いで注文を戻したが、チップメーカーはAppleのようなスマートフォンの巨人に最大の供給をしているために拒否された。
◇ TSMCは2021年の想定資本支出を前年の記録的な$17Bから$28Bに引き上げ、SamsungはTSMCに追いつくための10年にわたるプロジェクトに約$116Bを割り当てる。

★ $9Bのみずほファンドが日本のESGの名称で審査を受けた

◇ みずほフィナンシャルグループのアセットマネジメントOneが所有し、ニューヨークを拠点とするMorgan Stanleyが運用する1兆円($9.4B)の投資信託であるGlobal ESG High Quality Fundが、ESGに関する情報提供が不十分だとして金融庁からレビューを受けた。
◇ その目的の1つは、資産運用会社やファンドディストリビューターが投資家を引き付けるためにESGの名称を付け、その利点を誇張したり、誤って伝えたりする事を避け、投資家を「グリーンウォッシング」から守ること。
◇ 金融庁は、投資信託の名称規則の必要性について、資産運用会社やファンドディストリビューターとの話し合いを開始する可能性がある。

★ 韓国は2025年までにEVの価格を半分にする計画

◇ 韓国政府は、EVへの移行を促進するために、2025年までにEVの価格を引き下げる。この戦略には、韓国の顧客向けのEV用バテリーのリースが含まれる。これにより、初期購入コストがほぼ半分に削減される。
◇ HyundaiグループのE-GMPのような専用のプラットフォームを利用することを計画している。

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