初めてのお泊り保育、息子がいない夜

少し前、息子の保育園でお泊り保育があった。
年中・年長が参加するイベントで、息子は初のお泊り経験。

昨年4歳時点では「お泊まりなんて全然行きたくない」と言っていた彼だが、5歳の今年は「めっちゃ楽しみ~!」と言っていて成長を感じさせられた。
こちらも少しドキドキはするが、娘も保育園時代に経験している(当時は年2回あった)ので慣れもあり「行ってこ~い!」という心持ち。

前日に持ち物を一緒に準備する。

「ここに着替えが入ってて、こっちにはパジャマね」なんて言いながら。息子はきちんと話を聞いて、「わかった!」と親指を立てている。頼もしい、のか?少し笑える。



当日の朝、登園をすると、子どもたちみんな「わくわく」と顔に書いてあるような表情をしていた。反対に保護者は少し心配そうな顔。

「行ってらっしゃい!楽しんでね~!」

そう言ってバイバイをする。笑顔の息子と別れ、こちらが少し寂しくなる。
親と離れて、友達と先生と過ごす丸1日。絶対に良い経験になるはずだ。

どんどん成長していくよなぁなんて思いながら、職場へと向かった。


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そして、夜は夫は仕事で遅いので、小3娘と2人でイタリアンレストランに行くことにしていた。娘は行きの車で「2人っきり~♡」と嬉しそう。

しかし、レストランに着いて少しすると

「〇〇〇(息子)がおらんと寂しいな……」と漏らす。

「ほんまやなぁ。なんか寂しいよな。今頃何してるかな?」

「ご飯食べてるかな?」

「食後のレクリエーションの時間みたいやな。そんで言うてるまに消灯やわ」

「え~!早い!楽しいやろな~。お泊り保育、めっちゃおもしろかったもんなぁ。いいな~」

なんて、初めは息子の話ばかり。

食事が進むうちに娘の話が中心にはなったが、やはり息子が気になる2人(私と娘)。折に触れて、今何してるかな~?という話していた。


そして、帰宅した頃、息子の学年の母親全員が参加しているグループLINEに、ぽつぽつとメッセージが届く。

いないのが不思議で、思わず朝脱ぎ捨ててあった息子のパジャマの匂いを嗅いでしまった。
久しぶりに夫婦で食事に来てますが、子どもの話ばかりしてます。
そろそろ寝ましたかね。楽しい1日やったかな。うちは上の子サービスデーになってます。

どのメッセージも「愛しかないな」というような内容で、涙腺が緩む。息子のクラスのお友達、みんなめっちゃ良い笑顔してるもんな。まあるい愛情に包まれてすくすく育ってるんだな、とどこから目線かわからない感情を抱き、ちょっと泣いた。

そして、娘は「〇〇〇(息子)寝てるかな~?」「今日は朝も早かったしいっぱい遊んで寝てるんちゃうかな」なんて話しながら眠りについた。

私は、息子がいつも寝ている側にいなくて、少し寂しくて。息子の運動会の動画を観てニヤニヤ、心を落ち着かせてから寝た。


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翌朝、いそいそと保育園まで迎えに行く。

息子は笑顔で出てくる。「楽しかった!」と、元気いっぱい。先生のお話聞いて、色んな経験をさせてもらったことに感謝を伝える。
みんな安心したような、少し誇らしげな顔をしている。こうして、親と離れた場所で、ぐんぐん成長していくんだな。


「全然寂しくなかった?」

帰宅して少し落ち着いたタイミングで、こっそり聞いてみた。

「……夜、寂しくなっちゃった。けど、お布団から△△(娘)のニオイがしたから……。それを嗅いでたら落ち着いた~」

少し照れた表情でそう答える息子。

お布団、サイズ指定もあったので、娘が使っているものを洗わずにそのまま持たせたんだった。

一緒に聞いていた娘も少し嬉しそうな、はにかんだ表情をしている。

「ああ、そうなんか~。良かったな~布団、洗わずに持たせて良かったわ(笑)うん、来年もそうしよう。したら、安心して寝れるな!」

そう言って3人で笑った。

いるのが当たり前で、いなくなることで初めて存在の大きさに気づかされる。離れていてもお互いの存在が、力になる。

家族って、そういうものだよなぁと思う。

初めてのお泊り保育、息子がいない夜。
いないからこそ、お互いのことを想い合う、そんな夜になった。


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